Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

クワズール・ナタール大学
2010年9月号 経済学部 S.N

試験について

この大学の試験は1教科に3時間ほどもかけます。1教科は日本でいうと6単位分ほどになり、授業も週に3、4回あるので範囲もとても広く前日に少し勉強してパスできるほど簡単ではありませんでした。試験はこの大学のすべての学部、学年の生徒が体育館に特別に設置された試験会場で割り当てられた日に受験するというシステムです。とても広い会場ですごい人数でいっせいに受けるので集中力が必要です。

私が取っていた『Africa in the World』というアフリカの社会問題について総合的に学習する授業の試験ではA4の用紙を埋める小論文が6問、つまり6枚ひたすら書くというものでした。英語が苦手な私は半月ほど前から試験勉強をしていましたが、それでもその量と時間はとても大変でした。

 『English Language Development』という英語の文法やスピーキングを勉強する教科でも3時間ひたすら問題を解くというもので、難しいというよりもとにかく終わった後はとても疲れたのを覚えています。

 試験結果が50%以上ならばパス、40~50%が追試、それ以下は最履修だったような気がします。私は幸運にも60%程度でしたが無事に単位を取得することができました。

余暇の過ごし方

全体的に、日本に比べると何もすることがない、というのが私の印象です。公園や海など緑は多いのですが、遊園地や動物園などといったテーマパークもなければボーリングなどするような娯楽施設も少なく、こっちに来て最初のうちは週末に何をして過ごそうかよく考えました。

 この大学のキャンパス内に住む多くの学生はアルバイトやクラブ活動などをしているようではないのですが、龍谷大学の学生と比べると勉強で忙しい人が多いようです。私がとっている授業でも毎日のように課題が出されますし、授業によって異なりますが、3~4回の大きなエッセイと小テスト、それに加えて学期末の3時間の試験を考えれば、それが4、5教科分ですからとても忙しいのではないかと思います。プレゼンテーションやレポートなどを抱えている友達もたくさんいて、週末も勉強している学生もたくさんいるようで感心します。

 普段私はみんなで映画を観たり話をしたりして大学内の寮で過ごすことが多いと思います。たまには友達みんなで買い物に行って料理をしたりBBQを計画したりすることもあります。週末はビーチに行ったりレストランやカフェでリラックスすることもありますし、月に1度程度で、週末を利用したちょっとした旅行に行くこともあります。時間があれば友達と何かをすることを心がけていますが、何もなくとも話をして異文化を感じるだけでもとても楽しいことに気づきました。

 ゴミ問題について

私がこっちに来てとても驚いたのは路上に捨てられた大量のゴミでした。南アフリカはとても発展した地域と未だ電気も水も通っていないような地域を併せ持つ複雑な国ですが、特に都会では本当にゴミが散乱しています。海外に行くといつも、「日本ってとてもクリーンな国なのだな」と気づかされますが、ここのゴミ問題は本当にひどいと思います。

街中の至るところに政府に雇われた清掃員の方がいますが、それでも追いつかないようで街の雰囲気も決してよくはなく観光客なんかは近寄りづらいのではないかと思います。

 問題の原因は個人個人のモラルだと思います。街中の至るところにドラム缶で作られたゴミ箱が設置されていますが、彼らが、ちょっと歩いてそこに捨てるということは少ないようです。

 ある時、街に住む友達がゴミを路上に捨てているのを見て、私は「どうして街が汚れるのが気にならないの?」と聞いたことがありました。すると彼は「アフリカはまだいっぱい自然が残っているから大丈夫だ」と答えたので、とてもビックリしたのを覚えています。確かにたくさん自然はありますが、そういう問題ではないだろう!と議論しましたが、彼が納得してくれることはなく結局私が拾ってゴミ箱に捨てました。先進国はお金があり環境問題についても考える余裕があるからだとは思いますが、これも1つのカルチャー・ショックでした。発展途上国のゴミ問題は有名ですし、たくさんの国がこのような問題をかかえていますが、南アフリカは今急激に発展している国です。私は目の前で何も問題視されることなく捨てられていくゴミをみると解決にはまだ少し時間がかかるのではないかと思いました。