Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

マラウイ大学
2017年11月号 理工学部 M.K

<この留学を振り返って>

3ヶ月と短い留学でしたが、たくさんの貴重な経験をさせていただきました。世界自然遺産に登録されている美しく、世界でも類を見ない生物多様性に富んだマラウイ湖で、現地のダイバーやボートマンを雇い、その人達と共に調査を行いました。休日には国立公園に出向き、野生のカバやワニ、アフリカゾウと出会うことができました。お世話になっていた先生の親戚の結婚式に参加させていただいたこと、滞在していた村の次期村長のセレモニーに立ち会うことなど、普段見ることができないマラウイの文化を体験できました。そんな中で、たくさんのマラウイ人と友達になり、サッカーのクラブチームの練習にも参加させていただきました。日本の凧揚げを現地の子供達に広め、遊んでくれたことは日本人として嬉しかったです。マラウイでの生活すべてが刺激的で、たくさんの新しい発見がありました。本当に留学してよかったです。

このような感想を述べていますが、留学当初は不安で仕方なかったです。マイノリティというレベルではなく、外国人が1人の環境でしたから、周りの人に一挙手一投足見られているみたいで、本当に逃げ出したい気分の時もありました。ただ、マラウイの人達は気さくに話しかけてくれます。というよりも、挨拶をとても大切にする文化でした。そのような人達に囲まれて生活できたこと、また、自分なりに努力して留学まで漕ぎ着けてきたので、全力で留学生活を楽しもうと思うことができました。シンプルな考えですが、私の留学が実りのあるものになったのは、この考えのおかげです。何事にもポジティブに楽しんで取り組める人は魅力的だと思います。私もこれからの人生、そのような人物になることを目指していきたいです。

 

潜水調査

リウォンデ国立公園に生息するアフリカゾウ

 

地元のサッカーチームに参加

結婚式

 

<帰国後どう留学経験を活かす予定か>

来年、無事に大学院を卒業すれば、分析・計測機器をグローバルに扱うメーカーに就職します。私はそこで、水質汚染や大気汚染などの環境問題を解決するための装置を製造・販売・メンテナンスをするような業務に就く予定です。正直、私が今まで学んできた生態学の分野とは直接的に関係のない分野です。しかし、私はアフリカ、マラウイの生活の中で、生活排水が何の処理もされず世界遺産の湖に流されていたことや、水・電気インフラが全く整っていない現状を目の当たりにし、このような問題を解決したいと思いました。「発展途上国を中心に環境破壊を未然に防ぎ、人類・生物にとって豊かな環境にする」というのが今の漠然とした目標で、それを分析機器を使って管理や解決の面で貢献したいです。将来のビジョンは、エンジニアとして国外に飛び回って、文化も価値観も違う人たちと仕事をしています。その中で必要になるスキルは、今回の留学生活で少しだけ学んだと感じています。まず、調査を行うために集まった現地の人々への給料の交渉や、その人たちに英語での調査手順の説明、ディスカッションなどを3か月間みっちり行ってきました。コミュニケーションスキルは向上したのかわかりませんが、少なくとも異文化で物怖じせずに意見を言える度胸は身につきました。そして、アフリカという日本とは180度異なる文化に触れることができました。この経験によって、異なる文化や日本の良いところ、そして悪いところの両面を知ることができ、以前より物事に柔軟に対応できるようになったと感じています。

当然、まだ働いてもいないのでこのような仕事をしているとは限りません。しかし、イメージを持つことは計画を立てる上で、また人生を楽しく過ごす上ですごく大切なことだと思っています。それに、もし計画通りにいかなくても、ポジティブに楽しんでいたいです。今回の留学では特に、人生をどう楽しく生きるかを考えさせられた気がします。少し大げさかもしれませんが、マラウイでの生活は常に危険が隣合わせで、失敗しても生きていればそれで十分と思うことが多かったです。計画通りにいかないと長い間悲観的に考えてしまう性格でしたが、そこが根本的に変われた気がします。不安いっぱいで始まった留学も、終わってみれば最高の思い出と経験を得ることができました。この場をお借りして、お世話になった龍谷大学の先生やグローバルセンター、理工学教務課の方々、そしてマラウイ大学の先生や現地でお世話になった方々に心から感謝申し上げます。

 

宿泊地から見えるサンセット。一番好きな景色。