Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

認証待ち
2011年6月号 国際文化学部 D.H

余暇での貴重な経験

休みになると大体は北京の観光地へ出掛けます。もうすでに日本から持ってきたガイドブックに載ってあるほとんどの場所は回ったと思います。その中でも特に感銘を受けた所がありました。それは廬溝橋の側の城塞の中にある抗日記念館です。この交換留学の面接では中国人の反日感情がよく話題に出ていましたが、僕もそこに日中友好の重要な鍵があるような気がして、もっとよく知りたいと思った次第です。一人で来ていたので、入口の方の展示物の説明文をしばらく読んでいると、後ろから声が掛かってきました。その人は抗日戦争を研究している研究生で、研究のためのアンケートに回答して欲しいようでした。今思うと、この出会いがこれからの留学生活をどう過ごすのかを決める大きな要因になったと思います。アンケートの半分がテストになっていたのですが、これが全く分からないのです。日本人が中国と付き合う上で日本人が日本と中国の歴史の大事な根幹である戦争の歴史を知らないのはおかしいと思い、次の日、本屋に行って第二次世界大戦についての本を買ってきて勉強を始めました。少年ジャンプを一回り大きくしたような分厚い本ですが、一ヶ月、ページの隅に要約をつけながら読み進めてやっと4分の1くらいに到達しました。当初は夏休みは上海や新疆に行ってみようと思っていたのですが、こちらの方がやることに意味があると思い、毎日図書館通いをしています。
日本で見た、抗日記念館を取材したニュースは『はだしのゲン』の原爆投下後にあるような場面の写真の展示を中心に、中国人の反感に対する恐怖心を煽るような報道をしていましたが、全然そういったことは無く、報道された部分は記念館の隅の一角に過ぎず、大部分は未来の平和を願うものでした。国営のテレビを見ていても、戦争を題材にした番組はかなりたくさんあるのですが、「反日感情」というのは感じたことがありません。むしろ好意を感じることの方が多いです。北京は日本の感覚で言えばまだまだ地方都市です。大きな空を見てるとまだまだ発展の余地はあると感じます。もっともっと発展して、更に民度が上がれば、必ず、メディアの煽りも意味を為さなくなり、この感情的なジレンマも自然と無くなると思います。抗日記念館での経験は、このようなことを考えさせてくれる上でかなり貴重な経験だったと思います。

パソコンを買いに

 そろそろ卒業論文の準備でもしようかな、と思いパソコンを買いに行くことにしました。大学の近くの大型電器店に行ってパソコンの相場を見てみると、大体3000~4000元。つまり4万5千円~6万円というところでした。ソニーやアップルといった有名なものになると、そこから1000元、2000元は上乗せされます。そこで、中国の技術の今後を占うために中国の企業で作ったパソコンを使ってみようと思いました。こういった高価な電気器具は、中国の秋葉原と言われる中関村に行って値切って買うのが1番良いです。そこには不良品や偽物が沢山ありますが、買う商品をしつこいぐらいに試して使ってみると大概の物は見抜けると思います。それでも見抜けなかったのならば、その商品は使えるということです。これは良質な器具に恵まれた日本人ならではの特技なのだと思います。結果、前日にキリスト教の集会があり調子が良かったのか、2550元の言い値のパソコンを2000元にまで値切り、20分程試して確認した後購入しました。

使用感は、充電アダプタの接続の不具合というのは盲点でしたが、コツさえ掴めばちゃんと充電出来ます。そして、何よりも速さにこだわる中国の文化からか、動作が物凄く速いです。スイッチを入れてからデスクトップの矢印の砂時計が消えるまでの時間を起動毎に「…秒でした」と表示されるのですが、それが大体50秒前後です。それだけ動作が速ければきっと寿命も短いと思うので、電源を切る回数を少なくしたり、照明を少し落としたりして丁寧に扱っています。今のところ、パソコンの使用感は「快適」と言えると思います。

留学期間の折り返しに向けての反省

正直な所、留学開始と今ではあまり中国語に進歩がないような気がしています。当初は、留学の前半は中国語が出来ないことへの焦りをバネに、営々と机に向かって、後半からやっと、外へ見聞を広げに行こうと考えていたのですが、次第に危機感も薄れ、人間が広がっていく内に、いつの間にかその計画は逆転していました。僕は留学に関する本で、「留学生の80%は思うような成果を出せず失敗する。」という文章を読んだことがあります。これは高校生の時に読んだものですが、それでもこの文章は鮮明に覚えています。これは、どのようにに作った統計なのかは知りませんが、これだけ大多数の者が失敗するということであるのならば、一般的な常識から考えた所の前提から間違っているということです。留学期間の折り返し地点にいる今、もう一度よく反省して、軌道修正をしようと思いました。その点を考慮する上で、今学期の試験の結果は非常に有用だと思います。
 試験は種類別に分けると3種類あります。先ず、リスニングの聴力、2つ目はスピーキングの口語、3つ目は一般的な紙に書き込む形式の試験の精読、閲読、写作。聴力の試験の中国語の音声は、感覚的に、授業で日頃やっているよりも簡単な内容だったからか、85点取れました。口語は、パワーポイントなどの道具可で、10分程「中国に来て驚いた事」を発表する、という内容でした。試験の前日に買ったパソコンで、中国でネットをしたことはないのですが、雑誌で読んだネット用語を題材にパワーポイントを作りました。発表ではトップバッターを選び、結果90点を取りました。他の試験も1つを除いて、同じような結果でしたが、閲読だけは78点でした。そこにこれからの課題が見えたような気がします。閲読は分厚くて時間が短い、英語の模擬試験を中国語にしたような試験でした。それで十分に点が取れていないということは、まだ基礎的な部分が十分ではないということです。残りの半分の期間はそのことを念頭に入れて大切に使おうと思います。