環境について
初めての投稿です。まず中国人民大学周辺の生活環境について報告します。
まず学内の施設が充実しています。ほとんどの学生が寮で生活しているために、あちこちに食堂、コンビニ、スーパー、ネットカフェ、理髪店などがあり、学校から出なくても充分に快適な生活を送ることができます。
また大学の門を出てすぐのところに地下鉄の駅とスーパーがあり、一駅先には外資系ブランドが入っているデパートや、秋葉原のように電器店が密集している地域もあるので、こちらに来てからというもの、不便を感じたことは一度もありません。
物価に関して、普段使い慣れた日本製品や輸入品などは、私の感覚では一割から二割ほど高くなっています。逆に中国製品ですが、一週間分の食料品を大量に買い込んだとしても、日本円で1500~2000円くらいで収まるので、物価が高騰しているとはいえ、日本人の金銭感覚からすると、かなり安く感じます。
ただ、品質の点でいくらか目劣りするのも事実で、例えば30円くらいで購入したプラスチック製のコップは、飲み口のところが均されておらず、ギザギザの状態で使いにくいですし、1000円相当のドライヤーは音が大きすぎて使える時間帯がかなり限られます。
周りの留学生に聞いてみたところ、消耗品は中国製品で済ませるけれど、調味料や化粧品などは多少値が張っても自国の製品を買う(あるいは持ってくる)という意見が大半を占めていました。
オリエンテーションについて
こちらでは9月から学年が始まるので、我々のように下半期から入学する留学生は少なく、大学による説明会などは行われません。
そのために過去に留学していた先輩や、日本の先生からの紹介で在学生にお会いして、アドバイスをいただきました。特に入学前に手に入れるべき携帯電話や、銀行口座の開設といった諸々の準備をサポートしていただく必要があるので、順調な留学生活を送るためには、可能な限り出国前から現地の関係者と連絡を取っておくべきだと感じました。
人民大学には、在籍する日本人留学生がボランティアで運営している”聯誼会“という団体があります。
入学して一週間ほど経った頃、新入生歓迎会を開いていただいて、たくさんの方からお話をうかがうことができました。その後、聯誼会の方々にはたびたびお世話になっているのですが、中でも聯誼会が発行するパンフレットには非常に助けられました。
A4用紙7ページの簡素なものですが、来たばかりの頃、文字どおり右も左もわからない状況で、日本語のマニュアルがあると、とても安心できます。
最近、奨学金の支給に関して、こちらの情報が不足していたために、一か月分もらいそびれそうになる、という小さなトラブルが起こりました。龍谷大学と人民大学の国際部の方に助けていただき、事なきを得ましたが、このことに限らず必要な知識は自分で収集するようにしなければいけないと思いました。
”国際交流”
去る3月11日、日本の東北地方をマグニチュード9の地震が襲いました。この地震で被災された方々へ、謹んでお見舞いを申し上げます。
3月19日に、人民大学の日本語学部の学生を中心に構成される“桜会”という団体が、日本人留学生との交流会を開催しました。このイベントの最初に今回の震災で亡くなられた方に対して黙祷が捧げられ、その後、日本を励ますメッセージが込められたビデオレターが放映されました。(その様子をまとめたホームページ)http://www.peoplechina.com.cn/zhuanti/2011-03/23/content_345725.htm
そのほかにも被災地へ向けた救援物資の発送や、募金活動への協力など、思いがけないたくさんのプレゼントに私はとても感動しました。
それ以前から、震災の深刻さが次第に明らかになるにつれ、周りの学生や職員の方から、「お前の家族は無事か?」「何か手伝えることはないか?」と声をかけられることが多くなっていました。ルームメイトのベトナム人も、友達の韓国人も、ポーランド人も、ロシア人も、イギリス人も、オーストラリア人も、コンゴ人も、私が被害にあったわけでもないのに、自分のことのように心配してくれました。西インド諸島から来た人は私を日本人と認めるなり、駆け寄ってきて哀悼のお祈りをしてくれました。
海外留学中の私は、今回の震災に際して日本人でありながら傍観者の立場を離れることができず、非常に歯がゆい思いを持っています。しかし私が出会った善意や優しさを、少しでも日本の人に知ってもらうことが大切なのではないか思い、今回のレポートのテーマとしました。