Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

コメンスキー大学人文学部
2015年5月号 国際文化学部 N.M

①    授業紹介

渡航前にあらかじめ受講したい講義を申請していましたが、それは単なるアンケートのようなものだったようで、こちらに来てから改めて履修登録をしました。スロバキア語開講になるか英語開講になるか、留学生も取れる授業なのかなどは、授業が始まってから行ってみないとわかりません。春セメスター(後期)は2月中旬から履修登録および授業が始まり5月上旬までが授業、そのあとはテスト期間になります。

私はこのセメスターで5つの授業を受講しています。それぞれ1回90分で、どれも20人に満たない少人数制で教室もそれほど広くないので、先生やクラスメイトとの距離が近いというのが良い点です。全て英語開講ですが、留学生向けのものではないのでクラスメイトのほとんどがスロバキア人です。

 

*Academic Writing

英語での学術論文の書き方を学ぶ授業です。資料の探し方、引用の仕方などをMLAという英語論文のスタイルに則った書き方を学びました。授業では先生によるlecture、3人ほどで行うgroup work、全体でのdiscussionなどをしました。

 

*European folklore and folkloristics

ヨーロッパ各地の神話や伝説を通して各地の風習や文化を学ぶ授業です。ケルト神話、吟遊詩人、アーサー王伝説、狼男、ヴァンパイア、ロビン=フッド…など日本でも馴染み深い題材を扱いました。パワーポイントでの完全lecture形式の授業で、先生のlecture以外に、毎週3人ずつがおのおの指定の資料に基づいたプレゼンをしました。

 

*Introduction to the History of Slovakia

1~3人1組で指定された時代の歴史についてプレゼンを行い、みんなでディスカッションをしていくという授業でした。ただ、プレゼン中に先生が詳しい解説をはさんだり、突然他大学から教授がいらっしゃって講義をすることがあったりしたので、授業期間中に全員のプレゼンが終わりませんでした。留学生は私1人だけだったので少々心細かったですが、プレゼンはクラスメイト2人のグループに混ぜてもらい、かなり助けてもらえたので期間中に終えることが出来ました。「歴史を知る」というよりは、調べたうえで「なぜそうなったか」を考え意見を述べなければならなかったので、私にとってはかなり新鮮な形式の歴史の授業でおもしろかったです。

 

*Popular Culture and National Identity in Central Europe

スポーツ、音楽、映画などを通じて中欧の文化を学ぶ授業です。上半期が先生によるlecture形式の授業、下半期が生徒によるプレゼンでした。授業以外に映画鑑賞の課題があり、指定された中欧の映画を先生から借りて、感想文を提出するというものでした。とても気さくなニュージーランド人の先生で、課題やプレゼンテーマに関してもかなり寛容で全体的に自由度の高い授業でした。またnoodle(E-learning)を通して感想文やプレゼンに関してひとりひとりフィードバックがもらえたので、モチベーションに繋がってよかったと思います。

 

*Slovak Language A1

初心者向けのスロバキア語コースです。この授業だけ、週に2回ありました。大学の正式な授業ではないので受講者の殆どが仕事でスロバキアに暮らしている社会人でした。外部組織が運営する授業ですが、学生は単位が取得できます。日本の語学教育とは全く違い、実用的なものを扱う上に授業のスピードがとても早く毎回ついていくのが大変でしたが、授業が進むにつれて日常生活でわかる単語やフレーズがどんどん増えていったので、達成感が味わえた上、先生にもクラスメイトにも恵まれていたのでとても楽しい授業でした。

 

②    試験について

*Academic Writing

試験はなく、最終課題はshort essayでした。今まで勉強した英語論文(MLA style)のルールに沿っていればテーマは自由で、1800wordsほど書かなければなりません。提出はnoodleを通して行います。

 

*European folklore and folkloristics

穴埋め問題や選択問題のテストで、しっかり予習していればそれほど難しくないテストです。まだ試験日ではないので現在はテスト勉強の最中ですが、先生が事前に問題形式を説明して例題などを送ってくださった上に、今までの授業で扱ったスライドや参考文献を全て送ってくださっているので、テスト対策は問題なく出来ています。

 

*Introduction to the History of Slovakia

試験やessayの提出はなく、成績は全てプレゼンで評価するそうです。プレゼンは終えましたが、授業中の先生のコメントやディスカッションを踏まえ内容を訂正して、テスト期間中にもう一度見せに行く必要があります。

 

*Popular Culture and National Identity in Central Europe

試験はなく、最終課題はessay(1200words)です。中欧の文化に関することならなんでもいいという、課題に関しても自由度が高いです。提出はnoodleを通して行います。

 

*Slovak Language A1

記述式のテストで、文法とボキャブラリーを中心に出題されました。ほとんどの受講生が単位を必要としない社会人だったせいか、テストとは思えない和やかなムードでした。

 

結果的に今セメスターでは期末試験が2つ、期末レポートが2つという組み合わせになりました。テストの実施日は最後の授業で全員のスケジュールを聞きながら決めたり、予定が合わない人だけ別日に調整してもらえたり出来るなど、かなり柔軟な対応をしてもらえます。

そして現在5月末ですが、周りは次々と期末試験を終わらせて夏休みを迎えています。仲良くなった留学生のほとんどは6~7月にかけて帰国し、スロバキア人学生たちも夏休み中は地元に帰ってしまうので、日に日に寮がさみしくなっています。来月からの夏休みではヨーロッパ各地をまわりつつ、同時に卒論のテーマ探しやスロバキア語の勉強、帰国後のTOEIC対策など、有意義な時間の使い方を心がけようと思います。