グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

クワズール・ナタール大学
2010年8月号 経済学部 S.N

 クワズール・ナタール大学では6月・7月が冬休みでした。この時期なんといっても盛り上がりをみせていたのが『ワールドカップ2010南アフリカ大会』ではないでしょうか。日本代表の決勝ラウンド進出もあり日本でも7時間の時差により放送時間が夜中だったにも関わらず大変盛り上がっていたと聞きました。今回私は幸運にも現地でこの大会を楽しむことが出来ました。

 南アフリカでは大会が始まる前から活気であふれ盛り上がりをみせていました。私がいるダーバンにもスタジアムが新設され、街は黄色い南アフリカ代表チームのユニフォームを着た人たちであふれていました。南アフリカの人々はサッカー好きで知られています。ですから、今回の大会は『待ちに待ったもの』だったのではないでしょうか。

幸運なことに、ダーバンで行われた日本代表戦(オランダ戦)のチケットを手にいれ観戦することができました。ちなみに一緒に行ったのはオランダ人の友達です。普段は仲良しですが、そのときばかりはライバルでした。結果、オランダ戦では負けてしまい残念でしたがスタジアムの雰囲気は本当に楽しかったです。そういえば、この大会で一躍有名になった南アフリカの民族楽器『ブブゼラ』ですが、日本でも大変話題になっていたと聞いています。ブブゼラを使った応援はスタジアム全体の一体感を生み出し盛り上がりに一役かっていたのではないかと思います。私も吹いてみましたが、こつを掴めば簡単ですが誰でも吹けるというものではないようです。しかし一方で、あの騒音には困りものです。本当に大きな音が出るので夜中に酔っ払った人たちが寮で吹き鳴らし起こされることが何度もありました。

 スタジアム以外でも街中でこの大会の模様が放送され、特に街のあちこちに設けられたファン・パークと呼ばれるところでは巨大スクリーンが設置され無料で観戦できるようになっていました。寮でもTVで観戦できますが、そういった場所に足を運び友達も知らない人も皆一緒に応援する雰囲気もまたとても楽しかったです。

 また面白いなと思ったのが南アフリカ代表チームが予選落ちとなったとき、多くの人々が他のアフリカ代表チームを熱狂的に応援していたことです。これはここで勉強していてよく感じることですが、アフリカの人々はアフリカという1つのくくりを大切にしているようです。同じアジアの国が奮闘していればなんとなく応援したりはしますが、それでもアフリカの国々の絆は本当に強いように感じ、その様子をみて驚いたとともに感動しました。

 この大会、心配していた治安の問題やテロなどの問題も特になく南アフリカらしいものになったのではないかと思います。今回のこの大会は南アフリカにとって重要な意味を持っていました。世界中が注目するイベントであり、経済効果がもたらされるだけでなく国のチカラを示せるということであり、ここで成功を収めるということが南アフリカ、またアフリカにとって、これからの未来に大きく関わってくるからです。おそらく日本でも南アフリカの歴史や国の様子を映したドキュメンタリー番組やニュースなどが放送され、遠い国『南アフリカ共和国』にも注目が集まっていたのではないかと思います。メディアの中には治安のことばかり放送し南アフリカはただ危ない国だという認識を与えてしまうものも多くみられたようですが、そんな中で今大会の成功が意味するものは大きかったと思います。今回のワールドカップを通して南アフリカに少しでも興味を持ってもらえたとしたら、それはいろいろなかたちで南アフリカに利益を与えます。広大な自然やアフリカ独自の文化は旅行者にとって魅力的でしょうし、一方で知られていなかったHIV/エイズや貧困、格差問題等の深刻な社会問題に注目が集まれば解決のきっかけになりうるでしょう。

 この時期に留学することで体験できたことなので、私はとてもラッキーだと思いました。いつもとは違う雰囲気の熱狂した南アフリカをみられたこと、日本代表をスタジアムで応援できたこと、またメディアでも映されていなかった裏の裏側を現地の立場でみれたことなど、すごく面白い冬休みになったと思います。