Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

アサンプション大学
2016年10月号 経済学部 K.N

【授業紹介】

わたしは今期4つの授業を受講していますが、今回はその中からIntroduction to Thai とThai Civilization という授業についてご紹介します。

◎Introduction to Thaiは留学生向けに開講されているタイ語の授業で、初歩的なところからタイ語を学びます。先生はもちろんタイ人ですが、困ったことにその先生はタイ語をタイ語でレクチャーされます。(時折英語も使われますが…) 今でさえ先生が何を伝えようとしているのか理解できるようになりましたが、初めは本当についていけるだろうかと、不安しかありませんでした。授業は、前半にPowerPointを用いていろいろな単語の発音を学び、後半に演習プリントを用いて読み書きを学びます。ここからはタイ語の勉強方法のアドバイスとなりますが、もしタイへの留学を考えていて、タイ語を学びたいという意欲があるなら、最初は数字から入ってみてはいかがでしょうか。タイでは数字も英語では伝わらないと思っていた方が良いです。屋台で買い物がしたければなおさら必須です。しかし、タイ文字の数字はほとんど使われていないので覚えなくても問題ないと思います。それができたら次は、44ある子音を根気良く練習しましょう。はじめは模様のように見えるタイ文字がいつしか文字に見える瞬間がやってきます。(わたしは2ヶ月かかりましたが…) また、参考までにわたしが日本からこちらへ持ってきたタイ語のテキストを挙げておきます。よく使う順に左から並べておきました。

◎Thai Civilizationはタイの歴史を学ぶ授業です。タイ人の先生なのですが、発音がとても良く聞きやすいため、単語が聞き取れずに困ることはありません。といってもタイの歴史に関する知識はないに等しいところからのスタートでしたので、やはり一度聞いただけでは理解し難く、同じ留学生の友達のやり方をまねて授業をこっそり録音するようにしました。この授業もPowerPointを用いて先生が説明をしていくのですが、どうしても授業中はノートを取ることに必死になってしまい、内容理解がおろそかになりがちなので、録音することにより復習やテスト勉強で何度も繰り返し聞くことができています。さらには先生が口頭で説明したことをメモすることもできるのでとても重宝しています。わたしはThai Civilizationを取ったおかげで観光で訪れた土地のバックグラウンドを知ることができ、タイを歩き回るのがより一層楽しくなりました。右の写真はこの授業中に作成したスコータイ王朝のマインドマップです。

※ABACにはLMSという、龍谷大学でいうmanabaのようなシステムがあり、これら2つの授業のレジュメはこちらにupされます。現時点で交換留学生はこのサイトにログインできないため、わたしは友達にメールに添付して送ってくれるように頼んだり、先生にその旨を伝えてUSBにコピーして頂いたりしています。さらにAU SPARKという、学校行事や授業・試験の時間割、場所等を手軽に確認することのできるアプリもあるのでこちらに留学に来た際には活用してみてください。

 

 

【王様の御崩御に伴う影響】

2016年10月13日(木)、タイのプミポン国王が御崩御されました。この知らせについては日本国内でも耳にしたのではないでしょうか。今回はこれに伴うここ1週間のタイ国内の変化や現状などを、写真を用いながらお伝えしようと思います。

まず、政府から国民への指示を新聞記事より引用します。

“The government has called on people to wear mourning colors for a year and has ordered government offices and educational institutes to fly the national flag at half-mast for 30 days. Also, all sectors of society should consider suspending any entertainment for 30 days as a mark of respect. (2016/10/14, The Nation)”

・この発表により現在タイは1年間の服喪期間に入っており、多くの国民は白または黒の衣服を着用しています。これに付随して、アパレルショップのディスプレイには黒い服が並べられるようになりました。また、国旗は通常より位置を下げて掲揚されています。さらに娯楽等も自粛モードとなり、11月に開催予定だったロイクラトンというお祭りもChiengmai、Pattayaを初め、あらゆる場所で中止の声があがっています。 (写真左:徐々に街中でみられるようになった白黒の幕。右:コンビニではアルコールの提供が3日間自粛されました。 )

 

・街の至る所のモニターはこのような感じになっています。ショッピングモール内、ATMの画面、電車内、大学内、さらには諸々のWebサイトもモノクロに切り替えられ、あらゆる場所で国王様の御冥福をお祈りする言葉がみられます。普段どこからともなく聞こえてきていた軽快な音楽も今は聞こえてきません。

 

・17日(月)にABAC内で開かれたmourning ceremonyの様子です。国王様の人生や偉業についてのアナウンス、そして学長からのお話のあと、3分ほど黙祷をしました。最後に国王賛歌を斉唱し、全体を通して15分程度でした。多くの学生が集まり、涙を流している姿もみられました。

 

・タイ人の先生が開講している授業、上記記載のThai Civilizationは1週間休講となりました。多くのタイ人の先生の表情からは悲痛が感じられました。

・何人かのタイ人の友達に話を聞きましたが、王様の訃報は学生にも影響を与えています。LINEのアイコンをモノクロにしたり、FacebookなどのSNSで王様への追悼の言葉を投稿したりしています。

 

以上のように現在タイ国内では目を見張るような変化がみられています。タイ人にとってプミポン国王がどれほどの影響力を持っていたのか、その存在の大きさ、そして心の拠り所でもあった王様の御崩御により国中が悲しみに暮れている様子をひしひしと感じた1週間でした。また国王の70年という年月の即位は世界でも最も長い即位となっています。その死によりタイの国民は今、悲しみだけでなく先行きのわからない不安をも抱えているように思えます。この激動の時代にタイに留学に来ていることも何かの縁と考え、現地にいるからこそ感じ取ることのできる変化から多くを学び、たくさん吸収していこうと思っています。

(記載内容は全て2016年10月20日現在までの様子です)