Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

台湾師範大学
2016年1月号 文学部 S.I

<この留学を振り返って>

この機会を与えていただいたことに感謝申し上げます。仕事上で海外の方々と接することは多々ありましたが、現地に住み、学習するのは初めての経験でした。今回の目標は、語学の維持向上と、受講した台湾地理の実地体感、及び体調管理でした。

まず語学習得ですが、当初の半年間は付属語学学校で中国語だけの毎日3時間週5日間の集中受講。また、帰国してHSK受験を義務付けられているので、台湾では使用しない簡体字での学習も続けました。朝一に簡体字、登校前は繁体字での学習を1年間ほぼ休みなく続けました。こんなに一つのことを連続集中したのは初めてでした。成果を問われれば内面忸怩たるものがありますが。また知り合えた大学の同級生にも大きな刺激を受けました。留学生たちはこんなによく頑張るなというのが実感です。台湾での留学生は日本人と韓国人で三分の二、残りはベトナム人を多としその他の国の人です。その留学生たちの殆どが女性たちということに驚かせられる共に非常に残念な思いも抱きました。たまに見かける、男性はほとんどが交換留学生です。他大学の交換留学生には9月入学の通常パターンの入学の人もいました。中には卒業単位を全て取得済みで1年半の留学に参加している3回生男子もいました、ただ就職には危機感を抱いていました。大学の授業では、4回り下の若い人たちとの交流に戸惑いと喜びを感じられたのが望外でした。それと、やはり英語は必須ですね、テキストの説明はすべて英語でした。

訪れたほとんどの都市で美術館と博物館に足を運び、寺廟に拝観しました。日本文化の源流である類似性とその差異、そして統治50年の影響と民族の独自性を感じました。台湾人には人情味があるからでしょうか、付属語学学校で知り合った女性たちの中には、台湾が好きで仕事を辞めて語学留学している人もいます。台湾の人は外国人の僕を見て温かく声をかけてくれました。そんな思いを一度に崩壊させたのは、日本から送られてきた妻からのクリスマスプレゼントを台湾人に横領されたことです。

日本での生活習慣を保持し、健康維持には特に気をつけました。起床後のストレッチ、ラジオ体操そして日経新聞の通読。FP仲間の為替トレーダーも言ってましたが為替予測は難しいですね、この1年ほぼ全敗でした。野菜を摂ることにも意を払い、生まれて初めて総合ビタミン剤も飲みました。こんなに節制したのに、年末には痛風発作に悩まされるとは。しかも尿酸値は基準内なのに。

取り組んだことの多くは楽しい成果です。まず院の授業で要求されそうな、史書の語彙調べを中国語で、ある程度素早く出来るようになったのでは。続いて、寺廟を含む台湾美術の素晴らしさを数多く見学できました、そして日本の良さを特に安全面では再認識しました。また、単身赴任を除いては、この長丁場1年間を健康でのりきれたことです。これからの人生の大きな糧になりました。

<台北よもやま>

17、台北には建築基準法はないのかな?台北で小さなビルを見ると、必ずと言っていいほど屋上に一部屋追加されている。地下鉄に乗って高架部分で外を見ると必ずそのような状況が見て取れる。明らかに工事後の追加と思えるがよく許可されているものだ。そういえば、大学の住居案内でそのような部屋は契約しないようにと注意喚起されていた。

18、お土産用にと思った蚊取りラケットが桃園国際空港で没収。台湾へ来て付属語学学校の同級生に聞いて買ったのに、電池部分が不穏だという理由で没収された。日本で自慢しようと思っていたのに残念なことです。

19、2月に来た時は歩行時に日本との差をすごく感じ、レポートで報告したのですが、最近携帯を見ながら歩く人が激増。日本人か台湾人か韓国人かの区別はつきませんが、多くの人が携帯を見ながら歩いています。中には自転車に乗りながら見ている人も。そのような訳で、日本では殆ど無い体の接触が増えてきました。40年ほど前にソウルで経験したような驚きでした。

20、台湾で訪れたほとんどの美術館、博物館で学生証を提示すれば学割が有効でした。そして故宮博物院は台北市内の大学生は無料です。ぜひ留学生は利用して欲しいですね、何しろ世界に誇る中国文化の精髄が所狭しと展示されているのですから。