■この留学を振り返って 此処中国上海で貴重な経験を過ごさせていただきました。まずここで第一に私が養ったことは語学留学生として留学したのだから本来は語学であるというべきなのでしょうが、私にとってはそれ以上に価値のあるものです。それは一歩引いた目から国際的な事件を見ることができるようになったことです。日本にいて日本のメディアだけに触れていては結局のところ日本からの視点でしか物事を見ることができず視野が狭いといわれても仕方のないところがあります。しかし、現地の中国人や現地で暮らしている日本人らと幾度と会話を繰り返す中で日中に数多く横たわる政治問題や文化交流についてほんのわずかでも自ら考える機会を得、そして実際に考えてみてこの点をようやく実感しました。岡目八目などというように結局のところ公平な立場から物事を見るためには第三者視点から見るのが一番ということでそれができるようになったことは収穫でしょう。それと、それに付随して会話をする上で以前より物おじせずに済むようになったことを自覚しています。より正確に言えば言語以外のコミュニケーションスキル、例えば身振り手振りを交えつつ、相手に意思を伝えるのがうまくなったと思います。最初の内はそれこそ相手が怒っているかでさえ誤解することがたびたびありましたが、今では相手の感情を読み取るのもうまくなったと自負しております。 ■クリスマス ――圣诞节―― いわゆるキリストの生誕祭であるところのクリスマス。西方に起こったこの祭祀はとも祝日ともいえるものは中国においても「圣诞节」(Shèngdànjié)の名で広まっております。燃えやすいという理由で公共の場所のツリーの設置こそ法的にも認められておりませんがそれでも電飾やサンタクロースの飾り、燃えにくい代用品などで特に都市部はきらびやかに彩られます。元が聖人の誕生日だといっても中国人のキリスト教徒は少数派ですのでやはり、日本同様に恋人夫婦あるいは親族との記念日という色彩が非常に濃いです。当然いわゆるクリスマス商戦も活発になるのでクリスマスディナーやクリスマスバザーなど、それにこじつけたものもみられるのも共通しています。 なお一留学生の私見としてはこの日は祝日扱いで学校が休みになるのがありがたいという程度ですが、その日の前後に何クラス分かの学生を集めてクリスマスパーティーが催されるのでそちらの方が楽しいでしょう。一応それぞれの国の文化を発表しつつというお題目もありますがもちろんお題目とは所詮お題目にすぎないのでありますから部屋を飾り付けてサンタ帽か何かをかぶりつつお菓子やピザを食べながら留学生同士楽しく語らい合うという機会として利用するべきでしょう。実際これが終わったら期末まで一直線ですから。