新学期が始まって、そろそろ一ヶ月になりました。日本人留学生と同じように、交換留学期間が一年間なのは、フランスの学生だけのようだ。だから、勇気を出して、どんどん新しい友たちを作っていく。夏学期における留学生の数は前学期より倍以上いて、にぎやかだった。8月30日から9月8日までの期間は、「Aarhus Festival」が行われた。オーフスのあちこちで音楽コンサートや様々な展示会、活動が行われ、満喫した。二月にオーフスに到着したばかりの風景とまったく違う、太陽が燦燦と降り注ぐ、街の中に人が大勢いて、コーヒーを飲んだり、友たちと楽しく話したりしている、店では大量の商品を展示しながら、バーゲンセールを行っていた。一転、オーフスに対する印象はすっかり変わり、写真部の精神が湧いてきて、沢山素敵な写真が撮れた。新しくできた友たちと厳しい冬が来る前に、オーフスの隅々まで冒険しに行こうと考える。今回のレポートはオーフスにおけるすばらしいところを紹介しようと思う。
Aros Aarhus Kunstmuseum(Aros)
Arosは2004年にオープンした現代美術館であり、館内は1770年ー1900年におけるゴールデン時代(Golden Age)の絵画と、1900年から1960年に渡るデンマークモダニズムの作品と、コンテンポラリーアートの三部分に分類されている。屋上には、デンマーク在籍の芸術家オラファー・エリアソン(Olafur Eliasson)が設計した展望空間、「Your rainbow panorama」という巨大なインスタレーションがあり、これによって、名声を博した。展望室の内部から眺めた風景と、その人物も含めた外側の風景、この二つが共に鑑賞でき、内部からの視線はグラデーショナルなパノラマとして、外部からの視線は人形が行き交うショーケースとして、主観(主体)と客観(客体)が同一の造形物のなかで、生きている彫刻のように交錯する。鑑賞する行為そのものが芸術作品であることが画期的だ。また、最も面白いのはイェッベ・ハイン(Jeepe Hein)の「Distance」だ。転がっている球を通じて、観客と対話するインタラクティブアートである。彼は、公共空間で観客の動作にセンサーが反応したり、タッチパネルなどの入力によって何らかの変化が起きたりする参加型形態の芸術作品が沢山考えられている。たとえば、座るとスモークが出てくる椅子、シーソーのような椅子など。作品とのインタラクションにしたがって、生活の趣を感じさせる。ところで、28歳以下だったら、200kr.で「Aros 27」といった会員クラブに入ることができ、一年間入場無料だし、一人連れて一緒に入館できる、その上、館内の喫茶店と本屋で割引がある。
上、 Arosにおける「Your rainbow panorama」
下、Den gamle by館内風景
Den gamle by
「Den gamle by」はデンマーク語で、旧市町の意味である。1914年正式に設置された、世界初のオープンエア博物館と言われる。オープンエア博物館とは、展示物が屋内ではなく、屋外にあり、見たり触ったり体験して学んでもらうことに主眼を置いた博物館である。1908年、オーフスの旧市長の家が使用されなくなり、新しい建物プロジェクトの場所にするために解体されると決まったが、当時教師をしていたPeter Holmが古い建物を破壊するべきではないと主張し、その後、博物館として再生した。これは「Den gamle by」の始まりとなった。彼の努力を通じて、デンマークの国内から、家具、道具、およびその他の一般的なインテリアが大量に寄贈され殺到し、彼が館長を任された31年間に、解体から50個ほどの歴史的な建造物を救った、デンマークの美術館の歴史の中で、印象的な偉業だった。成功の経験が広がり、スカンディナヴィア地域の諸国(スウェーデン、ノルウェー、フィンランド)が経験を吸収し、つぎつぎとオープンエア博物館を開いた。現在、季節による様々なイベントを行い、館内では古着を着ている館員と交流しながら、楽しく昔の生活様式に触れることができ、年間350万の客が来てくれるそうだ。Business region Aarhus(新住民の生活を応援するための市政府の機関)が提供するフリー・チケットを利用したら、学生割引切符が更に50kr.割り引きされ、5kr.だけで入場できる。