グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

キエフ大学
2012年7-8月号 文学部 Y.H

・夏休みについて

私はこの夏休みにウクライナ国内を旅行しました。いくつかの町を訪ねましたが、その中で最も印象に残っているのはキエフから西にあるリヴィウという町です。今回は、ウクライナ色の最も強い町の一つと言われているこのリヴィウについて紹介します。

リヴィウはウクライナの中でも有名な観光地で、外国人もよく見かけました。多くの教会と石畳の道が印象的な古い街並みです。歴史を感じる古い建物が並び、また、観光地らしく土産物屋や民芸品を売る露店も多くあって、日本の京都と似た雰囲気を感じました。

リヴィウには名所と言える場所が本当に数多くあり、どこが観光のハイライトかと聞かれると答えるのは難しいです。私の場合は、まず教会を巡ることにしました。リヴィウに建つ教会や聖堂ですが、その宗派はウクライナ正教、ウクライナ・カトリック、ローマ・カトリックなど多岐に渡ります。どの教会もキリスト教という大きな括りでは共通しますが、それぞれに特徴があり、外観・内装とも宗派による違いがわかって興味深いものでした。教会によって写真撮影の可不可が異なり、可能であっても撮影料が必要な場合もあるので注意しなければなりません。私が見に行った教会の中で特に思い出に残っているのはアルメニア教会です。それというのも、私が入った時にちょうど洗礼の儀式が行われていたからです。そのため写真撮影はできなかったのですが、旧市街の中心に14世紀から建つその教会が現在でも信仰の場として生きているということを実感した良い体験でした。

博物館も見所の一つです。教会同様、博物館や美術館も多くありました。私は時間の都合であまり多くを回ることは出来なかったのですが、それでもたいへん楽しめました。薬局博物館という、18世紀創業で現在も営業中の薬局内にある博物館が特に印象に残っています。古い器具や薬草などが陳列されている一方で、現在ふつうに市販されている薬などが置かれているのは面白い光景でした。博物館も写真撮影の可不可がありますが、学生だと入場料を割引きして貰える所がほとんどなので、学生証を持って行くと良いでしょう。

この他で、旅行前から私が楽しみにしていたのはリチャキフ墓地の見学です。緑に囲まれた静かな場所で、意匠を凝らした墓石の数々がとても美しい墓地でした。

ここからはリヴィウの観光中に感じたことです。博物館や土産物屋などが集まる中心地ではロシア語を聞く機会もありましたが、中心から少しはずれると、やはりウクライナ語が主流でロシア語を聞くことはほとんどありませんでした。また、ある飲食店に入った時のことですが、その店のメニューが私にはほとんどわかりませんでした。それというのも大半がウクライナ語の方言で書かれていたらしく、これはウクライナ人でも難しいのだと聞きました。言語を学ぶことの難しさを改めて知るとともに、リヴィウが独立の気概が高い町と言われることについて納得した場面でした。余談ですが、つい最近、ウクライナの一部の地方でロシア語を公用語とする法案が可決されたそうです。これに対する反発の声もあるようで、やはり民族のアイデンティティに言語は深く関わるのだということを再認識しました。ロシア語を学ぶ目的でウクライナへ来た私が言うのはおかしな話かもしれませんが、キエフで暮らすうちに、二つの言語が共存する国でその土地の人がどちらの言葉を使うのかということに私は深い興味を持つようになりました。私のウクライナ人の友人の一人は、ロシア語よりウクライナ語の方が好きだそうで、もっとウクライナ語を話したい、と言っていました。方言の違いはあっても、私が日本で話す言葉は日本語だけです。この国に来て、母国語に愛着や誇りを持つということについて考えることが多くなりました。これから先、またウクライナ国内を旅行することがあると思いますが、その時も、私はきっとこのことについて考えるのだろうと思います。