Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

リバプール・ジョン・ムアーズ大学
2011年10月号 文学部 S.I

1,授業について

・Business Practice Across the World

この授業は週にレクチャーが1時間とチュートリアルが2時間、計3時間の時間割です。レクチャーでは世界中のさまざまな国や地域の文化や、それらとビジネスの関係性を学びます。チュートリアルでは文化の違いやカルチャーショックについて3、4人でディスカッションします。例えば食文化の違いやジェスチャー(例、親指を立てる)の意味の違いなどです。この授業に限らず、チュートリアルではヨーロッパ各国の文化に触れるとともに、日本の文化の特異な面にも改めて気づくことができるので、非常におもしろいです。

 

・Coping with Culture

この授業も週にレクチャーとチュートリアルが1回ずつ、計2回開講されるのですが、実は上のBusiness Practice Across the Worldと同じ教授の授業で、レクチャーの内容はほとんど変わりません。違いと言えば、こちらは留学生のために開講されている授業ということもあり、解説がよりわかりやすいという程度です。そのため少し物足りないですが、Business Practice Across the Worldでわかりにくかったり聞き逃したりした部分をもう一度学べるので、便利と言えば便利です。

 

・Comparative Business Culture

これも上の2つと似ていますが、Business Cultureということでビジネスの場での文化により特化した内容となっています。メインコンセプトを簡単に説明すると、さまざまな文化の違いを理解し受け入れることで、その地域でのビジネスの成功につなげるというものです。これもレクチャーとチュートリアルが1回ずつ行われます。

 

2,カルチャーショックについて

実は私は、留学はおろか海外に来ること自体初めてだったので、触れるものすべてに対して新鮮さと驚きを感じています。今までの生活で私が特に気になった点をいくつか挙げてみます。

まずこれは予想してはいましたが、ヨーロッパの人々はかなり時間にルーズです。イギリス人はまだ時間を守る方で、ヨーロッパ本土、特にスペイン人の時間のルーズさはひどいとです。約束の時間の1時間後にようやく全員揃うというのが普通です。また、こちらでは食器を洗う時に「すすぐ」習慣がありません。泡だらけのまま水切りに立てておくか、そのままふきんで拭きます。一度フラットメイトが私の食器もついでに洗ってくれることがあったのですが、全くぬめりがとれておらず、ありがたいとは思いつつももう一度自分で洗ったことがあります。そのためそれ以降私は、食器は使った時に洗うということを徹底しています。

また上でも述べましたが、授業でのチュートリアルを通してもさまざまな違いに触れています。例えばものの数え方です。ヨーロッパでは一般的にじゃんけんのグーの状態から指を立てて数えますが、日本ではパーの状態から指を折って数える人が多いと思います。カルチャーショックとは意味合いがずれますが、チュートリアルで逆に日本の文化のおもしろい面にも改めて気づくこともあります。例えばマンションに4号室がない場合があるということです。「4」は「死」と同じ発音だからと説明したのですが、改めて考えてみればたしかにおもしろいと思いました。

 

3,自由テーマ(日本人の扱いについて)

今回はカルチャーショックと内容が少し被りますが、日本人の扱いについて書こうと思います。

リヴァプールは非常に治安のよい都市で、街の人々やLJMUの学生は基本的にフレンドリーに接してくれます。しかしごく稀ではありますが、差別とまではいかないまでもアジア人に対する偏見を感じることがあるのもまた事実です。例えば、夜道を歩いているとよくわからない言葉をかけられる、ネイティブの友達とパブでお酒を買おうとしたら、日本人の私だけ身分証明の提示を求められるといったことです。聞くところによると(こういうことをマンスリーレポートで書くべきではないのかもしれませんが)こちらでは中国人に対する印象が悪いらしく、しかし日本人や韓国人と中国人の区別がつかないため、東アジア系の人々は同じように扱われるとのことでした。そのためたまに「ニイハオ」と声をかけられたりもします。

最初はショックでしたが次第に慣れていき、今ではそのように言われても「またか」程度にしか思わなくなりました。決して気持ちの良いことではありませんが、ポジティブなことだけではなくネガティブなことに触れるのも時には必要なので、これはこれでいい経験だったと思っています。このようにさまざまな国の文化の違いに触れていると、その過程で良くも悪くも自分が日本人であると改めて感じます。