1 この留学を振り返って
留学に行く前は、日本から遠く離れた行ったこともないノルウェーという土地で暮らすことが怖くて不安でしょうがなかったことを覚えています。前年度に派遣された先輩から、本当に全て楽しかったということを聞いて、私はそのような生活が送れる自信がありませんでした。しかし、気づけば留学から帰ることが嫌でたまらなくなるほどノルウェーのことが大好きになっていました。
ノルウェーでの生活は、私の心の余裕を生み出してくれ、自分について考える機会、自分の周りに対する行動を見直す機会をたくさん与えてくれたと思っています。日本にいるときの自分とノルウェーにいるときの自分は、自分でも不思議なほど性格が違うと感じます。もう少し詳しく述べると、日本人と話している自分と海外の方と話している自分の性格が違うような気がするのです。日本の人と話している時は、どのようなタイプの人とも話すことが楽しく、自分から積極的に話しかけにいきます。しかし、ノルウェーでは、会話のテンポが同じ人や自分が話して心地いい人しか自分から話しかけなくなっていたと思います。なので、留学後半の一緒に過ごしたメンバーは前半の時とあまり変わらず、その中で仲を深めたと思います。そのような性格になる原因の一つは、自分の英語力の無さです。私が考えながら話すことを何も言わず待ってくれる子、言いたいことが言えない時に、あなたはこういうことが言いたいの?と推測しながら聞いてくれる子、私が会話に入れないでいたら話しかけてくれる子、私の周りは優しい人で溢れていたように思います。ですが、本当はもっとその優しさに甘えず頑張るべきであったと今は思っています。
ノルウェーにいるときの私の好きな時間の一つは、いろんな国の子といろんなトピックについて、うちの国はこうで、こうなっていてというような話をする時間でした。大学の授業の話、学食や寮の話、就職、人柄、歴史、軍隊、習慣についてなどあらゆることを同年代の人から同年代の人の意見を交えて聞くことができたり、逆に自分の国について質問されるということは貴重な時間であったなと思います。その時間を通して、いかに自分が日本のことを知らないのか、関心がなかったのか、日本のことに対する意見がないのか気付かされました。
授業中にたくさん発言するクラスメイトを見て、なぜ一つ一つにことにこの人たちは自分の意見がたくさんあるのだろうかと衝撃を受けたことを今でも覚えています。教授に例えば、これは、こういうことですと説明があったときに、私はそうなんだとすぐ納得してしまいますが、クラスメイトは、なぜそうなるのかだったり、なぜ納得するのかということろまで考えていました。私は世の中のあらゆることや人が言っていることに、何も考えず受け入れてしまっていたんだなということを知ってから、小さな一つ一つのことに対して自分がどう思うのか心の中で考えるようになりました。
留学中のコミュニケーションにおける積極性はあまりなかったように思いますが、経験に関しては、全部やりたいことはしたのではないかと思います。ノルウェーにいながら、ノルウェーはもちろん、ノルウェー以外の国の行事も体験してみたり、大学で泊まりがけで課題をしたり、ノルウェー人のようにキャンドルを家で灯してみたり、日本では絶対しないようなクロスカントリーや長時間のハイキング、クライミング、ジム通い、目的地のないお散歩など体を動かすこと、自然を楽しむことを全力で行うことができたと思っています。
治安がとても良いところ、道ですれ違ったら笑顔で挨拶をしてくれるところ、日本では味わえない極夜、白夜、オーロラが見れることろ、愛国心が強いところ、建物が可愛いところ、心に余裕があるところ、趣味が充実している人が多いところ、日本人よりもシャイな人がお酒を飲むと陽気になるところ、自然豊かなことろ、みんな大好きです。ノルウェーにまた住みたいと心から思います。そのような場所に出会えたこと、1年間住むことができ幸せだなと思います。
2 留学経験をどのように生かすか
この留学経験は、私の考え方に大きく影響を与えていると思います。また、先ほども述べたように自己理解が深まったため、現在行っている就活活動を人生をどのように生きたいか、何がしたいのか明確になった状態ですることができています。
また、仕事以外にも私生活でこういうことをしてみたいと思うことや家の中での暮らしの豊かさを考えるようになったと思います。それだけでも、大きな変化です。
この一年で出会った全ての人は、私の人生に何かしらの良い影響、学びを与えてくれたと思っています。そして、家族や現地で出会った留学生や日本人の友達、日本にいる友達、留学先で共に頑張った友達など時差などの障害もある中、しんどい時にたくさん電話やメッセージをしてくれました。それだけ支えてくれる人たちが私の周りにはいるのだと改めて気づき、大切にしていきたいなと思っています。
ノード大学で最後の記念撮影