Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

オストラヴァ大学
2020年3月号 国際学部 M.K

今回は①余暇の過ごし方について、また、②この留学を振り返って感じたこと、学んだこと、成長出来たことについて書いていきたいと思います。

私は3月いっぱいをもって留学を中断しました。世界中で拡大し続けているコロナウイルスが原因で、オストラヴァ大学での学業を続けることが困難だと感じたからです。実際に、3月1日にコロナウイルスがチェコ国内で確認されてから、1週間ほどで、30人まで拡大し、その時点で、3月11日から24日まで全ての小中学校、高等学校、大学が一斉休講となりました。同時にさまざまな人の行動を制限する措置や、公共の場でのマスクの着用の義務化などチェコ政府はコロナウイルスに関して対策をしていました。しかし、感染者は増加する一方で、3月中旬には、日本政府により、チェコが「危険レベル2の国」と認識されたため、今回の留学は中止となりました。また、3月24日以降も人の移動制限は引き続き継続されることが決定し、現在も不要不急の外出は制限され、生活に必要なスーパーマーケットやドラッグストア、銀行や携帯会社など、一部のサービス業のみが営業している状況です。

 

① 余暇の過ごし方について

さて、私の余暇の過ごし方ですが、前学期と今学期では全く違う時間の使い方になりました。前学期では、週末に周辺国に旅行に出かけることが多かったです。ヨーロッパは人の移動がとても簡単です。チェコの隣国と言えば、ドイツ、ポーランド、オーストリア、スロバキアです。もちろん旅行する都市にもよりますが、基本的にこれらの国へ旅行する際は、バスか高速鉄道を利用します。基本的にヨーロッパ、特にチェコ周辺国の移動にかかる交通費は安いです。さらに、学生の場合バスや電車の乗車券を購入する際、学生割引が適応されます。したがって、旅行費を抑えながら、たくさんの国を自由に行き来できることから、週末に旅行へ行ったりしました。
後期が始まったのは2月からでしたが、あくまでも私の印象ですが、その頃は日本や中国でコロナウイルスが流行していた時期でした。ヨーロッパ諸国でもコロナウイルスの感染が確認され始めたころだったと思います。2月上旬は、自主的に旅行に行くのは控えようと思っていた程度でした。なので、今期に入ってからは、寮の子達を集めてディナーパーティーを開催していました。韓国や台湾メキシコやアルバニアなど様々な国出身の留学生がそれぞれの国の家庭料理を作ってみんなで食べるといったもので、様々な料理を楽しむことが出来ました。その他にも、お菓子を作ってみんなで試食したり、基本的に寮でできることをみんなで楽しんだりしていました。

 

② この留学を振り返って

この留学を通して、自分の可能性を感じることが出来ました。日本人にとって、留学先としてはあまりメジャーではない国に行き、全く違う文化の中で、全く違うバックグラウンドをもった留学生と共同生活をしていく中で、今までは経験してこなかったことに挑戦してみたり、なにか協力して一つのものを作ったり、困ったときには助け合ったりしました。その中で自分が苦手なことや出来ないことを発見し、友達と協力しながら最後まで成し遂げる、ということを繰り返すうちに、日本では引っ込み思案だった私が、「自分でもこの程度まではできるのか」ということに気づき、今までの私なら行動せずに諦めていたものにも怖気づかないで挑戦するようになりました。
この留学で学んだことは、自分を主張することです。もちろんその能力は授業内のプレゼンテーションやディスカッションなどでも必要とされる能力です。私は、友達とのコミュニケーションの中でそれを学んでいきました。自分の意見や考え方を相手に説明する中で、相手に自分がどのような考え方の持ち主であるか知ってもらうことが出来るし、相手と自分の意見が違う場合は、どのように違うのかを探りあうことで相手のことも知ることが出来ます。日本では、深い人間関係を築いてこなかったからこそ、留学中は相手の話を聞くことを大切にしながら、同時に自分の意見も伝えようと努力しました。
自分が成長できたと思うのは、考え方が以前よりも楽観的になったことです。例えば、以前の私なら、留学中断と聞くと、嫌だ、といったネガティブな感情に引きずられ、残りの留学生活も最後まで楽しめなかったかもしれません。もちろん、留学生活がこのように終わってしまったことには、悔しさがあります。後期は授業も3回程度しか開講されず、日本では受講できないような面白い授業もあり、とても楽しみにしていたのに残念だ、という気持ちは残っています。しかし、今の私は、帰国までの時間は、楽しいものにしようと決めて、友達と一緒に料理を作ったり、散歩に出かけたり、たくさん写真も撮りました。オストラヴァで過ごした日々は日本での生活とは全く違い、とても充実していたし、他の留学生と過ごす日々がとても楽しかったです。毎日のように何人もの友達と顔を合わせていた生活が急になくなることを思うととても寂しく感じますが、この留学を通してできた人間関係はこれからも続けていこうと思います。