グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

キングス・ユニバーシティーカレッジ
2014年2月号 国際文化学部 A.Y

カルチャーショックについて

海外で生活していると、多くの人はカルチャーショックを受けると思います。今回は、私がカナダで感じたカルチャーショックについてお伝えしたいと思います。

時間、約束を守らない

多くの人がマイペースで、時間や約束を絶対に守らなくてはいけないという気持ちが日本人に比べて弱いと感じました。友達と週末に遊ぶ約束をしていても、前日になって「明日はトロントに行くことになったから、また今度にしよう」と言われることは本当に頻繁にありました。私は勇気を出して夕食に誘ったのに、何度もこのようなことがあったので、正直途中でくじけそうになりましたが、今はだいぶ慣れてきました。もちろん、中にはちゃんと約束を守ってくれる人ももちろんいます。ただ私の経験上、口約束は当てにはならないと思っていた方がいいかと思います。また、個人間の約束だけではなく、大学主催のイベントや旅行なども予定通りの時間に実行されないことがよくあります。

レストラン従業員の態度

私はよく外食をするのですが、従業員の態度が日本とはかなり違います。日本のレストラン企業は「お客様は神様」という考えを軸にしていると思いますが、カナダでは全くそんなことはなく、従業員は必要以上にへりくだったり、客を第一に考えて行動したりはしていないように見受けられます。会計の時にレジで待っていても、店員同士でおしゃべりをしたりしますし、仕事中に客の前で携帯をいじったりもします。私はウエイトレスの経験があるため、このような状況を初めて目の当りにした時は開いた口が塞がらない状態でしたが、だんだんと理解できるようになってきました。

カナダ人の友人とエチオピア料理を食べに行った時、友人は店員さんにエチオピア料理の作り方のコツを教えてもらっていました。店は客でいっぱいだったにも関わらず、長いこと話していたのですが、これもカナダだから成り立つことなのだろうな、と感じました。私は先に述べた通り外食をよくしますが、今まで一度もクレーマーを見たことがありません。日本と比べて客は店員に対して寛容で、理解力があります。店員と客という関係より、人と人の関係と言った方が正しいと思います。

笑顔

日本では、知らない人と目が合った時に笑顔になることはとても少ないと思います。しかし私は、知らない人、もしくは話したことはないけど顔だけ知っている人と目が合った時に、微笑みかけられたことが何度もあります。そのため、カナダでは知らない人でも話しかけやすいです。

 

 

 

自由テーマ:「知らない人100人に話しかけてみようプロジェクト」について

今回は私がトロントで挑戦したプロジェクトについて書きたいと思います。その名も「知らない人100人に話しかけてみようプロジェクト」です。内容はシンプルに、街中で多くの人に話しかける、というものです。誰か友達と一緒にやったのではなく、一人で挑戦してみました。

私はトロントから離れた場所に住んでいるので、まずは移動から一日がスタートしました。自分の寮からバス乗り場まで遠かったので、タクシーで移動したのですが、タクシーの運転手さんと道中ずっと楽しく話すことができ、良いスタートを切ることができました。それからバスでトロントまで移動です。バスで隣になった人とも少し会話をしたかったのですが、一方的に話しかけ続けていたら少し困っているようだったので、控えるようにしました。朝9時にロンドンを出発して、トロントに着いたのが大体朝の11時でした。

とりあえず大きなショッピングモールに向かおうと思い、バスの運転手さんに道を聞いて移動していたら、「ネイルサロン」の看板が目に入ってきました。私は速攻で入ることにしました。理由は、「マニキュア」ではなく「会話ができる」からです。私を担当してくれたネイリストさんは中国人の方で、旦那さんがカナダで仕事をなさっているため移民してきたそうです。爪をきれいにしてもらって、しかも一時間ほど会話もできて満足でした。

ネイルサロンを後にして、お腹が空いてきたためご飯を食べることにしました。行きたいお店は決まっていましたし、行き方も大体把握していたのですが、とにかく今日は多くの知らない人に話しかける、と心に決めていたので、道行く人に「このお店に行きたいのですが、どこにあるか知っていますか?」とどんどん尋ねていきました。若い女性二人組、たばこをふかしている大柄の男性、信号待ちをしているおじいさん、携帯や書類を見ているキャリアウーマン…。一見怖そうに見えた人が親切に一緒に探してくれたり、逆に親切そうに見えた人が全く相手にしてくれない、ということがありました。人は見かけによらないということを改めて感じました。

ご飯を食べた後、大きなショッピングモールまで歩いて戻りました。(この間も数人に話しかけました)私はトロント大学に行ってみたかったのですが、行き方がわからなかったため、モールのガードマンをしている黒人男性に話しかけ、尋ねてみました。その男性は、丁寧に行き方を説明してくれた上に、「このバスパスを使って大学へ行ってきていいよ。僕は八時までここで働いているから、観光したらここに戻ってきて返してね」と言い、なんと自分のバスパスを私に渡してくれました。私はこの男性を知りませんし、彼も私のことを知りません。私が帰ってくる保証はどこにもないのに、自分のバスパスを赤の他人に渡すなんて、日本では考えられないと思います。本当に感動しました。

トロント大学まではバスを使うといい、と彼が教えてくれたのですが、困ったことにどのバス停を使えばいいのかわかりませんでした。そのため、また他人に質問をすることにしました。CDショップの店員、大学生らしき男性、女性、男女6人組…。この男女6人組はみんなが一斉に説明し始めたため困惑してしまいましたが、一人の女性が丁寧にまとめて説明してくれました。

バス停に向かっている間、「Plan Because I am a girl」という団体に所属しているという一人の女性に出会いました。彼女は大学生の時にアフリカの国々に行き、今日を生きるので精一杯の人々、教育を受けられなくて社会からはじき出された多くの子供や大人を見てきたそうです。彼女は「月$35を募金している人を探しているの」と言い、クレジットカードを渡すよう何度も私に促しましたが、私は最後までYesと言えませんでした。まず、彼女がPlanに所属しているという証拠はどこにもありません。また、本当に援助を必要としている人のところにどのように募金が届くのか、はっきりと理解できなかったからです。私はもともとこの団体の存在は知っていましたし、Facebookで「いいね」をしていました。しかし、団体を知っているだけでは何も助けにはならないし、Facebookで「いいね」をしたからといって、それが助けを必要としている人間に何か影響を与えているかといったら、そうではありません。最後まで彼女を100%信用することは出来ませんでしたが、彼女は本当に熱心にPlanについて説明してくれましたし、自分の無力さや、行動しない限り知っているだけでは何も現状は変えることができない、と改めて気付かされました。もちろん知識や情報を増やすことは大切です。しかし、知識だけを増やして自己満足で終わっている人も多く、自分もその中の一人なのか、と痛感し、恥ずかしさと不甲斐なさで最後の方では涙が出てきてしまい、寒いカナダの街中二人で泣いてしまいました。彼女との出会いによって多くのことを考えさせられました。

それからバスでトロント大学まで行き、しばらく構内を散策しました。建物がかわいらしく、中に入ってみました。すると、ちらほら学生が教室の中に入っていくではありませんか。扉の隙間から中を覗いてみると、どうやら講義が行われている模様。私は迷わず扉を開けて中に入り、授業に参加することにしました。教授が英語で血液循環について説明しており、専門用語のオンパレードだったのでほとんど理解できませんでしたが、一つ気付いたことがありました。それは、授業中にFacebookを見ている人の少なさです。私の大学では、授業中にFacebookをしている人を多く見かけます。私がもぐりこんだ授業が3年生4年生などの上回生の授業だったからかもしれませんが、Facebookをしている人はほとんどいませんでした。

そのあと少しトロント大学を見て回った後、モールに帰って無事バスパスをガードマンに返すことができました。彼がちょうど仕事の休憩にいくところだったので、一緒にお茶をして楽しく話しました。それから夜の八時ごろ、トロントにいる友人と夕ご飯を食べに行きました。行った先は日本の居酒屋のような店で、私が日本人だからと気をきかせてくれたようです。

最終的にこの日に話しかけられた総計人数は62人でした。初めは人数を増やすことだけに集中していましたが、途中から会話が続くようなら一人の人と長時間話すように努めました。目標の100人には届きませんでしたが、この一日は私にとって忘れられない一日となりました。