①カルチャーショックについて
デンマークに留学してから約10ヶ月が経ちましたが、今のところネガティブな意味でのカルチャーショックを感じたことはあまりありません。
しかし日本と異なる部分はたくさんあります。まずは挨拶です。スーパーや教室では店員さんやクラスメイトがHejと笑顔で挨拶してくれることが多いです。私は人見知りが激しく今まであまり人の顔を見ることができなかったのですが、こちらでは喋ったことがない相手でも目が合うと笑顔で返してくれたり挨拶してくれることが多いので初対面でもリラックスして話せるようになったと感じます。
他には人と人の立場がとてもフラットです。日本には年上の人やお客さんを敬う文化がありますが、デンマークで過ごしていると教授と生徒、店員さんとお客さんの上下関係がなく気楽に話せるように感じます。特に驚いたのは、デンマークにおける親子の関係です。親は子供に対してeducateするのではなく、supportするという話を授業で聞いて、その関係性が素敵だなと思いました。
また、ヨーロッパの人々は日光を浴びるのがとても好きです。留学して間もない頃は授業の休憩時間毎に用事がなくても外に出ている人が多くとても驚いたのですが、日照時間がとても短くなる厳しい冬を越してからはなぜデンマーク人にとって日光が大切なのか理解できたように思います。4月ごろからは天気も良くなり、こんなに人がいたんだと驚くぐらいたくさんの人が日光浴を楽しんでいます。カフェも外の席で食べている人が多く、冬と比べて全体的に活気づいているコペンハーゲンの街を歩くのがとても楽しい季節になりました。
②今年最後の祝日Store Bededagについて
5月5日はStore Bededag (Great Prayer Day)という、キリスト教にまつわる祝日がありました。しかしこの祝日が適用されるのは今年が最後で、来年からは無くなってしまうのだそうです。
調べてみると、その背景にはロシアのウクライナ侵攻が関わっていました。デンマーク政府は国防費を2033年までにGDPの2%にまで増やす目標を掲げていたのですが、ロシアのウクライナ侵攻を受けて計画が3年分前倒しになり、30年までに達成するという目標へ変更されたそうです。政府はその目標を達成する手段の一つとして祝日の廃止を採択し、労働時間の延長による30億クローネ(580億円)程度の歳入増加を期待しています。
デンマークは治安が良く日常生活を送る上で危険な目に遭うことはほとんどありません。しかし他国との距離が近いので、近隣の国で戦争が起きればそれに巻き込まれる可能性はかなり高いのではないかと思います。実際に同じ北欧に位置するフィンランドがロシアのウクライナ侵攻の影響を受けてNATOに加盟したりロシアとの国境付近にフェンスを建設したように、国内が平和であっても近隣の国との関係次第で突然その平和が脅かされる可能性があるのは恐ろしいです。日本も世界の中ではかなり治安が良い方ですが、周辺の国で何か起きた場合どのような立ち位置になるのか、もっと他国との関係性について知らなければならないなと思いました。