Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

マードック大学
2012年7-8月号 文学部 K.N

冬休みのこと

個人的に、授業や課題に追われる中で、調べたり早めに予約したりするということが難しかったため、冬休みは冬期講座を受講し、勉強に励もうと決めました。旅行は、当然早めに予約した方が航空券は安くつきます。ですが、こちらに来てから旅行の行先などを決める余裕は私にはありませんでした。ですから、もし留学中に絶対に旅行したい、という人は予め下調べなどある程度日本でしてくると良いと思います。また、パースからオーストラリア国内のシドニー、メルボルン等の都市へ行くよりも、インドネシア等の海外の方が近く、航空券も安いようです。

次に、冬期講座についてですが、これはTLC120 Introduction to University Learningというものです。全10回のlectureとtutorialを週に2,3回、1日約4時間の集中講義となります。全体的には50人以上の受講者がいたようですが、tutorialは10人以下で構成され、私のtutorialのグループは6人ほどの少人数グループでした。また、全10回と聞くと、軽い気持ちで受講できると思ってしまうかもしれませんが、冬休みの大部分を費やす覚悟を持って受けた方が良いと思われます。ただの10回、と思いがちなのですがそれだけ集中して授業を受けるということは毎回の課題を翌日までにこなさなければならないということでもあります。ですから、授業ペースに慣れるまでは本当に厳しいと感じることもありました。特に、周囲の多くの友人は冬休みをゆっくり過ごしていますから、比較して後悔することもありました。ですが自分で受講すると決めた以上、投げ出せません。

受講を決めた1つの理由として、セメスター1で築いてきた勉強をする習慣を冬休みで崩したくないという思いがありました。現に、この授業が始まるまで約2週間の空白期間があったのですが、セメスター1のテストが終わった解放感から、特に勉強もすることなく毎日をだらだらと過ごしてしまっていました。もちろんそういったリラックスの時間も大切だと思いますが、それにしても冬休み中ずっとそうするわけにもいきません。

また、他の日本人留学生がいないという事も新たな試みでした。以前書いたように、セメスター1では全日本人留学生が同じ授業を受講し、お互いに助け合うこともできたのですが、今回からはそうはいかず、初めは不安でした。しかし、良き理解者として助けてくれたチューターや、新しい友達もでき、少人数の良い環境のチュートリアルの中で、少しでも成長できたのではないかと自負しています。同じチュートリアルグループのメンバーは、冬休みにわざわざ授業を取るだけあって、皆の学習意識はとても高く、多くの刺激を受けることができました。また、うまく意見を伝えられないときも周囲に何度も助けられ、もっと頑張ろうと常々思えました。

授業の内容ですが、主にUniversity culture、大学における特定の価値、信念、行動などを、知識共有の場としての大学・世界観・科学など、色んな観点から考察するものです。これらのトピックを通して、「大学に通う目的は?」「なぜ多くの大学生は’良い生徒’を目指すのか?」といった、改めて聞かれると即座に回答できなかったようなことを考えさせられます。私は既に龍谷大学に於いて卒業資格を保持している立場なのですが、だからといってこの授業が今更無意味だとかは全く思いませんでした。むしろ、日本で四年間も大学に通っていたのに、大学という場所をきちんと理解しきれていなかったことに気付いたり、この授業が今後の自分の生涯学習の糧となるものだと確信できたり、良い発見ばかりでした。この授業で、「大学の多様性」についてのトピックの際、日本の大学とこちらの大学の違いを述べると、チューターや他の生徒が興味深く聞いてくれ、興味を示してくれたことを鮮明に覚えています。勿論、課題が多くて辛いときも多くあったのですが、それも含めて、改めて受講して良かったと思える授業です。

課題についてですが、ほぼ毎回(ただしチューターにより若干の違いはあるようです)、授業の度にその回の授業で扱ったreadingとlectureのlearning journalというものです。それはkey point, thesis, paraphraseとcritical analysisから成る1~1枚半程度のものです。この課題は本当に大変でしたが、feedbackを返却してもらえたので、ライティングスキルを伸ばすためにはとても有効ですし、やはりリーディングの重要なポイントを自分で考えて書き残しておくということは、テスト前の見直しなどにもとても役立ちます。実際に、この講座は、全10回の授業の後に数日開けてテストがありますが、私は特に試験勉強をすることなく挑み、特に困惑するような問題も出ませんでした。というのも、やはりlearning journalを書いたことによって各トピックやエッセイの主要ポイントを押さえていたからです。授業の後、learning journalに時間を費やして書いているときは、辛いと思っていたのですが、書く価値は大いにあると確信しました。

私の冬休みはこの授業が大部分を占めていました。そして数日間の休息の後、セメスター2も始まりましたが、冬休みにあれだけの課題をこなしたという自信が確実に今現在の学習につながっていると思います。