〈授業紹介〉
History of Karelia
この講義ではフィンランドとロシアの国境に位置するKaeriaという地域の歴史について学びます。Kareriaは歴史的に見てフィンランドやロシアのみならず、スウェーデンやその他近隣諸国にとっても重要な位置となっていて、それは何故なのかということを主軸にして、歴史やKareriaで独自に発展した文化、民族などを学んでいく講義です。講義の形式は教室の前方のスクリーンに映し出されるスライドを板書しながら教授の話を聞く形となっています。スライドの一枚ずつの文字数はとても多く、また、教授の説明のスピードも速いので、慣れるまでは板書をしながら教授の話を聞くのは大変でした。講義の最後にテストがあり、それで成績が決まります。
Theological Religion
全5回の講義でフィンランドにおけるキリスト教の基本的な考え方を学びます。毎回異なる分野を学び、その都度その専門分野の教授が教壇に立ち、それぞれの違った視点からの見解を教わるのでとても興味深いです。特に、フィンランドは西欧のキリスト教の宗派と東欧のキリスト教の宗派との境目であるといわれていて、そのあたりのことも触れられています。講義時間自体が短いので導入部分しか教われないのが少し物足りないですが、キリスト教に対して興味を持つ良いきっかけになると思います。
〈余暇の過ごし方〉
Joensuu は町自体が凄くこじんまりとしていて、約1日あれば主要な場所は見終えることができます。閉店時間もとても早く、コンビニエンスストアのように24時間開いている店は町のはずれにしかありません。遊園地といった娯楽施設もありませんので、基本的には休日だからといって特別なことはありません。ですが、それでも休日は休日なので、友達と喫茶店でお茶を楽しんだり、町はずれの植物園まで足を延ばしてみたり、買い物を楽しんでいます。目新しい店や場所などを見つけておいて休みの日に待ち合わせて一緒に訪ねて行ったりして楽しんだりもしています。中心街は大学のすぐそばにあるので、慣れるのにそう時間はかからないのですが、その分、新しい発見ができた時はうれしいです。
平日で自由な時間ができた時にはお菓子作りに挑戦しています。フィンランドは物価が高いのですが、食料品はそんなに高くありません。調理されたものを買うよりも家で作ったほうが安い、と現地の方がおっしゃる通り、カルガモなどのお菓子作りに必要な材料は手に入りやすく、しかも種類も豊富です。オーブンなどの使い方は少し違うのですが、それでも新しい趣味としてお菓子作りだけでなく料理を始めるのに適した環境だと思います。
〈自由テーマ〉
フィンラドの国歌を作曲したのはシベリウスという作曲家で、作詞をしたのはルーネベリという作詞家です。2月5日はそのルーネベリの誕生日です。フィンランドの人々はその生誕を祝うべく、この日にルーネベリントンという焼き菓子を食べるのが習慣となっています。ルーネベリントンとはその名の通り、ルーネベリと深く関わりのある食べ物です。彼がまだ生存の折にその妻が試行錯誤を繰り返し、何度も調整を重ねた末に完成したのがこのルーネベリントンで、よく朝食に食べていたそうです。おいしさの秘訣はビスケットを使うことにあるそうで、そこにたどり着くまでには数多くのドラマがあったそうです。実際に作ってみると、下準備をするだけでも時間がかかり多くの手間暇がかかります。今はあらかじめ砕かれたピーナッツなどが手に入る分時間の短縮はされているのですが、当時はそういうわけではなく最初から手作業でしなければならなかったわけですから、その過程を見てもルーネベリの奥さんの深い愛情が垣間見えます。この焼き菓子は焼き加減を見極めるのが凄く難しく、一見焼けているように見えても中はまだ火が通っていなかったり、型から取り出した瞬間に形が崩れたりと一筋縄ではいきません。ちなみに現在ではほとんどの家庭はスーパーで売り出されるものを買い、手作りはしないようです。1月の下旬から2月5日頃まで店頭に並びますので、機会があればぜひ食べてみてください。