この一年を振り返って
あっという間に1年間という月日は過ぎてしまい、残すところファイナル(期末試験)だけとなりました。思い残すことはもうありません・・・なんてことはないです。思っていた以上にとっても短くて、もっとやりたかったことがあったり、英語の面でも成長しきれなかった後悔ももちろんあります。しかし留学生活を充実させるために自分なりに一生懸命考えて、奮闘して、頑張った経験は全て自分の力になったと思いますし、これからの将来に前向きな影響を与えてくれると信じています。一年間で成長したと思える点は、英語能力だけに限らず、時間やスケジュールの管理能力、辛い場面でも立ち向い乗り越えられる強さ、困ったときには助けを求める力が身についたこと、そして自分の中の固定概念や考えを変えられたことなどです。この一年間、出来るだけゆっくり考える時間を作るようにしていました。日本でアルバイトやサークルをしていた頃と比べると、自由な時間がたっぷりあったと思います。毎日こなさなければいけない事がたくさんある中で、物事に優先順位をつけ、時間を有意義に活用する。こちらにきてスケジュールががらっと変わったことで生活習慣も見直すことができました。
カリフォルニアを選んで本当によかったなと思えることは、私の今回の留学の目的の一つでもある、アメリカ人だけではなく世界中から留学しに来ているたくさんの人々に出会い、繋がり、お互いの国について共有しあえたこと、そしてネットワークを広げられたことです。これらの出会いを通して数えきれないほどの新しい発見がありました。国境を越えて共通することもあれば、それぞれが独特の文化をもっているため食い違っていることもあります。日本はアニメや技術、車で有名であるけれども、間違ったイメージ(ステレオタイプ)を持っている人もたくさんいれば、ほとんど知らない人もいます。そういった人たちに文化や今の日本について伝える機会がたくさんあったことに感謝しています。そしてなにより嬉しかったのが、私と出会った友達が海外留学や日本に留学に行くことに興味をもってくれたということです。アメリカから色々なことを吸収するために留学にきましたが、私自身が’発信’するという形で誰かに影響を与えられる存在になれたことはとても光栄に思います。また寮でのルームシェア新しい出会いなど、新しい環境に慣れなければいけない過程で人間関係について改めて深く考えさせられましたし、どうすれば信頼関係を確立できるか、ギブアンドテイクの大切さなど、21年間の中でこれらについて一番よく考えた時期になったかと思います。
色々つらつらと書きましたが、今回の留学生活を一貫してひとつ明確になったことがあります。人はもともと1人というように、1人で頑張らないといけないときもたくさんあります。でも、生きていくには人の助けが必要です。自分一人では解決できない問題に直面した時、辛い時、しんどい時、アドバイスをくれる信頼する友達や家族の存在がどれだけ大切で偉大な存在か、身に沁みるように分かりました。
帰国後の予定―留学経験をどう生かすか―
私はこれが最後の海外経験になるとは思っていません。まだまだ海外でチャレンジしたいこと、学びたいことがたくさんあります。もちろんもう一度留学することも考えていますし、将来の仕事を海外で(できれば日本とアメリカを繋ぐという形で)、というのが私の夢でもあり、最終的な目標でもあります。そのために更なる英語力の向上やその他の分野での知識も十分に必要になってくるので、帰国してからもモチベーションを下げることなくアンテナをはって目標達成のために努力していきたいです。 どのような期間であれ、それぞれの留学をきっかけに、次に前進する大きなステップを踏むことで将来への展望が広がるということが交換留学の目的だと思っています。私は今回の留学で学んだこと、経験したことを元に視野を小さな範囲にしぼらずに、興味の幅を更に広げて自分の’限界’に固執するのではなく、自分の’可能性’を大きく広げていきたいと思います。
心に留めておいてほしいこと/トライしてほしいこと
まず、アドバイスではないですが知っておくとよいと思うことは、アメリカでは主張したい思いや考えはちゃんと言葉で表さないと相手には伝わらないということ(日本のように暗黙の了解があまり成立しなかったり、婉曲な表現は有効ではないように思います)、国が違いますから、日本の常識からすると迷惑だとかダメだと思っていることでも、交渉したり主張したりすれば意見が通ることがあるということ(言ってみないとわからない、といった感じです)です。 これはただ知っておくと便利な情報ですが、例えば化粧品(他の商品でもセール品でなければ)を購入した際レシートは必ず保管しておくことをおすすめします。一定期間内ならたとえ使用したあとでも返金、交換可能だからです(不良品じゃなくても気に入らなかったり買い間違った場合でも)。
そして是非日記をつけることをおすすめします(毎日)。私はゼミの先生から薦められて昨年の夏から書き始めましたが、読み返すと初めの頃と現時点での感じ方も変わっていますし、単に思い出になるだけでなく、自分の変化や成長の過程を見返すこともできるので貴重な記録になったと思います。 現地に来て一定期間住んでみないと分からないことや経験できないことは、本当にたくさんあります。旅行でももちろんその場の雰囲気や素晴らしさは感じられますが、本当に知っておくべき文化や知識は、留学を経験してこそ手に入れることができるのではないかと思います。恐らく学生の皆さんが期待していることやアメリカに対して持っている概念は、こちらにきて否定されたり、覆されることがたくさんあると思います。でもそれを辛いと思ったり残念に思ったりしないでください。新しく塗りなおされた知識は今後生かせる経験として生きてきます。交換留学生としての一年間はたとえ同じ期間で同じ場所で過ごしたとしても、皆さん一人ひとりの目的意識で違った経験になるはずです。自分はアメリカで何をしたいか、どんなふうに成長したいかなど、少し心の隅においておくだけで留学生活はとても充実したものになるでしょう。