Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

デュースブルグエッセン大学
2015年3月号 国際文化学部 R.M

この一年を振り返って

 

一年を振り返って、語学力以外で自分自身が強くなった、成長できたと強く感じます。

ドイツに到着した頃は、楽しいことばかりではなく、大変だったことの方が多いような気がします。まずひとつめは、留学生活をどう過ごすのかは自分次第である、ということです。私は今回の留学が初めてではなく、以前に一ヶ月の短期でしたが、私費留学をしていました。このときは、会社から紹介されたホストファミリーの家に滞在し、語学学校内でもイベントが頻繁に開催されていました。今回の渡航前の私は、この留学のイメージは以前の生活が長期化されたようなものだと考えていました。

しかし以前の環境はすべて用意されていたものだとドイツに着いて気がつきました。大学からバディが手伝ってくれましたが、寮の鍵の受け渡しや、ビザの取得、大学では、授業の履修も自分でしなければいけません。相手からの指示を待っているよりも、疑問に思ったり、気になることがあれば、自分から動かなければいけません。

 

前期の授業について、履修は担当の先生と行う指示をもらっていましたが、私が初めて大学に行った時は、既に履修期間が終わっていたため、週に3回のドイツ語の授業しか取れませんでした。大学以外にも語学学校にいく人も多いようなので、ドイツに来る前にどのように生活するのか、日本にいるうちに計画しておくべきだと思います。

 

私が一番大変だったと思うことは、ビザの取得です。

何度も外国人登録局に足を運びましたが、なかなか許可をもらえず、結局1年間を仮ビザで過ごしました。

私がなぜ許可をもらえなかったのか、基準は役所の人によって異なるのですが、原因を書いておきます。

 

 

1、保険の書類

交換留学へ行く人は、龍谷大学から保険に入ると思います。この書類を提示しなければいけなかったのですが、私の場合、この保険は使えないから、今から新しい保険に入るようにいわれました。ですが、今までの留学生はこれで許可をもらっている分けですし、私だけ無理だといわれるのはおかしいです。そのことを役所の人に説得できれば良いのですが、その時は話を聞いてもらえなかったので、別の書類を日本から送ってもらい、万が一に備えて、大学の先生にも抗議文を書いてもらいました。

別の日に間違えて新しいものではなく、今までのを提出してしまったのですが、どういう訳か、すんなりと許可をもいました。

 

もう一つの提出書類として、自分がドイツで生活するお金を持っているか、証明する書類が必要で、私は日本の総領事館でもらった書類を提出しました。しかしそれも無理だと言われ、口座残高証明書を持って来るようにいわれました。私はCity Bankの口座を持っていて、一ヶ月の生活費をそこからドイツの銀行のsparkasseに移していました。そのことを伝えて、City Bankの口座残高証明書でいいか確認をすると、ドイツの銀行にお金を全部移して、Sparkasseの証明書をもってこいと言われました。一日の500ユーロまでしかお金を下ろせないので何度も銀行に行って、移したので、最初からドイツの銀行に送金してもらうことを勧めます。

しかし、後から聞いた話なのですが、龍谷大学以外にも日本からの交換留学生がいるのですが、彼女たちは日本でもらった証明書で問題はなかったようです。

 

ドイツの外国人登録局の人は、人によって基準が違うようで、その人のやり方に従うか、どうしても他のやり方でやりたい場合は、説得するしかないようです。

 

3ヶ月はビザなしで滞在でき、それ以降はビザが必要になります。書類の不備や日程が合わない等で、それ以降にビザがもらえない場合は、さらに3ヶ月間有効の仮ビザがもらえ、その仮ビザもまた3ヶ月…と延長できるので、不法滞在などの心配はありません。

 

しかし、大丈夫だと分かっていてもうまくいかないと、また今日もうまく行かなかったと、日本にいる時よりも疲れてしまいます。どのような場合であっても柔軟に対処できるように説得しなければいけない可能性があることを、手伝ってくれているバディに伝えておくなど対策をしておいて下さい。

 

3、時間通りにいく。ドイツでは、予約をとった時間にその場にいなければ、キャンセルされてしまいます。これは当たり前のことですが、ドイツでは交通機関がよく大幅に遅れたりすることもあるので、余裕を持って着くようにしてください。私の場合は、予約をとっていた日にストライキが起こり、大幅にバスがおくれてしまい、5分ほど遅れてしまいました。しかしそのことを伝えようとしても、話も聞いてくれず、あなたのための時間はもうないから、今日は帰って、ちゃんと時間通りに来なさいとだけ言われました。

ドイツでは、時間を守ることが、日本と同じ常識ですが、交通機関が遅れることがよくあるので、気をつけて下さい。

 

 

ドイツにいれば、私たちもドイツ人と同じように見られ、対応されます。交換留学生だから、外国人だからといって特別扱いされることはありません。はじめは、心が折れそうになる時もあると思います。自分から動いても、だめな時もたくさんあります。少しでも不安であれば、友達を頼って下さい。私も様々な場面で多くの友達に助けてもらいました。

 

 

 

帰国後どう留学生活を生かすか。

ドイツでは多くのことを学びました。帰国してから、自分が成長したように感じます。先ほども書きましたが、友達を頼るということ。私は今までなんでも一人でやろうとしていたので、ドイツではそれが日本のようにうまくいかず、逆に迷惑をかけてしまったこともありました。人の力を借りて、自分も困っているひとがいれば、積極的に行動しようと思うようになり、以前よりも行動に移せるようになりました。

そして自分の意見をはっきりと相手に伝えること。私たちの常識は日本でだけ通じる常識です。わかって当たり前と思っていても、相手には伝わっていないこともあります。私はこれが原因で友達と喧嘩もしましたが、彼らは、私が思うことを伝えようとすると、真剣に向き合ってくれ、理解してもらったり、違うと思うことは違うと言ってくれます。新しい考えかたを知ったりすることで、自分の考えや視野も広がったように感じました。

同時に日本の当たり前も素晴らしいと感じることもたくさんあったので、自分の中で、日本人としてこれは大切にしていくべきだと思うこともありました。

 

以上のことを忘れずに、大学を卒業して社会人になったあとも、ドイツで学んだ、考え方や、大事にすべきことを行動にうつせる人間で成長し続けたいと思いました。