ハワイ州の中でも、オアフ島は人種のるつぼと言われるほどたくさんの人種の人々が住んでいます。もちろん、そのオアフ島にあるハワイ大学マノア校の学生も、例にもれず人種の多様性にあふれています。その中でも最も多いのがアジア地域の人種をもった学生ですが、欧米諸国やアフリカ等の人種をもつ学生もまた、多くみられます。
学生の中には、もともとハワイに住んでいた学生、米国本土から移り住んできた学生、”Internantional Students”と呼ばれる海外から留学しに来ている学生、”Exchange Students”と呼ばれる、私のような1年間程度の交換留学を目的として在学する学生と、大きく4つに分類されます。米国籍をもった学生においても、アジア人の両親をもつ学生、幼少期を他国で過ごした学生など、非常に多様なバックグラウンドを持つ学生と毎日のように出会うことができます。
このような多様性のある学生たちと日常を共に過ごすことで、ほとんどの時間を日本で過ごしてきた自分の価値観を改めて見つめなおすことができ、日本人としての自らのアイデンティティをさらに確立することができているように感じます。
また、観光産業を学んでいる私にとっては、観光地となり得る場所の文化、人々を理解し、学ぶことは大変貴重な経験です。授業中もディスカッション等で意見をかわすなかで、自分では全く思いつかないような考えをもつ学生から毎日のように刺激を受けており、1つでも多くのことを吸収しようと努力しています。
そして常に受け身になるだけではなく、自分から積極的に発信していこうとする力もついてきました。日本では多くを語らなくても多少は分かってもらえるだろう、と考えがちですが、ここでは周りの学生がみんな日本人というわけではありません。日本人として常識だと思っていること、話さなくてももちろんわかっているだろうと過信していては、思わぬ勘違いを生むこともあります。日本人はノーと言わない、とよく言われますが、自分の言いたいことは曖昧にせず、誰からでも分かるように伝えることができるように気を付けています。
ハワイに到着する前、自分の英語力の不安や文化の違いなどから、友人づくりに対してとても不安がありました。しかし、到着後すぐに出会った税関職員から寮の管理人、道ですれ違った人さえも私に対してとてもフレンドリーで親切に接してくれ、大変驚いたことを覚えています。
もともと気にしていた英語力の不安や文化の違いも、様々な国の人々で溢れているハワイでは、さほど問題にはなりませんでした。日本からの移民や観光客の多さから、ハワイでは日本語や日本の文化が日常的に見られます。こういったことからも日本に興味のある学生や現地の人々もとても多く、バスで移動中や買い物をしているときなど、様々な場面で話しかけてもらう機会があります。
授業ではもちろん、クラブ活動や共通の友人を通じてなど、素晴らしい友人達に出会う機会は毎日のようにあります。友達が友達をよび、1人の友人から10人以上の新しい友人ができることも少なくありません。またハワイではイベントが多く、フェスティバルや学校で開かれるパーティーなどには積極的に参加しています。
そんな友人達から学んだことは、学校で学んだことよりも多いのではないかと思うほど数えきれません。友人との会話も、自分たちの文化や言語について教えあうということが多くあります。最近ではお好み焼きや寿司パーティーをひらき、日本のゲームを教えるという機会もありました。この留学生活の一瞬一瞬が自分の経験として積み重なっているということを常に感じています。
一緒に勉強をしたり週末にビーチに行ったりと、気軽に誘い合える友人はこの留学生活で得たかけがえのないものの1つです。残りの留学生活も、友人たちと共に手を取り合ってより良いものにしていきたいと思っています。