【現地の学生、友人について】
今回のテーマではフィンランド人の学生について授業を一緒に受けていて感じたことと、同じ宿舎に住む他国からの友人のことについて紹介します。
フィンランドの学生は、とてもきれいな英語を話します。日本人の友人が「フィンランド人は清潔感のある英語を話すよね。」と言うのですが、本当にその通りだと私も思います。彼らは教科書に則した非常に分かりやすくて整った英語を話す印象があります。フィンランド人が多く出席していた授業は、学生からの発言や質問が多い活発な授業風景というよりも落ち着きを大切にして真面目に集中して講義をうけるといった雰囲気でした。フィンランドでは誰でも大学で学ぶことができ、その反対に大学に行かないという選択も本当の意味で自由にできる環境であるため、講義では真剣に学んでいる学生しかいないように思いました。
次に、同じ宿舎に住む友人についてです。現地でアルバイトをしている留学生はおらず、平日は講義以外の時間は図書館に行ってレポートや課題をし、休日は思いっきり遊ぶといったメリハリをつけた生活をしています。ヨーロッパからの学生は金曜日の夜から週末にかけて大勢で集まりお酒を飲んでクラブに行き、思いっきり騒ぎ遊んで深夜に奇声を上げながら帰ってきます。私も最初の方はこれも異文化交流の一つだと思い、一緒に楽しもうと努めたのですが2か月ほど経ってからも楽しさが十分に理解できなかったので、それからは特別なお祝いのとき以外は部屋でゆっくりするようになりました。ほとんど参加しなくなってからも、それまでと変わらず仲良くできているので、自分のペースで楽しく彼らとの日々を過ごしています。
【フィンランドでの幸せについて】
フィンランドにはそれぞれが自分の幸せを追い求めることのできる平等な環境があります。何歳になっても学びたい気持ちがあれば補助金を受けて誰でも学校で学ぶことができ、仕事をしなくても生活保護を受けて暮らすことができます。大学は学びたい人が行くところだし、極端に言えば仕事をしたくなければ働かなくても生活できる環境があります。これを日本ですると働かない人が増えそうですが、フィンランドでは何が自分の人生で大切であるかを理解し、あればより心地よく暮らせるようなモノや仕組みを作り出すことが国や個人単位でも上手な国であるから成立しているのだと思います。学びたい人が自由に学べる環境、就労時間を守り家族や恋人との時間を大切にできる環境、そのために効率的に働こうとする考え方、男女の区別がなく父親が育児や家事を積極的にし、女性が当たり前に働ける環境、育児支援としてマタニティーパッケージという育児に役立つものが入った便利な箱、男友達という父親のいない子供のためのボランティア制度、高率の税金の使い道をはじめとするあらゆる情報の透明性が徹底されているので政府が信頼される環境、寒い冬を家の中で快適に過ごすために洗練されてきた北欧家具などがあります。学歴社会のためとくに学びたいこともなくただ大学に入学し、日々バイトや遊びに明け暮れたり、資本主義成果主義のためせかせかと何かに追われるように働いたり…そんな人はフィンランドにはいません。彼らの無理をしないライフスタイルは、働くことを苦に感じさせないばかりではなく、心にゆとりをもたせ当たり前のことは当たり前に、誰に対しても礼儀正しく寛容な態度や行動ができることに繋がっています。そして、周りを信用し協力し合うことで誰に対しても公平な社会がうまく回っているのだと思います。そうした人々の集まりが、フィンランドという幸せな国を形作っているのだと感じました。
※写真上:友人と作ったフィンランドの母の味 “Pulla” / 写真下:”朝日を見ながら朝ごはんを食べる会” 早朝に朝日を見に少し遠くにある湖までゆき、Nさんが作ってくれたサンドイッチを食べました。私の夢を叶えてくれたNさんに本当に感謝しています!