Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

カルガリー大学
2011年10月号 文学部 R.H

*授業について*

今回は秋学期に取っている3つの授業の中で一番苦労しているCanadian Studiesについて紹介します。

だいたいどの授業も、レベルは200番台から600番台まであります。この授業は201(イントロダクション)で基本的な内容のはずですが、カナダについての政治経済、地理などをあまり知らないまま取っているのでとても苦労しています。さらに、教授は強いオーストラリアなまりに加えて、かなり早口で話します。例えば、「They say…」を、「ザイサイ…」と発音します。私たちが習う英語ではこのような発音をしないので、初めて聞いたときは何を言っているのか全く理解できませんでした。それに加えて黒板をほとんど使わず、授業の内容も教科書に沿ったものではないので、みんなノートをとるのに必死です。こういう教授が話す形式の講義では、多くの人がパソコンで打ち込んでノートづくりをしています。これは授業時にシラバスやプリントなどが配布される日本ではほとんど見られない光景だと思います。各授業にそれぞれMidterm(中間テスト)、Term Paper(レポート)、Final Exam(期末テスト)があり、授業によっては定期的に宿題が出たり、中間テストが3回あったりします。僕はこの授業の中間テストでD+を取ってしまいました。3つの授業の中で一番勉強したのですが、今のところ一番悪い成績です。次のレポートでいい点数をもらえないと本当に落としてしまうかもしれませんし、分量がA4で10枚以上なのでまた徹夜の日々が続きそうです。(笑) 授業後は極力、オフィスアワーを利用して先生と1対1で話し、授業でわからなかったところを聴くようにしています。あと、英語で授業に受けるにあたって、「数字」には慣れておいた方がいいと強く感じました。僕はいまだに、数字を聞き取るのに本当に苦労しています。留学を考えてる皆さん、ぜひ日本にいる間に数字を聞き取る練習をしていてください。

*カルチャーショックについて*

ここでの生活ももうすぐ二ヵ月が経ちます。いろいろな場面で(やっぱり外国だなー)と感じることも多くあります。

まず、公共機関の乗り物の中がうるさいことが多いです。週末の夜ではお祭り騒ぎになっていることもあります。モラルの問題かもしれませんが、日本ではあまり見られないなと感じました。それと、日本から聞いてはいたんですが、チップの制度がややこしいです。ファーストフード店、スーパーでは払うことはほとんどないのですが、レストランでは合計金額の10~15%をチップとして払うのが一般的らしいです。しかし絶対に払わなければいけないというものでもなく、チップの金額も人によってさまざまなのでよく困惑してしまいます。

それから、これは良い意味でのカルチャーショックですが、人の温かさを改めて感じました。ある日、自分の寮の前で10人ぐらいのグループに出くわして、そこに友達が1人いました。声をかけると僕のことをみんなに紹介してくれて、「今からパーティーするから部屋においでよ」とその場で初めて会った人が誘ってくれました。よく外国人はフレンドリーと言われていますが、実際こういうことが起きたのも初めてで本当に心が温かくなりました。日本で同じ状況だと、誘われる前に(日本人特有の遠慮、気遣いから)自分で断っていただろうと思います(誘われるかどうかもわかりませんが)。異国という環境が自分を広くしてくれるなと改めて感じました。

*TA(Teaching Assistant)について*

TAとは、自分が以前に取っていたレベルの授業に参加し学生のサポートをする、いわばボランティアのようなものです。語学ではやはりネイティブが重宝されるようです。

僕は日本語の授業をTAとして参加し、日本語を学ぶ学生のサポートをしています。授業では主に会話練習をし、授業外ではプレゼンテーションの見直しを手伝ったり、個別に質問を受け付けたりしています。細かい文法を抜きにすればある程度の話す力はあり、逆に聴く力のほうが弱い学生が多いなというのが、3年目のクラスの印象です。学生は定期的に、Review Sessionという勉強会を開いて、日本語の宿題をしたり会話練習をしています。この時に1年目のクラスの生徒も来るのですが、彼らのひらがなの覚え方に少し感心させられました。例えば、「わ」なら右に90度回転させると、2画目の部分が「W」に少し似ているので「wa」と覚えようとします。日本語が母国語の自分にとってこういう発想は出ないなと感じました。3年でここまで日本語が上達するものなのかと思っていましたが、みんな日本語が好きなので学ぶ意欲が違うんだと思います。日本語を英語で教えるという貴重な経験ができることと、このTAを通してたくさんの友達ができたことがTAを始めて良かったと感じている点です。最近では、その友達たちと買い物に行ったり、外食をしたり、映画を見に行ったり楽しい日々を過ごしています。

 

 

 

 

 

 

 

(左:日本語の授業風景、毎回ランダムに4人グループをつくって会話をしたり、協力して問題を解いたりします。 右:定期的に行われるReview Sessionの風景、これは一年目の生徒に教えているときです。)