UABにくると、私たちは通訳翻訳学部というところに所属することになります。そこの授業では主に言語や通訳の技術などについて学ぶことになりますが、私はその中の授業で『Arte y cultura asia oriental』という授業をとることにしました。この授業は名前のとおり、アジアの芸術文化を学びます。主に仏教に関連するものを取り上げるので、仏像や、仏画などの説明をスペイン語で説明してくれます。私はもともと仏教系学科の所属なので、知っている単語が多く、理解しやすいです。その授業では中間発表、期末発表、期末テストがあり、先日、中間発表を終えました。発表のテーマはアジアの仏教に関することなら何でも取り上げることができます。私はスペイン人2人のチームに入れてもらい、『マリア観音』についての発表をスペイン語でしました。スペイン人は発表に対して前向きだという印象を受けました。日本人のようにパワーポイントやレジュメに書いてあるものをそのまま読むということはあまりせず、しっかり内容を理解して、説明できているなと感じました。ほかにも、Japones(日本語を学んでいる生徒のお手伝い)や、Castellano(スペイン語の授業)をとっています。授業は時間がかぶっているものが多く、前期は月曜日と水曜日が主に埋まります。履修登録のときにバランスが悪いと感じることがしばしばありました。
まず驚いたのが店員の態度の悪さです。働くスタイルが自由だとは聞いていましたが、ガムをかんでいたり、ほかの店員との話に夢中になっていて話しかけても後回しにされたり、お皿を投げるように机に置かれたり。日本では想像もつかないような接客態度を見ることが出来ます。もちろん丁寧な接客をしてくれる店員さんはいます。けれど接客態度の悪い店員に出くわすほうが多いと思います。日本が異常なほどに接客態度を気にする国だからこれが普通なんだ、と思っていちいち怒らないほうがいいと思います。そしてBarcelonaの市内を鉄道やバスに乗って移動することがたくさんあるのですが、まず鉄道やバスの車内がとても汚い。床にお菓子のごみが落ちているということは普通で、たまにジュースをこぼしたのか床がべとべとしていることもあります。そして何より運転が雑です。バスに乗ると座っていても何かにつかまりたくなるくらい揺れます。そしてスピードもかなり速いので、毎回事故を起こすのではないかという不安に苛まれます。バスの運転手も鼻歌を歌いながら、ガムをかみながら運転している人がいます。しかも、バスでは車内放送をしてくれないため、どこで降りればいいのか最初は勘に任せないといけません。これにもいちいち腹を立てていては身が持たないと思うので、私たちの間ではいい笑い話の種になっています。
Barcelonaはスペインのカタルーニャ地方という場所に位置しています。カタルーニャは現在でもスペインからひとつの国へ独立しようとしている州で、その誇りはすさまじいものだと感じました。日本にいるときから、カタルーニャの文化については耳にすることはありましたが、こちらへきて感じるのはカタラン語の壁です。これは日本の方言のようなものだと思っていただければいいのですが、スペインのそれは、1つの言語として確立されているくらいなので、結構な違いがあります。Barcelonaでは車の表記、店の看板など公共の表記はほとんどカタラン語になっています。中心街では大概カタラン語とスペイン語(Castellano)の2つを書いてくれてはいますが、たまにカタラン語しか書いていないところもあり、看板などを見て「なんかへんだな?」と思えばそれは必ずカタラン語だといえます。学校の看板や、張り紙などもカタラン語で書いてあります。友達の間でも、留学生と話すときは皆スペイン語を話してくれますがカタラン語を話す友達同士ではずっとカタラン語で話すため、少し寂しいときもあります。街中の人は、留学生だとわかればきちんとスペイン語で返してくれるので、心配は要りません。カタラン地方の文化も、独特なものだといえます。スペイン文化を代表するフラメンコや闘牛などもカタランの人にはあまり好かれていません(むしろ嫌いな人のほうが多い気がします)。フラメンコの話をすると「私あまり好きじゃない」と返されることがほとんどです。どうしてか聞くと、「カタランの文化じゃないから」といわれます。Barcelonaではフラメンコが見れないのかと一瞬心配になりましたが、8€で手軽に見れるタブラオ(小劇場)をはじめいくつか劇場はあるらしいので、心配は要りませんでした。カタラン文化ではサルダナという輪になって踊る民族舞踊があるらしいので、いつか見に行きたいと思っています。カタラン料理ももちろんあります。手軽に作れるPan con tomate(パンにトマトを塗りつけたもの)など、たくさんのカタラン独自の料理があり、どれも本当においしいです。機会があればカタラン語やカタラン文化について学びたいと思っています。