Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

ハノイ大学
2014年3月号 国際文化学部 M.I

カルチャーショックについて

留学するまでベトナムという国になじみがなかったので、本当にたくさんの文化・習慣の違いに驚きました。一般的に、南にあるホーチミン市と北のハノイ市ではベトナム語の発音も違うし、気質も異なると言われています。例えば、ハノイの人は冷たいけれど仲良くなると、とてもとても優しく尽くしてくれる。一方ホーチミン市では初対面から優しくしてくれるけれど、深い関係になるのには時間がかかる、と。今回書く内容は、あくまでハノイで感じたことです。

思えば、ハノイ行きの飛行機の中から驚いていたように思います。飛行機内で、ある女性の前の席の方がリクライニングを倒した所、それに激怒したその女性は、大声で文句を言ったり、舌打ちしたり、最後には前のシートをバンバンと叩いていました。カルチャーショックのうち1つは、「自分の感情を表に出す方がよい」、という考え方についてです。感情の出し方は、口で言うだけでなく体も使います。例えば、狭い路地で通行人が邪魔だったからという理由で、トラックから手をだし、高校生を小突いているのを見た時は驚きました。また、一方通行の道を誤ってタクシーが入り、方向転換しようと道路を詰まらせた所、バイクの方たちは大声で文句を言い、足でタクシーを蹴ってから先に進んで行きました。日本では口で注意する所を、ここでは体も使って意思表示をします。

怒りの感情以外の場面でも、よく人の体に触れます。例えば、バスの中では手すり代わりによく人に触れます。お腹や背中をがっしりつかんだり、服をひっぱられたりします。また、夜市の際にも、通りすがる際に人に触れます。反動をつけているのか、「はい行って~」「よいしょ」位の感覚です。他人であろうと、ひとに触れるという事に抵抗がないという事に驚きました。

 

また、家族の繋がりを大事にします。お友達のお家に行くと、必ずと言っていいほど、祖父~の家族写真が飾ってあり、家族の命日には、生前その方が好きだったもの等作りお供えします。そのような役割は、長男(とその妻)が担うべきだという考え方もあり、長男をとてもとても大事に育てます。長男が家族(親戚一同)を養っていく、将来は両親と二世帯住宅として住む責任がある、など考えている所が多いそうです。

 

人との距離がいい意味でもわるい意味でも近い、というのがハノイの魅力だと思います。沢山の方にお声をかけていただき、おかげさまで楽しい思い出が作れました。