Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

ハノイ大学
2024年 4月号 国際学部 K.Y

〈カルチャーショックについて〉

 

何度も渡航していたためか感覚が麻痺しているのか、原因は定かではないですが、カルチャーショックと言えるほどの衝撃的な体験はありませんでした。今回は私が日頃ベトナムに対し抱いている気持ちをシェアします。

・自国愛がすごい!

多くの人にとって自分が生まれ育った国というのは特別なものですが、ベトナム人の心の中には祖国への愛が常に流れています。ですので、以前のレポートでも触れたのですが軽い気持ちでベトナム人の前で国のことを茶化すようなことはしてはいけません。以前、「ベトナム人は感情の起伏が激しい人が多い」というそもそも不適切な題材のもとで自身の経験を交えて友人と口論したことがあります。その際、「じゃあなんでベトナムに来たの⁉︎」と顔を真っ赤にして怒られました。(私が悪いです)この一件以降、、自身は彼らの愛する祖国で生活させていただいているという当たり前でありながらも忘れてしまいがちなことを再認識しました。さらに個人的な話になってしまうのですが以前インドを旅行している際にあまりの詐欺師の多さに疑いの目が強くなってしまい、それを注意されたことを思い出しました。この件に関しては注意してきた方が外貨両替を長時間意図的に伸ばしその間にしつこく観光ツアーを勧めてきたためもどかしい気もしますが両件に共通して言えるのは私自身のリスペクトが欠けていたということです。SNSなどで他国に旅行した際のことを悪く書いたりレビューしたりする人をよく目にしますが、私も含め、そもそもそこに出向いたのは自分の意思であり自身の責任であるということを常に頭に入れておく必要があると思いました。まさに「郷に入っては郷に従う」いくら理不尽とも思えるようなことが起きても、それは自分が招いた結果であり、それをただ批判するのでなく順応する努力をすることが重要だと常々自身に言い聞かせています。

・家族愛がすごい!

自国愛に続き家族愛についてです。これら二つはベトナムに興味のある方ならよく耳にすることだと思いますが、ベトナムの家族愛は凄まじく強いです。ホーチミンのような大都市では古き良きベトナムの慣習が薄れつつあり家族のあり方も同じくして変化しつつあるようなのですが、ハノイでは(少なくとも私の周りでは)、依然として家族の重要度が高いことを実感させられます。家族が母と姉のみの私にとっては、親戚とのつながりも深く何十人もの家族で旅行したり宴会するベトナムの家族のありかたを羨ましく思う気持ちもある反面、繋がりが強すぎるあまり人生の重要な決定に家族の意見が大きく作用することもあるそうで、物事は一長一短なのだと気付かされます。

・若い!

ベトナムはとにかく若いです。若いというと20代前後や中高生を想像されると思いますが、ベトナムの「若い」は児童です。例えば休日に大きなショッピングモールに行くと、まるで学校のように多くの子供たちが走り回っています。日本では公園で遊んでいるだけで警察や学校に電話が入ることがありますが、ベトナムでは自由に遊ぶことができるため、子供たちにとっては良い環境だと思います。保護者目線から見ても、子供に寛大なベトナムでの子育ては日本よりやりやすいと感じます。私が住んでいるマンションのロビーでも毎日子供たちが走り回り、自転車を漕いだりしています。

 

〈食事について〉

 

ベトナムは美食の国としても知られています。特に日本人にとってハノイの食事は口に合いやすいと思います。なぜベトナムではなくハノイの食事なのかと申しますとベトナムは大きく分けて南部、中部、北部で味付けが異なるからです。例えばベトナムのソウルフードであるPhoを例に挙げると、ハノイのはダシが効いた薄味が主ですがホーチミンではかなり甘い味付けとなっています。実際に南部から北部の山岳地域まで幅広いベトナム料理を食べた私的な感想としてはハノイの料理が最も口に合い美味しいです。その美味しさの一方で、ベトナム料理はヘルシーなことでも有名で実際に肥満体型のベトナム人はほとんど目にすることはありません。ですが、なぜか私はベトナムに来てから7キロ体重が増えました。これは安い美味いのベトナム料理に加え、Grabが大きく影響しています。ご存知の方も多いと思いますが主に東南アジアでは現地の人も観光客も皆Grabという配車アプリを頻繁に利用します。配車に加え、デリバリーもできるGrabではいつ何時であろうと、1時間と待つことなく美味しい料理にありつけます。料理の幅も豊富でPhoなどの麺類も温かいスープが別包装された状態で届きます。日本にいるときは値段が高いため数回程度しか利用したことのないフードデリバリーですが、ベトナムではおよそ二百円程度の配送料で、さらには盛りだくさんのクーポンを利用することで、現地で利用するより安いという謎現象が時折発生します。何はともあれ、安い美味い早くて楽のGrabのおかげでようやく標準体重になることができました。

ご飯ももちろん美味しいのですが、絶対的にお勧めしたいのはフルーツです。ベトナムにはフルーツの王様ドリアンと女王様マンゴスチンが鎮座しており、どちらも必ず一度は試していただきたいです。私自身は元々ドリアンは匂いからして好きではなかったのですが、友人に勧められる度に食べていたらいつの間にかその独特の食感と風味の虜になっていました。マンゴスチンはもう最初から私的フルーツのNo1なので市場で見るたびに購入しています。そのほかにも今の季節ですとライチなどが美味しいです。

東南アジアの屋台で食事をするとき、必ず言われることが氷を利用するなということですが、ベトナムのほとんど全てのお店で氷は氷屋さんから直接購入しているため心配には及びません。実際にこの数ヶ月ビールにしろスムージーにしろ、あらゆるものに氷を利用してきましたが一度もお腹を壊すようなことはありませんでした。なによりも先日家で氷を利用していたときにふと、氷を水道水から作っていたことに気づいたのですが大丈夫でしたので、意外にもいけるのかもしれません。