Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

ハノイ大学
2024年 3月号 国際学部 K.Y

〈現地の学生、友人について〉

 

以前のレポートにも記載したのですが、ベトナムで出会った学生は皆高い学習意欲をもっていました。特にハノイ大学では外国語学習に対しての意識が非常に高く、ほとんどの学生が第二言語もしくはそれ以上の言語を話すことができる印象です。そしてハノイの街を少し歩くとそこらじゅうに英語塾があることに気づくと思います。これらの背景には、ベトナムでは英語をはじめとする第二言語を習得することで就職できる企業や給与がかなり幅広くなることが大きく関係しているようです。これは当然日本でも同じことが言えるのですがベトナムと日本ではその振り幅が大きく違います。2022年段階のJETROの調査ではベトナムの平均月収は4万円弱で年収にすると約50万円ですが、私の周りの第二言語修得者は軽く2倍はもらっている印象です。これは当然地域格差などの問題も大きく関係していますが、いずれにせよベトナムでは第二言語習得の重要性がかなり高いことが理解できます。

ベトナムの学生は「実践」を重視しており、繁華街では英語塾に通う子供たちが外国人に英語でインタビューする姿がよく見られます。また、ハノイ大学では就職活動の際に有利になるため、インターンが必須科目として採用されています。さらに、ベトナムでは日本と異なり、英語試験としてTOEICではなくIELTSが主に用いられています。私の知り合いも大学受験のためにIELTSを受験するのは特別なことではないと言っていました。

 

〈ベトナムにおける韓国の存在感ついて〉

 

日本にとってベトナムは実習生のイメージが強いと思いますが、その反面ベトナムは世界的に見てもトップクラスに経済成長している国の一つです。地政学的に見ても日本にとって重要な国であるベトナムで数ヶ月過ごす中で、肌感覚レベルで韓国の影響力がすごい!と思ったので今回はそれを共有したいと思います。

まず街を少し歩いてみます。トヨタと同じかそれ以上にヒュンダイが走っています。日本と同じくアイフォン利用者が多いベトナムですが、同時にサムスン利用者も多く目にします。そしてハノイを代表する建物であるロッテータワーを皮切りにロッテマートやロッテセンター、そして飲食事業のロッテリアと盛りだくさんです。韓国料理が食べたくなったら本格的なレストランが巨大な韓国人街に軒を連ねています。ハノイにもホーチミンにも日本人街があるのですが、おそらくお店の半数はキャバクラのようなお店です。街を歩いていると実際に韓国の方をよく目にします。JETROの調査によればベトナムに住む韓国人の人数は日本の約10倍の20万人程度で進出企業は日本の4倍の8000社以上あります。旅行者の数も大きく違いがあります。円安の現在、気軽に行ける旅行先として日本でも人気のベトナムですが、2023年にベトナムに訪問した日本人の数は59万人であるのに対し韓国は360万人に達しました。

ベトナム第3の都市であるダナンやリゾート地としてロシアと韓国に特に人気であるニャチャンなどに訪問すると町の至る所で韓国語を目にし、実際多くの人に韓国語で話しかけられます。さらには外貨両替のレート表に日本円が記載されていないお店すらも目にしました。韓国はニャチャン最寄りの空港に直行便を運行しているのに対し、日本からの直行便はないことが大きな要因の一つですが、それにしても地方ですら韓国の存在感の大きさを感じます。

世界を席巻する韓国ブームに加え、こういった背景からベトナムでは2021年に韓国語が第一外国語に格上げされました。日本も2016年から第一言語として学ばれているものの、流行りは日本語より韓国語です。日本と同じく国内経済が成熟している韓国がこのように東南アジアに対してその影響力を増す一方で、日本でよく耳にするベトナムに関するのニュースがベトナム人による犯罪、実習生に対する賃金の未払いやいじめなのは失望すら覚えます。これもJETROによるデータですがこのままの成長速度でいくと2032年にはベトナム人が賃金に関して日本に働きに出るメリットがほとんど失われるとのことです。すでに介護職などではベトナム国内の給与も増加傾向で、既に日本は選択肢から外されることが増えています。

様々な意見がありますが、私は、あらゆる産業で人手不足が深刻な一方で、訪日観光客が増加する観光業界などに対し、ベトナムの若者のような第二言語やそれ以上を取得している人材に対して積極的にアピールする必要があると感じます。このような状況が続けば、2032年を待たずして日本に働きに来るベトナム人の数は減少するでしょう。そのため、両国の意識的な部分の改善に加え、日本の外国人労働者の受け入れ体制を整える必要性があると感じました。