Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

中央民族大学
2019年1月号 経済学部 S.T

今月のテーマはこの留学の振り返りです。

12月の末にすべての授業を終え、もう一カ月以上がたちました。去年の3月から始まったこの約10か月間の留学の間におこったことや経験したことは今までにないものであり、帰国して一カ月経ち以前の日常生活に戻った今からすると、留学中の生活は毎日楽しく刺激もあり、貴重な経験ができたのだと実感します。

前期の振り返り

振り返れば真っ先に思い出すのは、楽しかったことや向こうでできた友人たちのことですが、楽しいばかりの留学ではありませんでした。特に前期は本当につらく、何度も帰りたいと思っていました。当時私は二回生になったばかりで、一回生の頃中国語の授業を受けていたとはいえ週に二回だけで、経済学部生なので内容も決して濃いものではなく、自習の時間は経済学の勉強に費やしていたため、中国語の基礎が不十分なまま留学をスタートしました。不安を抱えて中国に行き、向こうの大学では着いてすぐにクラス分けのためのテストでした。リスニングのテストでは、後の問題になるほど難しくなっていく形式のものであったにもかかわらず、一問目からすでに聞き取れませんでしたし、文法を問われる問題もほぼすべて分かりませんでした。

この時点ではあまり深刻にはならず、クラス分けのためのテストをしたのだから、同じクラスになる人は同じような実力だろうから大丈夫だろうと思っていました。しかしふたを開けてみると、同じクラスの人たちはただ漢字を書くのが苦手だったり、発音に難があるため上のクラスに行けなかっただけで、先生や友人と普通に会話できるだけの中国語能力はあるようでした。同じクラスのはずなのに、私だけ先生の話が聞き取れず、指示されても何をすべきかわからない、といったことがざらにあり、周りの子たちとの会話ももちろんスムーズではなく、どんどん自信を無くしふさぎ込んでいきました。

こういう時に決まって思いだすのは、龍谷大学で留学のための試験を受けた際、集団面接試験があり試験官から留学するにあたって不安なことは何ですかと聞かれたときに、「語学力に自信がなく不安」だと答えたのは私だけで、「語学力に不安はないですが○○が不安です」と答えた人が複数いたことです。落ち込むたびにそのことを思い出し、語学力に不安はないといえるほど努力した人でなければ留学に来てはいけなかったのではないか、自分に留学に来る資格はなかったのではないかと悩みました。そのころにはどうして留学したいと思っていたのかも忘れ、ただただ早く日本に帰りたいと思う毎日でした。

後期の振り返り

夏休みに帰国して気持ちを立て直してから、後期がスタートすると自分でも不思議なくらい気持ちが楽でした。知らず知らずの間に中国語能力が向上していたようで、クラス分けテストも初めての時よりもずっと良くできましたし、新たなクラスでもやはりどうして自分と同じクラスなんだろうと思うくらい中国語が達者な人もいましたが、前期に比べて気を張っていなくても先生の話が聞き取れるし、クラスメイトと中国語で話すことも苦ではなくなっていました。

後期が始まって少ししてから、ちょっとした公園のようなところに行く機会がありました。中国人は踊るのが好きな人が多く、そこでも多くの人が踊っていました。活気があり、人目を気にして自分を抑え込むのではなく、むしろ開放的でダンスがあってても間違ってても楽しければいいといった感じでした。その時に、自分は中国のこういうところが好きで留学したいと思ったことを思い出しました。中国古来の建築物、民族衣装やそこに暮らす人たちの独特なちょっと緩い雰囲気、こういったものが好きでもっと中国を知りたくて留学に来たことを思い出し、中国に来てよかったと実感しました。

そこからは悩みがないわけではないものの、毎日本当に楽しく、中国人の友達もそのほかの国から来た留学生の友達も増えて、たくさん刺激を受けて過ごしました。今留学を考えている人たちの中にも、語学力に不安があるために迷っている人がいるかもしれません。そんな人たちに私が言えることは、細かいことなんて心配しなくていい、語学力なんて時間が解決してくれるのだから、少しでも行きたいと思うなら行けばいいということです。きっとこれは語学力以外の問題についてもいえることだと思います。迷っているならぜひ留学にチャレンジしてみてください。

写真は民族大学からもらった思い出の品と私が住んでいた寮です。