授業について
中国語を専門に学ぶ留学生(語言生)は、”聴力”、”口語”、”写作”、”精読”、そして”閲読”の五科目を履修します。
クラスのレベルや先生の方針に応じて内容は異なるかと思いますが、私の所属する中級クラスでは以下のような授業が行われています。
・聴力
テキストに対応したCDの音声を聞くことで、リスニング力の向上を図ります。本文を聞いた後、文章の内容を確認する設問と、文中の表現に関連した発展問題などをメインに授業が進められます。環境問題などがテーマになるので、聞きなれない単語が多く悪戦苦闘しますが、ニュースを見るときなど日常会話以外の場面で必要な”中国語耳”を養うことができます。
・口語
外国人留学生が登場するテキストを用いて、日常生活で使う表現を学ぶほか、クラス内での討論や簡単なスピーチを通じて、話す力を伸ばします。生活に密着した言葉を扱うので、中国人の友達に言わせると、”きれいな標準語”というよりは”北京の方言”を学ぶ内容になっているようです。
・写作
ライティングの授業です。おもに文法や、文章を書くときの作法などを扱って、週に一回5~600字程度の作文を提出します。”とにかく書いてみる”というスタンスで、自分が興味を持った内容について自由に書けることが多いので、やってみると意外に簡単な印象を受けます。
・精読
文章を単語一つひとつに区切って、とまではいきませんが、正確に文章を読み解く練習をする科目です。類義語を提示して、「この場合どちらを使うのが適切か」というような問題を扱い、より深い理解を促します。先生の意向でその文章の中の一番重要な部分(200文字程度)を暗唱させられます。
・閲読
精読とは異なり、本文を音読する速度で、できるだけ速く読んでいきます。文章のおおまかな意味をつかんだり、キーワードを見つけたりと、効率を重視したリーディングの授業です。中国のテレビには漢字の字幕がついているので、それを目で追うのもよい訓練になるそうです。
カルチャーショックについて
日本で買い物をするとき、たとえそこがコンビニであろうと、高級デパートであろうと、お金を受け取った店員は必ず「ありがとうございました」と言いますよね。私はそれが普通だと思っていたのですが、中国は違います。
客が商品を受け取り代金を支払うと、店員さんは何事もなかったかのように、片手に持った携帯電話(勤務時間中もメールチェックは欠かせません)をいじり始めます。何かおかしいなと思いつつも、私が「ありがとう」と言って立ち去ると、たいていの場合、無視されるか小声で「うん」と返されます。「どういたしまして」と言ってもらえるとちょっとうれしくなります。
気のせいでしょうか、「明日のリピーターなんてどうでもいい、俺たちは全力でいまを生きているんだ!」という彼らの心の声が聞こえてくるようです。
ここで気づいたのは中国では”客<店”の関係が成り立っているということです。おそらくあまりに消費者が多いために、店側がサービスや努力をしなくてもある程度は稼げるということなのでしょう。翻って、日本の”おもてなし精神”は価格に対して度が過ぎているのかもしれません。
日本にいたころ必死でアルバイト店員をやっていた私にとっては、毎日のお買い物がカルチャーショックの連続です。
嗜好品事情
中国では”白酒”と呼ばれる5~60度のウォッカのような蒸溜酒が昔から親しまれていて、町中いたるところで見かけます。学内の食堂もご多分に漏れず、ジュースやビールと一緒に並べられています。
(ただ今のところ、自分以外に白酒を飲む人間を見たことがありません。いったい誰が買っていくのでしょうか・・・ミステリーです)
白酒は500mlで100円前後、ビールは一瓶6~70円と、日本に比べてとても安く買えるので、学生の身分でも毎日飲むことができます。
タバコも売店で普通に売られていて、一般的なもので一箱120円程度で手に入り、しかも喫煙場所などもないので路上喫煙が非常に多く、植え込みなどの物陰には吸殻がたくさん落ちています。これも近年の日本における喫煙環境とはかなり異なります。
それから嗜好品と呼ぶべきかどうかわかりませんが、中国の人は果物が大好きなようです。街の交差点には必ずと言っていいほど、パイナップルやらリンゴ飴やらを売り歩く人がいて、特に若い人たちが買って食べ歩きます。人が多いのでぶつからないように気を付けないと、手に持った果物で容赦ない洗礼を受けることになります。
ほかにもコーヒーが異常に高かったり、マヨネーズが高級品になっていたりと、食文化の違いをいろいろなところで見ることができて楽しいです。