Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

中国人民大学
2011年7-8号 国際文化 H.D

最近思ったこと

中国人の人と買い物に行くと、面白い発見があります。先ずは値段の価値観の違いです。僕はある中国人の友達と買い物に行くと、「それは高いから別のにしよう」とよく注意されます。僕は調理器具と言えば炊飯器位しか持っていないので、安い生ものを買う訳にもいきません。「それじゃあ、いつも何を食べているんだ」と聞くと、調理器具は持っていない様で、毎食食堂で食べている様でした。僕のルームメイトは、今は2人目なのですが、1人目のベトナム人はIHクッキングヒーターや鍋などを持っており、僕の見た所、毎食30円以内には抑えていた様でした。もし、数年単位で中国のような料理の材料となる肉や魚が異様に安い国に滞在する場合、調理器具は揃えておいた方が安上がりですし、「食」に飽きがこないと思います。僕の留学期間は1年なので、炊飯器1つで十分です。(日本人会のパーティーで当てたものですが。)ちなみに、お米は妥協しても5kg800円位です。食堂での1食の相場は大体80円前後で、明かに自炊をした方が安いのですが、外国人と
一緒に買い物に行く場合はなにかと気を遣うことがあります。
そして、面白いのが、税率への認識の違いです。加工した食品と、加工していない食品の値段の差がとても大きいことに疑問を持ち、中国人の友達に聞いてみた所、「税率が何%なのかは分からない。政府が公開しないから」だそうで、物を売る立場の人なら必ず知っていると思い、ネットで調べてみたのですが、はっきりとした数字は出て来ません。中国では毎年、国の税収入が30%以上増加しており、今年も6月分の全国財政収入は10055.76億元で去年の同じ月と比べると、2176.36億元増加しており、27.6%増加しています。調べてみると、この増加は今の発展だけでは考えられない数字で、政府が税率をかなり高く上げているのではないか、という言説が見られます。日本でも、税率を不透明化するかどうかの問題を度々聞くのですが、それも時代に因りけりで、平和な時代なら、時間をかけて誰も傷付かないような措置を取ることが出来るのですが、戦時中など、国が危機的な状態に陥ってしまうと、中国などの集権体制の下で、個人の常軌を逸し
たカリスマ性に頼る方が効果があります。僕は結局、住めば都なのだと思います。
最後に、日本でもよく騒がれている著作権の問題なのですが、確かに、不気味なドラえもんや煙草を吸っているクレヨンしんちゃんをよく見掛けます。中国人の友達には、日本のゲームソフトに詳しい人がよくいるのですが、ゲーム機器を売っている店なんてほとんど見たことがないので不思議に思って尋ねてみると、どうやらパソコンで遊んでいる様でした。ネットで調べてみると、驚いたことに、日本のゲーム機器やゲームソフトが無料でダウンロード出来るサイトが乱立していました。ゲームソフトのデータを起動させるデータを「模擬器」と言い、試しにDSの模擬器をダウンロードしてみた所、処理スピードがかなり遅いので、使い物にならず、4つ目(DSの模擬器の中では最高傑作?)で本来の処理スピードの80%でした。当然、これでは音楽も聴けたものではありません。それに模擬器ではいつでもデータの保存と読み込みが出来るので、ゲームの難易度が格段に落ちます。そして、模擬器にチート機能を付加させる「金手指」というものが当然の如く存在しているので、自分で
ルールを決めてやらないとただの作業になってしまいます。法律のことはよく分かりませんが、漫画やゲームなど、あの膨大なテキストが全て中国語に書き換えられているのを見ると、中国人の執念のようなものを感じます。恐らく、日本の企業ではどうすることも出来ない状況にあるのだと思います。