Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

中国人民大学
2011年7-8月 経済学部 S.E

夏休みの過ごし方

前置きが長くなりますが・・・龍谷大学から交換留学の場合、人民大学へは春学期(2月の終わり)に派遣されることになります。日本や韓国といった一部の国・地域を除いて、大部分の大学は9月からの秋学期に年度が始まるので、6月末の春学期終了とともに、ほとんどの語言生が帰国してしまいます。そのため、私たちのクラスでは、テストが終わったその日からさよならパーティが連日行われることになりました。

最後の最後にようやく話す機会を得たクラスメイトから、「夏休みはウチに遊びにおいで!」と突然素敵なお誘いを受けることもあったりするので、休暇期間中の予定は非常にたてづらいです。

私は諸事情により7月はじめ日本に帰ってしまったのですが、一時帰国中に中国語力が衰えないようにと、近所の中華料理店に入り浸り、店主と中国語でしゃべるという義務を自ら課しました。「半年足らずしか北京に滞在していないのに、さらに日本にひと月も帰ってしまえば、ようやく伸びてきたリスニング力も語彙も、元に戻ってしまうのではないか」ということが、当時の私にとっては非常に恐ろしく思えたからです。

逆に「夏休みの間は中国人の友達のところでお世話になった!」とか、「一人で列車に乗って国中を回った!」というような体験談を以前の留学生の方から聞くと、やはりそういった休暇の過ごしかたが、中国語の上達においては有益だといえると思います。事実彼らの語学力のほうが、一般の留学生に比べ高いような気がしましたし、そのように過ごせるということ自体、一種の適性なのかもしれないと感じました。

 

閑話休題、その間大学へ足を運んで、担当の先生と今後の学習計画について相談に乗っていただいたり、半年ぶりに日本の友人に会ったり、帰省してみたりと、いろいろやることは豊富にあるのですが、やはり気になるのは中国語の空白期間のことでした。

なるべく留学中に知り合った友人とメールやチャットで連絡を取り合ったりして、中国語に全く触れない日を作らないよう極力気を配ってはいましたが、実際のところ夏休みの間中国国内で過ごした同期のほうが語学力も向上していたように感じます。

 

さて一か月ほどしてから北京に戻ったのですが、人民大学に残っている学生はわずかで、ほとんどが帰省や旅行のために出払っていて、これはこれで孤独な日々を過ごすことになりました。

せっかくの空いた時間なので、前学期の復習やHSK(漢語水平考試)の勉強に当てたかったのですが、ルームメイトの引っ越しの手伝いや、そのお祝いをしたりと何かと雑事に追われ、思うさまはかどりませんでした。

そうこうしているうちに、同期の交換留学生が8月末ころ上海に集まることになり、私も同月20日から上海に向けて旅立ちました。

じつは今まで北京を出たことがなく、今回が留学中初めての大旅行だったので、何かと心配はあったのですが、友人や日本人の先輩に助けてもらいながら、何とか上海行きのチケットを手に入れることができました。

すでにほかの留学生が書いているかと思いますが、こちらでの移動手段は、飛行機はもちろんのこと、特に列車(汽車)の種類がいくつかあります。直通なら一番安いものですと、上海まで片道14~5時間の特快です。(シートの質や寝台かどうかによって値段が分かれますが、大体200~500元)ほかにも同8時間程度の動車(300元~)などがあり、目的や予算に応じてチケットを買うことができます。

しかし、私にとっては初めての長旅、さらに時期が夏休みということで、安いチケットは軒並み売り切れていたので、結局最近開通した高速鉄道に乗ることにしました。北京から上海まで5時間弱で、座席も“そこそこ”といったところです。

これがこの当時日本でも話題になった「和諧号」です。日本をはじめとする、海外からの技術提供によって完成したにもかかわらず、中国政府が独自開発を謳ったり、その直後大勢の方が亡くなる悲惨な事故を起こしたりと、何かといわくつきの列車です。

ごく平均的な中国人に言わせれば、「恐ろしくて乗れたもんじゃない」とのことでしたが、いざ席についてみると以外にも満席に近い様子で、正直なところ少し驚きました。富裕層のファミリーといった感じの乗客が多く見受けられ、みなさんこの列車に乗ることを楽しみにしている様子でした。

上海に無事ついてからは、有名な観光スポットを2日で回ってしまったので、意外と時間があまってしまいました。なので後半は宿の近くをうろうろしたり、現地の人や商店のおばさんと世間話をしたりして過ごしました。こちらでは同じ中国語でも上海語という方言が主流らしく文字の読み方、声調、使う単語の種類などに違いが見られました。このことは中国語を学ぶ上でとても興味深く感じるとともに、「正確に普通話を話さなくてもじゅうぶん通じるんだな」という妙な納得にもつながりました。

師範大学の近くで同期の留学生たちと久しぶりに会ったり、はじめて現地人と口論をしたり、観光地では上海人に間違われて道を何度も聞かれたり、そうかと思えば外国人と見破られて美人局の被害に遭いかけたり(今回はセーフでした)、いろいろと面白いことが起こりましたが、それはまた機会があれば書こうと思います。

もうすぐ2学期目に差し掛かるので、いままで以上に有意義かつ楽しくやっていきたいです。