Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

中国人民大学
2023年10月号 文学部 S.N

「生活環境について」

 私は中国人民大学の留学生寮の1室に住んでいる。留学生寮は2人部屋か1人部屋があるが、私は1人部屋に住んでいる。北京の冬はマイナス10度ほどまで下がるので、冬場は建物全体に張り巡らされたヒーターパイプによって寮や教室は建物全体が暖められるので薄着で過ごすことができるほど暖かい。私が通う人民大学を含め中国では一般的に学生は皆キャンパス内にある寮で暮らすのでキャンパス内で生活ができるように大抵のものは揃っている。日本の大学にあるような施設、例えば図書館、食堂、体育館、陸上用のトラック、サッカーコートなどはもちろん、生活するのに必要なスーパーやコンビニ、病院、携帯ショップ、郵便局、銀行などもある。他にも、ジム、多種多様なレストランやカフェ、パン屋さんやバーなども揃っている。日本と異なることの1つに町のいたるところにフルーツ屋さんがあることが挙げられるが、キャンパス内にもある。日本よりもフルーツの価格が低く、種類も豊富なのでフルーツ屋さんはいつも賑わっている。キャンパスはとても広いので、移動の際は共有自転車を使うこともできる。このようにとても便利でほとんど困ることはない。ただ、食事については、自炊をしやすい環境ではなく健康的な食事をとることが難しいと感じることがある。食堂では1食150円ほどで食べることができるが、日本人の私にとっては味付けが濃く、また脂っこく感じる。自分で野菜や肉を買って料理をすると1食800円ほどかかってしまう。自炊以外には、出前を取るという方法がある。日本よりも安く、商品も豊富なので気軽に使うことができる。料理はもちろん、スーパーでの買い物や薬を代行して購入し届けてもらうこともできる。食事内容の問題については今後も工夫しながら生活したいと思う。中国に来てから2ヶ月が経つが、中国の銀行で口座を開設した後は支払いに関する問題がほとんどなくなるので、生活は限りなく便利であり、むしろ日本よりも生活環境は整っていると感じる。ただ、この支払い環境を整えるまでにとても労力を費やした。このことについては以下で詳しく述べようと思う。

「中国での支払いに関して」

 広く知られているように中国ではQRコード決済が一般的であり、街中で現金はほとんど見かけない。生活するには「WeChat」か「Alipay」でのQRコード決済ができるようにならなければ非常に不便だ。現金だけでなく、場合によってはクレジットカードやデビットカードでの支払いさえも受け付けてくれない店もあるからだ。ではこの2つのアプリで支払いを可能にすれば困ることは何もなくなるのか?その通りだ。しかし、私の場合そう簡単にはことが運ばなかったのである。私はこれらの決済アプリとクレジットカード(全世界で使用可能なものを日本で作った)をこれらの決済アプリに紐付けようとしたが運悪くできなかった。中国製のものでないカードの場合、決済アプリ会社の審査に通らず紐付けを拒否されることがあるらしい。そこで日本から中国留学に来たことや、生活のために紐付けを許可してほしいといった内容を伝えることで条件としていくつか求められた情報を提示することで紐づけることに成功した。しかし、今度はクレジットカード会社から、突然海外で決済が行われたので不審な取引と見なされ支払いを拒否された。クレジットカード会社に連絡し、本人確認をすることで解決したがシステム上実際にカードが使えるようになるまで数日かかるとのことだったのでその数日はとても長く感じた。最後は中国にある銀行が発行したカードでないと決済ができないお店があると言う問題だ。これを解決するには中国で銀行口座を開設するしかない。この口座開設自体は難しくないのだが必要書類の中に居留許可証という取得に時間を要するものがあったりしたためこの最後の問題を解決するまでに1ヶ月以上かかった。しかし、この過程を経て私はとても便利な生活を手に入れた。もちろん普段の生活での支払い、さらにネットショッピングや、出前、タクシー、共有自転車の使用、なんでもできるようになった。コロナウイルス感染拡大の影響で今年4年ぶりに交換留学が再開されたが、この数年の間に様々な変化があり以前とは変わっている部分もたくさんあったようで手探りの留学生活となったことは事実だ。ただ、様々なトラブルに見舞われることで、問題を解決するために中国語を使う機会が増えたり、積極性やチャレンジ精神が鍛えられたのは確かなので結果的に私にとっては良かった。何より最初は不便だったが、自分が積極的に行動することでどんどん生活が良くなっていくことを実感できたので達成感があった。中国に来てから状況をよくしようとに積極的に動いたり、自分の要求をどう伝えれば人は動いてくれるのかということを考える機会が増えた気がする。少しずつ思考力とコミュニケーション能力をあげ、帰国後はそれを自分の強みとして活かせればと思う。