Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

中国人民大学
2023年12月号 文学部 S.N

「治安、危険を感じたこと、トラブルについて」

 中国に来てからの4ヶ月ほど、小さなものも合わせると本当にたくさんのトラブルにあった。ただ、身の危険を感じるようなものはほとんどないので治安は割と良いのではと思う。私のいる北京では現金を使う人はほとんどいないのでそれに伴いスリなどの被害も激減しているのではないかと予想する。また、日本よりもセキュリティチェックゲートのようなものが目立ち、そこでは荷物検査と身分証明書の提示が求められるので、これもまた犯罪の抑止になっているのだと思う。日本での生活に慣れている私にとっては監視社会だなと感じることも多々あるが、良いか悪いかはともかく治安への効果は大きいと感じる。私たち学生が日常生活の中で最も気をつけるべきは、タクシーに関連したトラブルだ。タクシーの運賃が安いので頻繁にタクシーに乗る機会があるのだが、いわゆるぼったくりには気をつける必要がある。私も2度ほど失敗している。ただ、このトラブルを避けるのは簡単だ。いくつか有名なタクシーのアプリがあるがそこに登録されたタクシーをアプリ経由で呼べばよい。道順や料金を事前に知ることができるのでぼったくられることはまずない。中国に来たばかりの頃銀行口座を開設しようとした時、中国語のレベルが低いために口座開設の目的がうまく伝わらずなかなか作らせてもらいないということがあったが、そのような小さなトラブルを除き、少なくとも留学生が普通に生活を送る程度では日本と大差ない治安だと感じる。

 

「コミュニケーション方法の違いについて」

 スマートフォンの普及と同時に日本ではLINEなどのチャットアプリも普及し、現在ではほとんどの人が利用している。中国でも同じように日常生活の中でWeChatを用いてのコミュニケーションが活発である。これらのアプリの機能はほとんど変わらないが、中国人と日本人の間で使い方が少し異なる部分があるなと感じたので今回はこれをテーマにしようと思う。さて、その違いとは音声メーセージ機能を頻繁に使用するということである。日本では連絡やチャット内の会話で音声機能を日常的に使う人は私の周りには全くいなかったが、中国に来てから中国人とやりとりする中で度々音声でメッセージを受け取ることがある。ただこれに対して不思議だとは全く思わず、中国人らしいと感じている。というのも、中国では日本に比べて人々が周りの目を気にして恥ずかしがったりすることが少なく、シンプルに効率良くことを済ませることに重点が置かれていると普段から感じているからである。タクシーの運転手、荷物の配達員との電話でのやり取りや、たまたま隣にいた人に周辺の情報をたずねるなど面識のない人と言葉を交わすことが日本より圧倒的に多い。普段からこのように生活している彼らにとっては、文字で入力するよりも音声メーセージで送る方が効率的であるし、日本人のように周りの人に聞かれることが恥ずかしいといった感情や、音声を送るということ自体に抵抗感があるといったこともないのではないか。このような国際間の違いはこれ自体は些細なものに感じるが、様々な他の事柄にも深く関係していたりすることもある。とても興味深いのでこれからも目を向けていこうと思う。