Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

中国人民大学
2024年1月号 文学部 S.N

「日本から持って来て良かったもの、いらなかったもの」

 まずいらなかったものについて。北京での生活で入手できないものはほとんどない。生活用品や食品などもインターネットで購入することができる。なので、出国前に心配していたような歯磨き粉や洗剤や化粧品、日本食などはほとんど持って来る必要はないと感じている。ただこれらのものは、日本で普段から使っていたものに私は強いこだわりがある。その点から見ると、入手できても価格が倍ほどするのでこだわりのある日本製のものは多めに日本から持ってきたらよかったなと感じた。薬もほとんど持って来る必要はほとんどない。私は薬には特にこだわりがないので、中国に売っているものを使うことに抵抗がないということもあるが一般的に売られているような日本製の市販品は中国でも購入することができ、困ることがない。ただ、薬に関しては使い慣れたものを日本から持って来るのが安心だということは言えるのでいらなかったと断言はしない。

 次に、持ってきて良かったものについて。これは1つ、日本語で書かれた本・教科書である。これは本当に入手が難しい。私のように電子書籍ではなく紙が好きな人は日本で購入して持ってくるのが良い。私は出国時点ではまだ初級レベルの中国語だったが上級レベルの単語帳もあらかじめ購入して持ってきたのだが、良い判断だったと感じている。紙媒体の書籍は航空会社の重量上限などのことを考えると持ってくるのをためらってしまいそうだが、服などこちらで購入できるものは最小限に抑えてでも迷ったら持ってくるのがよい。私が中国に持ってきたのは教科書のみだがお気に入りの小説なども持ってくれば良かったと思う。

 

「生活の中で感じる中国人の素直、ありのままについて」

 こちらにきてから習慣の違いで驚いたことの1つを紹介しようと思う。中国風メイクといえばどのようなものを思い浮かべるだろうか。近年SNSを通して日本でも人気が高いが、それはいわゆる厚化粧といった感じの印象である。このようなメイクを皆がしているのだろうか。これは一方では「ノー」一方では「イエス」である。「ノー」というのは毎日このようなメイクを皆がしているわけではないからだ。私たち日本人は出かけるときは多くの人が必ずメイクをする。仲のいい友達と会うときや、ちょっとした買い物に行くときでも基本的にメイクは欠かせない。それに比べて中国では、日常生活ではいわゆる「すっぴん」も当たり前のようだ。特別な日、「今日はメイクをして気分を上げよう!」という時にメイクをする、そのような感覚のようである。私はここに日中間の自身に対する心のありようの違いを感じた(あくまで傾向ということは前提として)。時代の流れで変わってきているとは思うが、日本人はメイクをせずに人と会うことを恥ずかしい、相手に失礼だとまで考えるようなところがある。中国ではメイクをせずに出かけることに抵抗がない人が大半で、その様子を見て「私の顔はこれなのだから恥ずかしいなんてとんでもない」と言われたような気がして、静かに感動した。もちろん中国人もメイクは大好きだ。友達が言うには「毎日メイクはしないが、するときはとことんする。せっかくメイクするのだから、バッチリしないと気分上がらない。」という考えらしい。これで中国風メイクが濃いことにも納得がいった。ありのままの自分を知った上で、そしてその自分を素直に表現できると自信を持って言える状態でさらに道具(今回の話の場合メイク)を用いて自分を表現することを楽しむということの大切さに気づいた気がする。この順番がくるえば、道具に依存したり、本当の自分を表現することが苦しくなってしまったりしてしまうかもしれない。この気づきは案外大切であるような気が私はしている。