Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

東呉大学
2017年10月号 国際学部 J.Y

カルチャーショックについて

台湾が日本と同じアジア圏の国ということもあり、気が滅入るほどまでに衝撃を受けるような文化の違いを感じたことはありませんが、ちょっとした気づきや違いはあります。トイレの使用に関して、この前日本の友達が台湾に遊びに来てくれた際に僕に話してくれたことで気づいたことがありました。台湾ではトイレットペーパーを使用した後、トイレに流しません。トイレの横に置かれているごみ箱に捨てるのが一般的です。紙をトイレに流してしまうとほとんどの確率で詰まってしまうので、注意が必要です。半年以上台湾にいる僕はそのことに慣れていたので気がつかなかったのですが、その友達は初めて台湾に来たということもあり、トイレを使用する際に少し戸惑ったという風に話していました。もう一つは食べ物に関してですが、台湾では提供された食べ物を最後まで食べきらずにお店を出る客をよく目にします。店員もそれには慣れているらしく、皿を回収する際に食べ残しがあってもそれほど驚くことはありません。また、レストランなどで食事をしていると店員は客の食事の様子を常に伺っており、客が料理を食べ終わるやいなや、皿をすぐに回収していきます。店員が皿を回収するのは普通のことなのですが、日本では何品か料理を頼んだ場合、大体の料理を食べ終え、一段落したところで店員が客に皿を下げる必要があるかどうかを確認した上で回収していくというのが普通だと思います。ですが、台湾では、客がまだ食べ終わっていないと思っている(完全に空き皿になったわけではない、トッピングや少しの具材が残っている)場合でもおかまいなく皿を下げていきます。単純に皿の数が不足しているのか、店員の性格の問題なのかはわかりませんが、たまに台湾で食事をしているとせわしないなと感じることがあります。ですが、これはすべての店に当てはまることではないのでそれほど心配することではないかと思います。カルチャーショックというとマイナスなイメージが浮かびますが、その文化独特の事柄を発見できたという風にポジティブに捉えることができたら楽しいかもしれないですね。

 

台湾の中秋節

今回は台湾の「中秋節」についてネットで調べたことと合わせて紹介したいと思います。台湾など中華圏では旧暦8月15日が「中秋節」と呼ばれる日で、満月を鑑賞しながら家族で過ごすのが一般的とされています。台湾では、「中秋節」の日は祝日となっていて、新暦で言うと10月4日がその日にあたります。日本では、「十五夜」、「お月見」などと呼ばれていますが、それほど大きいイベントではないかと思います。しかし、台湾では、満月は家族団らんの象徴とされているので、「中秋節」の日には、普段は家族と離れて暮らしている人も里帰りします。「中秋節」のイベントとしては、

①月餅を食べる ②BBQをする ③柚子を食べる ④月を鑑賞する と大きく4つあります。

月餅(げっぺい)というのは、「中秋節」に食べられる伝統的なお菓子の一つで、満月を表した丸型をしており、中にはあんこがはいっています。これは実際僕も食べましたが、美味しかったです。現在は様々な種類の月餅が販売されており、中身や味もお店や製造会社によって異なるそうです。また高級ホテル・パン屋などが、伝統的な月餅以外に「スイーツ月餅」を発売していたりと、そのバリエーションはますます豊富になっています。そして、もう一つがBBQです。その昔、台湾の焼肉のタレ製造企業が「中秋節には焼肉!」と宣伝してから、その風習が広まったと言われています。なので、「中秋節」にBBQ(焼肉)というのは、中華圏全体の文化ではなく、台湾独自の文化のようです。実際僕が「中秋節」の日に外を歩いていた時、いたるところでBBQを楽しんでいる人たちを見かけました。公園でBBQを楽しむ人、家の前の歩道や道路脇でBBQを楽しむ家庭など様々でした。初めて「中秋節」を経験する僕にとってはとても目新しい光景でした。僕もその日は台湾人の友達に連れられてBBQをしました。というのも、台湾人の友達が住んでいる地区で「地区の集いBBQ」のようなものがおこなわれていたので、それに参加しました。当日その地域は各々にBBQを楽しむグループがいたり、屋台がいくつか並んでいたりと祭りのように賑わっていました。一からBBQを準備するのは大変だということで僕たちは台湾人の友達の祖母がその地区の地区長と知り合いだったことから、地区長の家族グループに混ぜてもらうことになりました。混ぜてもらうといっても、台湾人の友達でさえ面識のない地区長家族グループと共にBBQするというなんともミステリアスな時間を過ごしました。日本では絶対にありえない展開で最初は笑いと動揺を隠すのでいっぱいでしたが、地区長グループの方々のフレンドリーさや、台湾のそういった自由さを満喫しながら、最終的にはいい時間を過ごせたなと感じました。また「中秋節」には柚子を食べるという風習もあり、食べ終わった後には、柚子の皮で帽子を作り、子供の頭に被せ、幸せに暮らせるように願うのだそうです。「中秋節」に柚子が食べられる理由としては、柚子の時期が「中秋節」の時期と同じであること、「柚子」の発音が「佑子」(神の御加護があらんことを)という単語と発音が同じだからだそうです。そして、「中秋節」本来の目的である月の鑑賞ですが、台湾人の中には里帰りをして家族と時間を過ごしたり、友達同士で熱い話をしたり、カップルで夜景を見に行ったりとそれぞれが様々な楽しみ方をしており、素敵だなと感じました。もし留学や旅行でこの時期に台湾に来ることがあれば、ぜひこの台湾の「中秋節」の雰囲気を味わってみてほしいです。

「中秋節」に食べられる月餅

スターバックスが販売する「フルーツ月餅」

BBQの様子 舞台では演者がダンスを披露している