・この1年を振り返って
やはり中国語の能力が格段に上がったと思います。中国に来たばかりのころは、相手が言ってることもわからないし、自分が言いたいこともはっきりと伝えられませんでした。しかし今では相手の言ってることも大体聞き取れ、簡単な言葉ながら自分の意思も伝えられるようになりました。当初中国人と話す際、変に緊張してしまっていたのですが、最近はそのような緊張もなくなり、逆に自ら進んで中国人と会話するようにしています。それが中国人学生であれ、宿舎のおばさんであれ、食堂の店主であれ、言葉が通じてお互いに笑い合えることは何事にも換えがたい喜びです。ただ中国語の能力は確かに以前と比べ向上しましたが、やはりまだまだ未熟だと感じます。
それから積極性が増したと思います。何でもこちらから行動しないと事は進みません。また間違っていることは間違っているとハッキリ言うことも必要です。中国の人は日本人に比べてやはり、いいかげんです。理不尽なことがあっても妥協するのではなく、相手にしっかり注意するようになりました。
・帰国後の予定
帰国後はすぐに就職活動が始まります。しかし私は中国で就職することや中国語を活かした仕事に就こうとは別に考えていません。中国で就職し中国で生活していこうとも考えていないし、中国語を使って責任ある仕事ができるほどの中国語レベルに私はまだ達していません。
ただこの1年間の中国での体験は自分の人生の中で非常に大きな財産になりました。この留学では中国語以外にも多くのことを学ぶことができました。中国や他国の人たちの価値観、彼らの人生観、彼らから見た日本像など日本にいてはなかなか聞くことができない話などもたくさん聞くことができました。また他の日本人留学生との出会いも自分にとっては大変貴重なものになりました。会社を辞めて留学に来た人、定年を機に留学に来た人、人生を変えたくて留学に来た人など様々な年齢・経歴・考えを持つ人たちと出会ったことで、それまで狭い範囲でしか人生を考えられなかった自分の考えが大きく広がったように感じます。
そして中国という国についての考えを改められたと思います。今日本では中国に対して良い感情を持っている人は少ないと思います。確かに日本で報道されているような中国像も存在します。でもそれがすべてではありません。
日本で報道されているインパクトの強い中国のニュースはどれも一部分であり、中国全体のことではありません。例えば私が中国で生活している上で反日的なものに遭遇したり、日本人だからといって嫌な思いをしたことは一度もありません。むしろ外国人だからといって好意的に接してくれる人も大勢います。中国で暮らすことによってリアルな中国の姿を見ることができました。
この留学で人間的にひと回り成長し、自分の考えを大きく広げることができました。またこの1年間で体験したこと、知り合った友人や数々の出来事は私の誇りです。この誇りを胸に帰国後就職活動を行い、そして社会人として歩んでいきたいと思います。
・おすすめ料理店
よく利用する大学近くの料理店を紹介したいと思います。
「東北人家」
中国東北地方の料理がメインのお店です。大学の付近にはいくつかの東北料理のお店がありますが、この東北人家はたくさんの留学生が通うことで有名です。上海の人はあまり東北料理が好きではないそうなんですが、外国人、特に韓国人の口には東北料理が合うそうです。特にこの店の「锅包肉」は大人気です。アジア人学生だけではなく欧米の学生もよくこの店に来ています。店主がとてもいいキャラをしています。留学生が良く来るためか、いろんな国の言葉を覚えているようです。
「兰州拉面」
中国の蘭州の料理をモチーフにしたと思われる料理店です。この店はどうもチェーン展開してるらしく、上海のいたるところに存在します。値段が非常に安く、味もおいしいので、ほぼ毎日のように通っています。蘭州はイスラム教徒が多く住むところなので、料理にも豚肉は一切使いません。従業員たちの顔も漢族とはどこか違った、アジアとヨーロッパの中間のような顔つきをしてるので、店内は少しだけエスニックな感じです。
「肯德基」
肯德基とはケンタッキーのことです。上海ではケンタッキーは非常にポピュラーでマクドナルドに勝るとも劣らない存在です。ただケンタッキーのメニューは日本のものとはまったく違います。おなじみのフライドチキンに加え、丼のようなご飯ものがあり、サイドメニューにも中国人の好きなエッグタルトなどがあります。早朝にはなんとお粥まで売っています。ケンタッキーだけでなくマクドナルドにも中国独特のメニューがあるので、日本のメニューとの違いを楽しんでみてもいいと思います。