Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

上海師範大学
2015年3月号 国際文化学部 M.K

・  オリエンテーションについて

到着して2日目に学校への登録手続きとクラス分けテストがありました。筆記テストのようなきっちりしたテストではなく、中国語がどのくらい聞き取れるか、教科書がどの程度読めるかを一人一人に対して先生が判断するようなものでした。5日目に行われた“典礼”いわゆる入学式までの期間は、午前中に学校へ用事があり、午後はみんなそれぞれ生活するための準備をしたり、近くを散策したりしていました。そして、入学式で初めて新入生が全員集まり、全体でみると、韓国人が一番多く、次いでインドネシア、日本、アフリカ圏、その他の国という順に多い印象をうけました。先生方は、皆優しく丁寧で、入学式のあとには今後の中国での生活における注意を聞きました。そこでは英語も交えて丁寧に説明してくれたのでわかりやすかったです。そのあとキャンパスツアーがあり、日本語が話せる中国人の学生が、多くの日本人留学生を案内してくれました。そのときに日本人同士での交流ができ、情報交換などができるいい機会になりました。日本からの留学生のなかには学生の他に大人のひとも少なくなく、みんな個性的でおもしろいひとたちでした。また、わたしは学校から徒歩5分ほどの寮に住んでおり、2人部屋でルームメイトがフランス人、彼女はインターンシップで上海にきているため週末しかスケジュールが合わないので普段は韓国人の友達と共同キッチンで一緒に料理を作ったり、できるだけ中国語を使う機会を増やしながら毎日充実した生活を送っています。

 

・  中国人にとっての公園の存在

わたしが中国にきて面白いと感じた場所は公園でした。日本で公園と聞くと基本的には子供たちが遊具や砂場であそぶ場所ですが中国の公園は日本と違います。公園内には庭園や、池、ミニ遊園地があったりと基本的に規模が大きい。そして子供たちというよりお年寄りが多く集まり、健康のため運動する場所でもあり憩いの場所でもあります。朝7時から8時、また夕方の5時から夜にかけて人が特に多く集まり、それぞれ太極拳、中国武術の練習、ダンスなどをします。たくさんのひとが健康のためにしているそうですが、将棋やカードゲームをする人もいて本当に楽しそうに大人たちが交流しています。

また、わたしが公園で遭遇し面白いと感じたことがあとふたつあります。ひとつは、公園内に両親が集まり自分の子供の結婚相手を探すイベントが開催されていたことです。紙に子供の年齢や年収などをかき本人ではなく親がそれらの紙をみて縁談を決める。このイベントでは本当に多くの人が集まりかなり賑やかな空間でした。

もうひとつは鳥を公園に連れていき外で鳥を鳴かす、という遊びがあることです。この遊びは昔から存在するものであり、“遛鸟”(リュウニャオ)とよばれます。鳥をびっくりさせないようにカゴに布を巻いたまま公園や茶館を目指して散歩し、また散歩の時にカゴをゆっくり揺らすと鳥の脚力が鍛えられるとか。公園内の木の枝にカゴを吊るして布をめくり、他の鳥と自分の愛鳥を交流させる。飼い主同士も会話に花を咲かせ、鳥も人間も楽しい時間を過ごすというものです。

このように中国人にとって公園は健康促進の為の場所でありながら人と人が交流する一つのコミュニティーの場となっています。たとえ知らない人が突然隣で踊り始めても一緒に楽しむことができる、そんな中国人の飾らない、陽気な性格は日本にいると感じることができないものです。多くの人がいつでも気軽に参加できる公共の場所があることは市民にとって刺激のある毎日になっているはずだと思いました。