Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

エクス=マルセイユ大学
2024年6月号 国際学部 S.N

①この留学を振り返って

去年の8月末から留学が始まり、早9ヶ月以上が経ちました。初めの頃は、カルチャーショックや自分の語学力の低さ、母国語以外でのコミュニケーションの難しさを痛感し、それと同時に日本の良さ、過ごしやすさが浮き彫りになり、帰りたいと何度も思いました。また、日本で体調を崩すことは滅多になかったのにも関わらず、人も気候も言語も違うことにストレスを感じ、体調をよく崩していました。この時、日本から多めに薬を持ってきておいて本当に良かったと感じました。フランスで過ごしていくうちに、カルチャーショックに慣れフランス語でのコミュニケーションにも少しずつ慣れ(最初から最後まで難しいと思ったままでしたが)、少なからず「フランスでの生活」に慣れを感じてきました。日本人の視点から見る、フランス人の適当な仕事の仕方にはいつも驚かされましたが、日本と全く違い興味深いと思える余裕まで出てきました。「よくこれだけ手を抜いて社会が回るな」と思うこともしばしばでしたが、逆に、仕事において頑張りすぎる必要はないし、日本人は日々仕事で神経をすり減らしすぎているという考え方に行きつきました。フランスの大学は休みが多いため、いろんな場所に旅行しましたがエクサンプロヴァンスに帰って来るごとに居心地の良さを感じ、いつからかホームになっていました。この留学を通して、日本を出て世界を見ることでいかに今までの自分の生き方、考え方が狭かったかを感じることができました。フランスに来ることで様々な人種、考えの人と関わる機会ができ、視野が広がり、また、自分の意見をしっかり持つことの重要性も感じました。さらに、頑張った分だけ語学力が伸びることも実感しました。最後になってもっと頑張れば良かったという後悔もありますが、この10ヶ月は語学力を伸ばすためだけではなく、どっちかというと世界を知って自分の立ち位置を知るための人生経験という捉え方の方が大きかったように感じます。貴重な経験ができたことには間違いないので、留学の決断をした自分や、それに向けてサポートしてくださった周りの方々、現地で関わった全ての方々に感謝しています。

②留学経験をどのように活かすか

私は大学から第二言語としてフランス語を勉強し始めて留学をしました。大学に入学した時は「在学中に留学できたらいいな」と軽い気持ちで思っていましたが、入学した年にコロナの影響で授業が全部オンラインになったり、留学に関して渡航が制限されたりと思い描いていた最後の学生生活とはかけ離れた生活をせざるを得なくなりました。最初は行きたいと思っていた海外も、コロナの状況から不可能と判断し、在学中の留学は一度諦めていました。しかし、思った以上に渡航許可が降りるのが早く、自分の中で留学が再び見えてきました。そこから、DELFというフランス語の試験を受け、龍大の交換留学に応募し、エクス=マルセイユ大学への留学が決まりました。この過程で、コロナの心配がなくなったからといって完全に不安が除去されたわけではなく、大学から始めた第二言語で挑戦するという、自分の語学力に関しての不安は消えませんでしたが、そんな時こそフランス語の楽しさに触れること、話せた時の自信や感覚を思い出すことでポジティブ思考に持っていくことができました。したがって今後、当時の私のように留学に対して躊躇している、不安に思っている龍大の後輩達の背中を押せる、サポートができればと思うようになりました。また、約10ヶ月という期間をフランスで過ごし、肌で感じたフランスの素敵な雰囲気、フランスにあり日本にはない良さを、あまりフランスについて知らない人々に伝えられるような取り組みをしたいと思っています。