オリエンテーション
オーフス大学は留学生のために10日ほどのオリエンテーションを実施しており、前半と後半に目的が分けられます。前半は大学の紹介です。図書館の使い方やこれから行われる主な行事の紹介、クラスの形式や成績評価の方法といった、大学生活を過ごすうえで必要な説明を受けます。後半は留学生同士の交流のきっかけの場となるイベントです。ゲームをしながら広いキャンパスを散策する”Explorer Day”や、オーフス大学の生徒が運営する団体と交流する”International Student Fair”といった行事が多数盛り込まれています。
10日あるオリエンテーションに出席し、とくに重要だと感じたのは、CPR登録の日と授業説明会です。
CPRとはデンマークに居住するうえで必要な番号であり、口座の開設や病院の受診等で必要となります。CPR登録の日とは、この手続きを大学側が協力してくれるというもので。この日を逃すと本人が直接移民局に出向き、登録に数週間ほど待つ必要があります。図書館の利用の際もCPRの提示を要求されますので、調べ物をするうえでも不便です。
また今年は留学生が提出した授業申請がキャンセル、または時間が被るという事案がが多かったようです。私自身ポータルを確認した際、2つ登録した授業が抜け落ち、チューターに代わりの授業を探していただきました。オーフス大学は一回目の授業が始まる前から課題を提示する授業が多いので、自分のポータルサイトを逐一確認し、不備があった場合は期間中に実施される授業説明会、またはそれよりも早い段階でチューターに相談する必要があると思います。
質問・グループワーク
オーフス大学の授業を受けて印象的なのが生徒の授業に対する積極性です。オーフス大学の生徒は概してすぐに質問、あるいはコメントを発します。10人以下の小人数制の授業の場合、ほぼ全員が複数回にわたり自発的に情報を投げかけるポテンシャルを持っています。
またほとんどの授業が、かなりの時間をグループワークに割き、皆で課題に取り組んでいます。日本の大学の授業でもグループワークはありますが、発言する生徒としない生徒の差は歴然であり、議論が成り立たないこともしばしばあります。むしろ出る杭は打たれると言わんばかりに発言すると悪目立ちしそうという空気すら感じます。オーフス大学の授業はむしろ逆で、発言しない生徒が悪目立ちし、とても居たまれない雰囲気になります。
最初の数週間は相手の発言の内容を理解したうえで意見を言おうと試みましたが、第二か国語であるはずの英語をネイディブ並みにあやつる生徒たちについて行けず、趣向を変えました。
最近はディスカッションが始まった瞬間に誰よりも先に、とりあえず一言でも自分の意見をひねり出すよう努力しています。相手に先を越されて発言されるともうほとんど理解できないからです。つたなくとも先手を打てば会話の内容がわからなくなる前に自分の意見が言え、そこをベースに話の流れが予想しやすくなり先回りできるようになります。またディスカッションが新しいテーマに移るたびにこれを繰り返せば、総合的に発言の回数も増えます。
最初の数週間は声を出すことすら躊躇してしまいがちですが、これから留学する生徒はなるべく早い段階で、自分なりの発言する術を見出してほしいと思います。