この一年を振り返って / 留学の経験を今後どう生かすか
私はこの一年の留学プログラムをを振り返って、“学ぶ”とは何か、という問いを改めて考えさせられました。一般的に日本においての大学は、入学した後は比較的卒業しやすく、学生は大学は遊ぶところと一部は認識しており、教授も半ばそれを踏まえたうえで講義を行うので、とりわけ文系の学部は社会に出たら使えない、学生のためになっていないとよく言われます。文学部廃止の案が日本政府から提案されたことが状況を如実に物語っています。よって学生は経済学部や理数系学部、TOEICやSPIといった実用的な資格、言い方を変えれば社会貢献度の高く企業の即戦力となるような内容を学習することを好まれ、最終的に大学の教育内容が偏り、教育水準が低下するという悪循環を生んでいます。学生個人の人格的な向上を度外視した教育方針を現在の日本の政府は提案しています。
一方、私が留学したデンマークにおいて実施されている教育方針は、まずは学生のため、学生の知的好奇心を満たすためにあるというスタンスのもとに成り立っており、よって学生たちの学習意欲はとても高いです。自発的に学習するため必然的に教育レベルは高くなり、高いからこそ大学卒業という社会ステータスが高く評価され、就職活動という概念すら存在しないため学生の負担は軽減され、結果的に個人だけでなく社会や国にも還元されるという良いスパイラルをデンマークの教育は実現させています。デンマークの“勉強する”は“学ぶ”または“探究する”です。私はこの似ているようで全く違うこの二つの意味をしっかり吟味し、しっかり胸にとどめ、大学を卒業した後も自分の人生を幸せなものとするために“探究”を続けて行きます。