カルチャーショック
パーティー開催の頻度とその熱烈さが日本の学生生活では考えられないと思いました。そもそも日本では友人を集めてパーティーをしようという発想に至らない場合が多く、せいぜい居酒屋で飲み会や宅飲みをしようという考えが一般的だと思います。しかしデンマークでは、友人の誕生日、年間行事、金曜日になったから、と様々な口実を設けてパーティーを開催しようとします。一般的なのが、みんなで料理を作り、その後にお酒を飲みながらゲームや年間行事のイベントをしたり、気分が盛り上がってきた頃合いを見計らってパブやバーに向かって踊ったり積もる話をするというものです。
私はデンマーク人の国民性がここまでのパーティー及びお酒好きに深くかかわっていると思います。彼らは基本的にシャイで人見知りが激しいですが、それを克服するためにお酒とパーティー独得の雰囲気の力を借りているのだと思います。実際に寮に新しい学生が入ってくるとその日の夜にもショットを飲みまくるパーティーがありました。新しく入ってきたカナダ人とレバノン人がたじたじだったのが印象的でした。
現地の学生の学習スタンス
オーフス大学に限らず、デンマークの大学の学習カリキュラムはとてもシビアです。日本の大学のように一度入学できたら卒業までの道のりは比較的平坦というわけではありません。一部の資料によれば現地の学生が入学して進級できる学生は10人中3人と言われているほどです。以前のレポートにも記したように教授が毎週生徒に課す課題図書が圧倒的に多く、最終試験も一連の授業を高いレベルで理解していることを要求することがこれほどの進級の難しさに拍車をかけているのだと思います。
しかし翻せば、そのようなカリキュラムに耐えられるほどの意欲が学生たちにあるのだと思います。大学に入ることで就職に有利になるという理由で入学する学生ももちろんいますが、特定の分野の造形を深めたいという熱意が一番の理由であると、多数の学生と行動を共にして実感しました。専攻分野が自分が期待していた内容と違うと思い至った場合、早い段階で違う学科に編入して新しい分野に挑戦する学生が多いことからも、それはうかがい知ることができます。そういった力技は学費が無料である福祉国家だからこそできるのかもしれませんが、学びたいから大学に行くという基本的ながら、忘れがちな動機を、我々はいま一度見習わなければならないのではないかと思いました。