Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

オーフス大学
2023年5月号 国際学部 M・Y

▶︎カルチャーショックについて

人柄と治安が日本と似ていることもありカルチャーショックは特に感じていません。が、留学生活も8ヶ月目に入り、少しずつ日本と違うと感じることがあるのでいくつか紹介します。一つ目はユーモアの違いです。イギリスと同様に皮肉がデンマークではスタンダードで、加えて嫌味もユーモアとして考えられています。移民や政治関係など日本では問題になるであろうことも笑いにしています。日本では相手を煽てる、ちょっかいをかけることで笑いをとることが多いかと思いますが、デンマークでは単なる意地悪に聞こえてしまうようで、慣れるまでに時間がかかりました。また、個人的な意見ですが、デンマーク人の友達は成功していること、お金持ちであることを自慢する、或いは指摘されることに非常に敏感です。デンマークでは持家とは別にSummer Houseという別荘を郊外に持つことが主流ですが、かといってそれを「お金もちだね」と言うと、如何に普通の家庭であるかを力説されます。

加えて、驚いたことは教育制度とアルコールの消費量です。デンマークでは学生が大学に授業料を納めるのではなく、学生が大学側から勉強することで賃金が支払われます。そのためアルバイトをしている学生は滅多にいません。アルバイトをしていても週末の二日ほどです。就職後の収入に応じて数%返還するようですが、微々たるものです。日本の大学システムを説明すると驚かれました。また、EU国内からの留学生はEUの制度の一環で奨学金が一律で出るそうです。そのため、空いた時間はボランティアなどに時間を費やすことができるのかと思います。

アルコールの消費量は以前紹介したように、Friday Barもあることから膨大です。平日で天気がいい日にはそれを理由に公園でビールを飲んでいる人もたくさんいます。過去にビールが水よりも安全で安価であったことから、現在に至るまでデンマークのアルコール消費量が多いことに繋がっているそうです。

デンマークでの飲酒文化について:https://www.youtube.com/watch?v=E4OxHt1uBBg

 

 

▶︎平等精神

デンマークでは古くから「自身が他の人より優れていると思ってはいけない」という『ヤンテの掟』が存在します。そのため、みんなが等しいという平等精神が強く、教授と生徒、定員とお客さんという関係性が極めて薄いです。これが先程あげたデンマーク人の友達が普通の家庭で育ったことを力説する理由かもしれません。

他の例としては教授は名前で呼ぶのが当たり前です。教授/先生(Professor)と呼ぶことが堅苦しく、逆にやめるように初回の授業で説明されました。ヤンテの掟があるからか分かりませんが、高級車やブランド品で着飾る人も滅多に見ません。学生は古着屋さんやFacebookのマーケットで買い物することが多いです。持っているもので満足する、アメリカンドリームではなく目標は現実的なものを立てて満足することが国別幸福度ランキング上位に入る秘訣かもしれません。これに関しては1セメスター目で履修していたDanish Perspactivesで説明を受けました。

クリスマスはコペンハーゲンで友人の実家で過ごしましたが、その際も親子で相談と言うより建設的なディスカッションをしていました。しかし、みんな平等であるが故に、年配の方に特別敬意を表することもありません。クリスマスディナーを食べ終わった後、おばあさんが一人で全て片付けていることに驚いたことを覚えています。日本と似ているようで、長く住むとデンマークは、時々、正反対であることに気がつきます。