Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

バルセロナ自治大学
2012年3月号 文学部 S.N

日本から持ってきたらよかったと思うもの、持ってきて良かったと思うもの

基本的にこちらでも人は生活しているので、生活用品(シャンプー、リンスなど)、服などはこちらで調達できます。ですので、あまりたくさんの品物を持ってくる必要はなかったと実感しました。ただ、常備薬(痛み止め等)などの医薬品は、薬局で買うこともできますが、やはり日本で使い慣れているものを持ってきているほうが安心だと思います。日本食もこちらに来てから3ヶ月ほどはやはり恋しくなります。バルセロナ市内にはたくさんのアジア食品店があるので、食品の調達はできますが、おどろくほど高価なので、醤油、だしなどは持ってきていて損はありませんでした。あと、i-phoneなどのスマートフォンやi-pod touchがあればとても便利だと思います。私はこちらでi-pod touchを購入したのですが、これがあれば、さまざまな場所にwi-fiは通っているので、旅行中などでパソコンが使用できないときの緊急連絡方法として私は重宝しています。あと、荷物に余裕があればですが、安物でも浴衣があればいいなと思ったことはしばしばあります。というのも、日本に関連するイベントなどが開かれることが多いので、こういうときに浴衣を着て欲しいという要望がしばしばあるからです。着付けなどもできればスペイン人の友達に着せることもできるので、喜んでくれると思います。

 

現地の学生、友人について

こちらの学生には日本文化や東洋の文化に興味を持っている人が多いのがまず印象的でした。日本人でも知らないような知識を知っている人もたくさんいて、もっと知識を入れてこればよかったと後悔することもしばしばありました。仏教に興味を持っている生徒も多いため、私が日本で仏教を学んでいるということを言うと質問をしてくるような、熱心な生徒が多いと感じました。日本に比べて、授業はしっかりと聞いている生徒が多いのも印象的です。以前友人に「日本では講義中に居眠りをするの?」ととても驚いたように質問されたことがありますが、スペインではこれは信じられないことらしく、ほとんどの生徒がしっかりと授業を聞いています。これは少し意外だと感じました。

日本語を学んでいる生徒もたくさん居て、電車に日本人の友人と乗っているときに「日本人ですか?」と日本語で話しかけられることもありました。彼らとは今でもよくバルセロナ市内へ遊びに行ったり、学食でご飯を一緒に食べたりしています。人によってもちろんレベルはさまざまですが、皆比較的上手に話していると思います。たまに日本人でも(だからこそ)わからないような文法の違いを尋ねられたりもするので、彼らと話すことはお互い、とてもいい勉強になると思います。

また、学生の間で、日本の作家では村上春樹、アニメではNARUTOやドラゴンボールなどがとても有名です。漫画文化は驚くほど浸透しており、大好きな人がほとんどだと思います。(日本のテレビアニメがカタラン語の吹き替えでも放送されているので人気度は非常に高いです)村上春樹など日本の作家についてはよく内容について話題に上がったり、尋ねられたりすることがあったので、勉強しておいたほうが良かったなとこちらに来てから後悔しました。

 

日本文化を知る

スペイン人が持っている日本のイメージは、『典型的』で、主に、伝統的なものでは着物や禅、仏教(手を合わせるなど)、現代的なものではやはり漫画やアニメといったものです。私たち日本人留学生はやはり、彼らから一番近い『日本人代表』になってしまいます。やはり遠く離れた国なので文化が間違って伝わっていることもしばしばあります。そんなときに正しい日本の文化を教えられるように、最低限の(日本での)常識は知っていなければならないな、とこちらに来て実感しました。たとえば、スペイン人が日本ではタブーとされていることをしてしまったとき(ご飯に箸をつきたてるなど…)に、しっかりと「それは日本ではタブーなんだよ」と教えられるように、予備知識を入れておかなければならないと思います。あとは、日本の伝統を知っていれば尚喜ばれると思います。浴衣・着物の着付け、折り紙、けん玉など、スペイン人には少し難しいと思われることも、知っていればとても喜ばれます。国際漫画サロンというイベントがバルセロナで行われた際、浴衣を着ているスペイン人が多く、「着崩れしたから直して」と日本人のブースを訪れる人もしばしばいました。そこで彼らに「わからない」といってしまうのは日本人として少し悔しいなと私は思います。

私も彼らに文化について質問されて、答えられないことがよくありました。また、彼らのほうが良く知っている文化もあります。「私は日本人なのに…」と恥ずかしくなることもあります。余裕があれば、で、かまわないと思いますが、日本人として、古きよき文化を学び、知り、伝えるのも文化交流におけるとても重要なポイントだと思いました。