オリエンテーションについて
このオリエンテーションに参加すると、「Duisburg-Essen Universität」と書かれた小学生のプールバックのような”かっこいい”バックと、半期分の”かっこいい”カラースケジュール帳がもらえす。オリエンテーションは公式的なので、もしユニークさを求めるのなら、後日行われるFrühtückに参加するといいと思います。各自伝統的な料理を持ち寄り、みんなで一緒に朝ご飯を食べながら交流を深めることができるようです。私は残念ながら料理のセンスがないのでFrühtückには参加しませんでした。こういうとき、皆に料理を振舞えるような素敵な女だったらいかにすばらしいか考えます。日本人の友達はおにぎりを持って行ったそうです。確かに「おにぎり」の文化はすばらしいと思います。なんの具でも受け入れ、さらに具のおいしさを引き出しつつも飾らず、調和した味を食べやすく提供することができる「おにぎり」は、みんなに食べさせたい日本の伝統的な料理に間違いありません。そしてそこには、私たちも「おにぎり」のように広い心と慎みをもちながら、フットワーク軽く、外国で生活していこうというメッセージが含まれています。
環境について
① Duisburg
森で Duisburgの街中
大学:日本の私立大学と違うところは、大学が「開かれていない」ということです。日本の多くの私立大学が見た目だけでも「開かれる」ことに力を入れているなか、Duisburgの大学は森の中に良い意味で混沌と建物があり、決して新しくなく綺麗でもありません。学生は獣道を通って、時に野うさぎや野ねずみと共に授業へ向かいます。獣道と学問がなぜか妙に似合ってしまうのはなぜでしょうか。至る所にイベントの張り紙があるので、興味がある場合は積極的に参加するといいと思います。
図書館:大学の図書館で本を借りるためには、最初にパスポートと住民登録証明を示して登録をします。そして図書館に入るときは、ロッカーに荷物を預けてから入ります。龍谷大学のように視聴覚室や映画を取り扱っていないのが残念です。街の図書館は年間10ユーロ程度を支払えば利用できます。ただし、比較するとEssenの図書館のほうが良いので後に記述します。
街並み:駅周辺は尿と煙草の混ざった匂いがする場所もあるほど汚いです。移民がたくさんいて、市電の中はドイツ人よりも移民が多いと言っても過言ではありません。たくさんの言語が飛び交います。私はよく冗談で「この街の98%がトルコ人」と言っているのですが、移民問題を研究したい者にとっては興味深い街です。夜にとてもいい雰囲気になるのがInnerhafenという港で、クラブやバーがたくさんあります。更に工場の廃墟を再利用したLandschaftparkは、暗くなるとライトアップされるので必見です。
住居:友達の部屋も含め私の感想
Duisburgerstraße445-447 道に面していて、大学から路面電車で10分以内。台所が広くオーブンがついていることが特徴。見た目が少し古い。鏡なし
Duisburgerstraße426-428 445-447のすぐそば。部屋によって台所の広さが違う。こじんまりしていて学生寮らしくない。部屋は7畳ぐらい、鏡なし
② Essen
Essenの大きな本屋さんの前で Berlinerplatz
大学:EssenHbfからUバーンU11やU18で大学まで約5分です。建物が色分けされていることがちょっとかわいいです。Essen大学は森のイメージではなく、動物はあまり見ません。私はよくカフェで大学の無線ランを使ってインターネットをしています。カフェではいい匂いのするおいしいパンやケーキ、コーヒーが売っていて、ついつい食べてしまいます。
Stadtbiblothek Eseen Bredeney
図書館:街の図書館がとても良いので紹介します。Hbfから徒歩約5分、建築がすばらしく、天井がガラスなので明るくとてもいい雰囲気です。日本とは違い、DuisburgとEssenどちらにもカフェがついています。前者は映画を借りるのに1本1ユーロかかるのに対し、後者は年間費20ユーロを支払えば本も映画も無料で無制限借りることができるので、映画好きにとっては嬉しいサービスです。語学勉強の本も充実していて、本は1ヶ月借りることができるので文法書やドイツ語の能力別テキストをじっくり読むことができます。
街並み:広々としていて綺麗なEssenHbfと、洋服や家具(IKEA)の買い物をするのに適したBerlinerplatzが中心街です。そして、Bredeneyを散歩したりサイクリングをしたりするのは最高です。
住居:友達の部屋も含め私の感想
Sonnmerburgstraße 5人でひとつの台所、トイレ、シャワーを使うのは大変かと思われるが、立地条件はここが一番良い。目の前を路面電車が走り、Hbfまで10分、そして10分おきに出発する。建物は比較的綺麗で毎日共同スペースを掃除する人が来る。部屋には冷蔵庫と洗面台、鏡があり、広い。実際この寮が一番人気で、リストに名前を書いて順番待ちをすることになる。
Meistersingerstraße 建物、部屋共に綺麗で広い。問題は立地条件の悪さ(ただし森の中にあり、静か)と公共料金代が家賃に含まれておらず、全体的に値段が高いことである。
Eckenbergstraße とにかくアラブ系インド系男子や中国人留学生が多い。立地があまりよくない。家賃が安い。
自由テーマ~留学前の心境~
12月から死体の夢ばかりみました。ドイツへ行く前の半年間は、私にとってもしかしたら一番つらい時期だったのかもしれません。言語の心配、食べ物の不安、友人、難しい手続き等が私の頭を占め、すべてのことに対して消極的になっていました。最終的には「なぜ私はドイツへ勉強しにいくのだろう」とおにぎりを食べながらめそめそ泣いてしまうほどでした。
外国で暮らすことは驚きと失望に満ちていて、家族や親友や先生方もいない、まさに孤独を味わうことになります。この状況をどう肯定できようか、絶対にできません。しかしこの超否定は、つまり超肯定なのです。ドイツへ留学する前に、インターネットを使ってたくさん調べることができます。獨協大学のホームページを見ると、様々なウェブサイトのリンクがはってあります。それを一晩中眺めて、自分が留学したときのことをあらかじめ想像しておきます。もちろん最悪な事態も想像して、渡航先で心が傷つく前にあらかじめ想像しておきます。とても大袈裟にみえますが、大袈裟でいいのです。たかが一年の留学を自分の中だけで大事件にしてしまえばいいのです。へたをすると「人生」なんて単語まで飛び出してこの留学について考えてしまっても、確かに恥ずかしいけれど、平気です。頭が滅入ってくると、とたんに留学について夢や希望を見出せなくなります。私はこのような精神のまま日本から飛行機に乗ったのですが、デュッセルドルフ空港についたときには完全に平常心になっていたことを覚えています。それからずっと平常心のまま特に大きなカルチャーショックもなく、ふつうに生活しています。実際に不安定なイメージのなかに身をおくことにより、おのずと安心したのかもしれません。