Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

デュースブルグエッセン大学
2011年10月号 文学部 S.S

授業紹介②

長い長い夏休みが終わりついに後期が始まりました。(ヨーロッパでは10月が仕事や学校の始まりなので、後期ではなく前期というようになりますが)今学期が日本の4月のようなものなので、留学生もさることながら新規学生も多く、大学のキャンパスが新鮮な雰囲気にあふれています。

今回は前期同様ドイツ語のクラスも受講しながら、一般の学生たちも受講しているコースも受講することにしたので、一週間の時間割が充実しています。ドイツ語のクラスが7つとゼミが一つと専門の導入クラスが1つの計9コマの授業を受講しています。そしてその中でも今回はGesprächstraining(ゲシュプレッヘストレーニング)というドイツ語の授業について紹介したいと思います。

Gesprächstrainingとはなにかと言われれば、簡単に言うとドイツ語で「話す」授業です。しかし、ただ話すだけではなく様々なテーマが毎回与えられ、それをグループワークで処理し、皆の前で発表するというものです。また、話すだけではなく語彙を増やす練習やドイツの文化理解に関わるテーマも与えられるので多角的にドイツ語を学習できます。ドイツ語を勉強するというよりかはドイツ語を使って遊ぶという感覚です。まだ始まって三週しかたっていませんが、楽しみな授業の一つです。

この授業の特徴は体を使って学習するということです。「跳ねる」という単語が分からなければ皆で跳ねて体で単語を覚えますし、時には歌ったりします。机に向かい90分間を過ごすということはありません。また先生もユーモアのある方なので、授業中は笑いにあふれています。

ドイツに来てから感じているのはドイツ語のコースは机にむかって90分間黙って先生の話を聞いて過ごすというものが少ないということです。授業や先生の問いは自分の意見や考えを発言することに主眼が置かれているというように感じます。また、比較的作業が多くなり退屈になりがちな文法や語彙の授業も先生方の工夫で楽しみながら授業が展開されています。

 

治安、危険を感じたこと、トラブル等について

ドイツの治安についてインターネットや本等から検索してみるとわかるように、ヨーロッパの中でも1,2と言っていいほど安全な国であるのは間違いありません。私もすでに9カ月ほどドイツに住んでいますが、ほとんど危険な目にあったりしたことがありません。しかし、日本と同じほど安全かと言えばそうではありません。「ヨーロッパの中」では安全な国ということです。日本は本当に安全な国です。言いかえれば平和すぎる国だとドイツに来てから感じています。外を見たらわかるように街中に自動販売機やATMがあれほど置いてある国は世界中で日本だけではないでしょうか。

日本を出る直前のオリエンテーションで外務省作成のビデオを見せてもらった後、私も正直初めての外国での長期生活なので内心「治安は大丈夫だろうか」と心配していました。しかし、それが功を奏してか「ここは日本ではない」という意識のもとドイツに渡ったため今のところ全く問題はありません。気をつけなくてはいけない事を気をつけていれば、問題はないと思います。

挙げるとすればドイツはスリ多いかと思います。命を狙われるということはよっぽどでないとありません。以下例として私が日ごろ気をつけていることです。

 

・電車やエスカレーターなど人が後ろに人が立てるような状態の時はカバンを必ず自分の手元に置く。

・大金は持ち歩かない。(多くて私は財布には30€、いつもは10€ほどしか財布には入れてません。)

・貴重品やカバンは手元から絶対に離さない。(置き引き対策)

・夜中はなるだけ暗い所は一人で歩かない。(女の子の場合特に)

・カギを必ず締める。

 

また、インターネットや本や留学経験のある方などから情報収集をしておいてそれなりの対策をすれば本当にドイツは安全な国だと思います。(例:外務省の地域別安全対策ページhttp://www.anzen.mofa.go.jp/ 地球の歩き方http://www.arukikata.co.jp/)

最初は緊張もあり注意深くなるため大丈夫だと思いますが、人間「慣れ」が一番怖いものです。先日ドイツにすでに2年ほど住んでいる知り合いの方が電車に乗る時にリュックに手をかけられ財布等抜かれる直前で気付くというできごとがありました。犯人達は実行役、隣での見張り役、少し離れたとこでの見張り役の三人だったそうです。やはり常に「日本ではない」という意識をもつことが最善の対策になるのではないでしょうか。必要以上に怖がる必要はないと思いますが、日本が平和すぎるだけでこれが世界の基準です。

 

自由テーマ

今回の自由テーマは先日Düsseldorfで開催されたJapantag/日本デーについて書きたいと思います。Japantag/日本デーとはなにかと言うと、このレポートの中でも何度か登場したDüsseldorfで毎年6月頃に開催される日本文化を紹介するイベントです。(今年は10月に行われました)Düsseldorfは私が住んでいるNortrhein-Westfalenの州都でもありますが、何といってもDüsseldorfを語る上で「日本」を抜きにして語ることはできないといったぐらいに、日本と関係性の深い街です。Düsseldorfには日本の企業がたくさん進出しているのに加え、日本のラーメン屋・レストラン、日本食を取り扱うスーパーなどなど日本に関するものを取り扱ったお店が立ち並んでいます。もちろんのことながら、ドイツで一番日本人が住んでいる街でもあり、日独交流の中心地であるといっても過言ではありません。

日本の屋台

 

そんなDüsseldorfで行われるJapantag/日本デーは焼きそば、唐揚げ、寿司等といったものを取り扱う屋台、書道・折り紙といった伝統文化紹介、柔道や空手などの演武、マンガやアニメなどの体験コーナーといった日本の文化がメインに取り扱われます。また、ドイツの日本に関心のある若者はマンガやアニメのキャラクターに成りすましたコスプレを披露しあいます。祭りのフィナーレには日本の花火師達が打ち上げる本格的な花火をもって締めくくられ、街中は「日本一色」に染まります。今年は70万人を集客したそうで、世界最大級の日本関連イベントであると言えます。

ドイツ人によるコスプレ

私たちが当日Düsseldorfを訪れた時の電車にはコスプレをしたドイツ人であふれており、街中そんな若者たちばかりでした。やはり外国人の一般的な「日本」のイメージは「Manga」「Anime」といったサブカルチャーが先行しているということが一目瞭然でした。そういうイメージだけが先行してしまっているのは少々残念だと思う時が時々あります。しかし、それを含めてもっと「日本」という国の良さについて知ってもらいという気持ちもあります。2010年を持って日本とドイツの交流は150周年を迎えたそうで、現在日独交流150周年のイベントが2012年まで各地で行われています。今後日本とドイツがより一層の交流のためにもDüsseldorf、Japantag/日本デーが充実していけばいいと思った一日でした。