デュースブルグエッセン大学
2012年6月号 文学部 O.J
*日本から持ってくれば良かったと思うもの
日本からもってきたもので、役に立たなかったというものはあまりありません。しかし生活していく中で、あれを持ってきておいたらよかった、と思うことはしばしばあります。そのひとつは文房具です。たいていの文具はこちらで買うことはできますが、日本のもののほうが使いやすかったなと思うこともあります。スーツケースの隙間に入れるだけでよい大きさのもので、自分が愛用しているものは持ってきておいたほうがよいと思います。ボールペンにこだわらず色々もってきてもよいと思います。
また日本語の書籍はもってきたいところです。ドイツ語の書籍はいくらでも手に入りますが、日本語のものはひじょうに手に入りにくいです。日本語の書籍をあつかう店の価格は高く(3倍程度)、買えないわけではないのですが、あまり積極的に買おうとは思えない値段です。卒業論文のために読んでおきたい本とか、ドイツの学術書や小説の邦訳などをもってくるとよいかと思います。ただ、単行本を何冊も持ってくるとなると荷物が重くなるので、文庫サイズで出版されているものを推奨します。
日本の風景のや自分の写っている写真をもってくると、自己紹介をするときに役立ちます。衣類は5日分くらいあれば十分なような気もします。ドイツは寒いという漠然とした印象からセーターを何枚か持って来ましたが、一枚で十分だったかななどとも考えています。それよりもむしろ、天候が悪くなると気温が下がりやすいという気候に対応できるような、脱ぎ着のしやすい軽めの上着が便利です。そして、ドイツのコンセントプラグの形状は丸型で2つの穴があるCタイプというものです。変換コネクターは3,4個もってくると電池を充電するなどのさいに便利です。ほかには、化繊毛布や折りたたみ可能なスリッパなどは役に立っています。
*現地の学生、友人について
ドイツの学生についてまずいえることは、日本と比べ、圧倒的に人種が多様であると言えます。学費がほとんど無いということもあるのか、ヨーロッパや他の地域から多く留学生を迎えています。もちろんトルコ系も多いですが、東欧から来ている人や、アフリカから来ている人などいます。全体的にみて、気さくな人が多い印象です。
友人をつくる場合、当然のことながら、日本語を勉強しているとか日本に興味がある人とは親しくなれる確率が高いと思います。また、自分の専攻については、「きみはどんなことを日本で勉強していたの?」などとよく質問され、こちらの人と話すときに重要になってきますから、日本にいるときに受け答えを用意しておいてもよいと思います。教授などに助けてもらい専門用語をあらかじめ独訳しておくと役立つと思います。相手が同じ専攻だと知っている語彙や話題も共通していることが多いので、話もしやすいです。自己紹介をするときの文章は想定しやすいうえに何度も使う機会がありますから、渡欧するまえに入念に綴っておくときっと役立つと思います。
*結局のところ何を持ってきたらよいのか
荷物の問題は誰もがかなり悩むことだと思うので、重ねて書きます。
最優先すべきは必要な書類です。これは寮の契約書とか渡航先大学からの証明書とか、目的地の地図、加入した保険の独訳証明書、顔写真数枚、飛行機のチケット、パスポートやクレジットカードなどです。そして何日か分の衣類と洗面用具、折りたたみ傘。次には辞書がありますが、これはなくてもこちらで買えます。ドイツ語学習者用の独独辞典が買えるので、紙の辞書が重ければ電子辞書だけでもよいかもしれません。心の安定を求めるという意味で言うと、故郷の写真はあるといいと思います。異国の地で1年間過ごすことになるので、それを見たら落ち着けるというものはもってくるべきかと思います。ビデオカメラ、デジタルスチルカメラがあれば活躍の機会は多いです。
その他の生活用品に関しては、ほとんどがこちらで買えるので(主食用の米を炊くことにすら代用品があります)、とくに心配しなくてもいいかなと思います。
ノートパソコン用として少なくとも一つは必要なコンセントプラグに関しても、日本式からドイツ式に変換する専用でない、万国対応のものも買えますし(ただし若干大きい)、文房具もいろいろな店を探せば代用品は見つかると思います。他に要ると思うのは、日本にいるときに使っていた語学用ノートでしょうか。読むと昔の自分に励まされるような気分になりますし、このノートをうまく作っておけば、参考書もいらなくなるかもしれません。
なによりスーツケースやトラベルバッグ等が重くなって移動が大変ですし、一年間も滞在するのだ、と気負うあまりに沢山のものを持ってきすぎるのもよくないかとも思います。渡航先で買ったものを持って帰るのだという意識でいるほうが、帰国したさいにもおみやげにもなって楽しいと思います。
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古本屋で1ユーロで売っていた、全頁カラー刷り図版収録の本
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日本と異なりたまに単行本が安売りされる。一冊およそ1.5ユーロ
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各所に存在する明媚な建築物は、見るものを楽しませてくれる