余暇の過ごし方について・余暇から得れたことについて
このテーマについては8月号にも既に言及したことがありますが、日常会話に足りる語学力がある程度身についてきた4,5か月目以降からは仲の良いドイツ人や留学生同士でお互いの国の料理を作ったりビールを飲みに街へでかけたりすることが多かったです。
留学初期の1,2か月目頃はなかなか安定しなかったドイツの生活事情にストレスを感じたり、慣れない外国語を喋るたびに感じる嫌な緊張感や疲労感を避けたい気持ちから、大学のない余暇の日も一人で閉じこもってしまう時間もありました。しかし日を追うにつれて現地の生活事情を理解していき、自分の中の留学生活への順応力の向上や妥協点などを見つけることが出来たことで、比較的のびのびとした生活を送れるようになっていったと思います。またそれに伴い自分の考えていることを伝える力も少しずつ着いてきた留学後半頃から、比較的一人でいることに時間を割くよりも誰かと過ごすことに時間を割く機会も増えていきました。そしてその彼らと過ごした時間は時が経つほど懐かしくなれる思い出に変化していきました。
彼らと再び会う機会というのは、それが例えお互い強く求め合うものでも物理的距離が大きすぎることからとても難しいと思いますが、写真を見返したり連絡を取り合う度に、本当に短く僅かな時間ではあったが、しかし確かに私たちは出会えたのだ、というまるで昨日出会ったかのような温かい痕跡が残りました。そしてその特別な感覚によって、あの時間は人生に於いて本当に価値のあるひと時であったと帰国した今振り返ることが出来ます。また留学以前に経験してきた今生の別れの多くもそのような考え方に捉え直されていきました。
幸い土日は定まった予定がなかったので余暇としての時間を見つけやすく、その余暇を大学の課題を消化するために使えたりどこかへ出掛ける時間のために使えたりと、余暇を余暇として過ごすことが出来ました。