デュースブルグエッセン大学
2016年10月号 文学部 I.H
治安、危険を感じたこと、トラブルについて
このテーマは書く人によって感じ方が違うと思うのですが、私は幸運なことに、一度も治安などの面で嫌な思いをしたことはありません。留学に来た時が、ちょうどISのテロがヨーロッパの各地で起こったタイミングだったので、若干旅行先や時期を選んで行動していますが、自分がその現場に居合わせるなどのことはないので、今後も関わらないで済むことを願っています。
日常生活の中で治安が悪いと思うことは、スリが多いことが一番挙がってくる話題だと思います。私の周りの日本人留学生の中にも、家までの乗り慣れたバスの中でスリにあったり、カバンの置き引きをされたり何件か起こっています。特に日本人は安全な国という意味ではいいのですが、外国では特別危険意識が低いので、服装などから狙いやすい国民という認識がされているように思います。ドイツ人でも留学に来てから3件のスリ被害を聞いていますが、日本人の方が圧倒的に確率が高いです。私もイタリアに行った時はスリにあいかけたのですが、すぐに気づいて防ぐことができたのですが、犯人は中学生くらいの若者で、悪いことというよりは、やんちゃ程度の気持ちでやっているんではないかと感じました。
それ以外の犯罪はあんまり感じないし、外国人だから暴言を吐かれたりしたことはないので、嫌な思いはしていないのですが、何人かの日本人の中には、アジア人という括りで暴言を吐かれたことがあると聞いたことがあります。体験したことで国や国民のイメージが偏ってしまうので、なんとも言えませんが、特にDuisburgは移民が多い街なので、外国人への耐性があるように思います。
テロについて
私の留学は2016年4月から正式にスタートしたのですが、ヨーロッパに来たのは3月後半からだったので、来てすぐにブリュッセルでテロが起こり、続いてフランスでトラックのテロが起こり、だんだんテロが身近なものに変わっていきました。留学が決まった時もパリでテロが起こったりしていたのですが、どこか遠い話で「気をつけてね」と言われるたびに「はい」とは言うものの何に気をつければいいのかも分からない状態でとりあえず返事をしているだけという感じでした。留学が始まってからテロの脅威が徐々に生活範囲内で行ける場所に迫って来ていることが分かり、恐怖を感じるのと同時に、やっぱりドイツ人と話していて気づくことは、日本人は特別テロの恐怖が少ないように感じました。自分の住んでいる街でテロを計画していた犯人が捕まったニュースなどを聞いてゾッとしますし、できるだけ人混みには行かないようになどの警告を受けてよく思うことなのですが、テロが実際に起こっているドイツ人は生活している基盤自体がドイツなのでテロの可能性があるからといってショッピングモールへ行くことを控えたりはしませんし、当然のように起こらないことが日常なので、緊急事態を常に意識することは恐怖に苛まれながら生活しろと言っているようなもので、ほぼ不可能に近いし、分からないところを狙うからテロなのであって、、、それでもドイツ人を含め在住者は今年は特にテロが起こり得る自体を少なからず把握しているように心がけています。私は留学生なので、”元気に帰国すること”が一つの目標であり”帰る”という表現ができることが幸せなんだとテロの被害を聞くたびに思います。