Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

デュースブルグエッセン大学
2018年10月号 文学部 K.E

治安、危険を感じたこと、トラブルについて

ドイツに来て約半年が過ぎようとしているが、幸運にもトラブルには巻き込まれていない。ケルンでの人質事件や様々なデモがデュースブルグ近郊で起こっているが、何かあると総領事館や大使館からメールで毎回連絡が入るため、未然に防げる。

デュースブルグには治安が悪い街があるが、そこに行かなければいい話である。

ただ、日本人として危機感を感じたのが「夜」である。デュッセルドルフでお酒を飲んで帰るのが遅くなった時、パーティで帰りが遅くなり徒歩で学生寮まで帰らなくてはならなかった時、しばしば酔っ払いや大声で独り言を叫び回る人に出くわしたことがある。何も危害を加えられなくても外国故、やはり恐怖を感じる。また、学生寮で深夜、外から叫び声、怒鳴り声が聞こえることもあり、寮の中にいるものの少々恐怖を感じる。ドイツに滞在して約半年が過ぎた現在、治安が良い・悪いに関わらず夜は出歩かない方が良いということを、実体験を通して学んだ。日本の夜とは違うことを頭に入れて海外では生活しなくてはならない。

 

デュッセルドルフ日本語補習校にて

デュッセルドルフには「デュッセルドルフ日本人学校」と「デュッセルドルフ日本語補習校」がある。前者は主に海外駐在員等でドイツに来ている家庭の子供達が多く通っている学校である。後者は主にドイツの学校にメインで通っている子供達が多く通っている。

私の所属するボランティア団体が開催したバザーで知り合った方が日本語補習校(以下補習校)の教員であり、その方からのお誘いを受け、私は10月中旬より後者の補習校にて研修生として生徒のサポートをすることになった。生徒の年齢層はだいたい日本の高校生。補習校では主に漢字の読み書き、参観日には生徒のプレゼンテーションが行われる。私が研修生として初めて参加した授業では、生徒たちによるプレゼンテーションが行われた。テーマは「宇宙、超音波、カビ、サビ、鼻くそ」など様々。しかし、そのプレゼン内容と後に行われた質疑応答には驚かされた。プレゼンには全員がパワーポイントを使用。質疑応答には生徒だけでなく保護者の方まで参加し、その質疑内容も鋭く、発表者もわかりやすく説明していた。ドイツの学校(ギムナジウム)では「プレゼンテーション」の授業があり、それ故生徒たちはプレゼンに慣れていた。その発表を聞いていると、どれだけプレゼンのために時間を割いたか、その労力が垣間見えた。高校生だった時の私は、彼らのように自分の意見や考えを上手に訴えかけることができなかっただろう。とにかく衝撃を受けた。国が異なれば教育内容も異なり、国によって児童・生徒に求められる能力も異なってくる。その差を見せつけられた気がした。

またディベートにも参加した。テーマは「日本とドイツの教育制度、どちらが良いか」。私は専攻が教育学であるため、勝てる!と思っていたが、結果コテンパンにされた。知識云々もあるだろうが、自分の考えを主張する力やそれに対する本気度に負けた。大学生として、研修生という立場として情けなく、その日はまっすぐ帰らず、私の好きなSchumacherのAlt Bierを一杯飲んで帰った。その日は何故か、いつもより苦く感じた。

ドイツの学校に通っている彼らにはドイツ人の感覚が身についていると思う。日本の文化を知りながら、ドイツ人社会で生活しているなんて本当に素晴らしいと思うし、私にとっては羨ましい。「ドイツ人は議論好きで、議論の際は相手が友達だろうが本気になって議論する」なんていう予備知識は、渡独前から頭に入れていた。コテンパンに言い負かされてしまったという失敗経験を通して、それを直に感じることができたのはものすごく貴重だった。

ドイツにて、何か教育に関することに携わりたい。悩み悩み、行動してみた結果、やっとつかんだ補習校の研修生。目的を持って果たしたい。