Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

デュースブルグエッセン大学
2019年3月号 文学部 K.E

①この留学を振り返って

今回の留学は、自分の人生観を変えることのできた経験だった。

なぜなら、日本でできなかったこと、してこなかったこと、感じることができなかったことをドイツで経験することができたからである。

ドイツで経験してきたことについて、3点を挙げる。

1点目はマイノリティとしての恐怖感である。私がドイツに来て間もない頃、わからないことがあったので駅構内のパン屋の店員に尋ねてみた。私の下手なドイツ語を聞いて、聞く耳を持たなかったのか、あっちいけというジェスチャーをされた。当時の私にはとてもショックで、言語が話せないだけでこんなにも冷たく扱われるのかと驚いた。他にも警察の検問を受けたり、資格の申込みに行ったり、銀行で問い合わせをしたりというような、言葉を使わざるを得ない状況にて現地語や英語を十分に使えないということは、上記のように冷たい扱いを受け、時には自分を守れない場合もある。これらは外国人というマイノリティとしての私に恐怖感を抱かせた。このようなことは考えてみれば理解可能なことだが、それを実体験として経験することができた。

 

2点目は日本には無い教育を見ることができたことである。私の専攻は教育学であり、特に興味分野は教員の多忙化。

ドイツの学校やドイツにある日本人学校にも多忙化問題は存在するのか疑問に感じ、それを知るべくGymnasium見学や日本人学校見学、日本人学校の校長との面談まで色々と動いてきた。

ドイツの学校には、日本の学校とは異なる点が多く見られた。授業の仕方や教科の種類、板書の量、生徒の発言量、教員一人当たりの生徒数、その場の雰囲気等々。見学をしただけで両者を十分に比較することはできないが、私にとって貴重な思考材料になった。また日本人学校の見学も大変勉強になった。日本と同様の教育が行われるが、在籍児童生徒の数や立地条件、それを取り巻く日本人コミュニティの濃さなど、様々な条件によって各々が抱える運営課題が存在しており、大変興味深かった。Gymnasiumも日本人学校も日本には無いため、貴重な経験がドイツでできた。

 

3点目は様々な人間と出会えたことである。

ドイツに来て、外国人はもちろん、教育関係者から雑誌編集者、アーティスト等々、様々な業種の方々と知り合うことができた。政治や宗教、教育など様々なテーマで話し合った。彼らと話し合い、様々な価値観に触れることができた。各々が大切にしている考え・考え方に触れることができた。自分にはない考え方やその視点を勉強することができた。様々な人間と知り合えたことによって、自分は人とコミュニケーションを取ることがとても好きであること、そこから多くを学び取れることに気がつけた。これが一番の収穫であったと私には感じる。

 

上記3点をもって、私の留学は自分の人生観を変えることのできたものであったと考える。

 

②帰国後どう留学経験を活かす予定か

帰国後はフットワーク軽めに、自分の好奇心に素直になって、常に動きながら生きていきたいと私は考える。

加えて帰国後は、日本に本帰国した学生ではなく、日本という国に長期留学に来た留学生という意識を持って、勉学に励みたい。

 

留学中、自分の知りたいことを知るために様々な人のところへ足を運び、お話をお聞きし、自分の考えを再構築しながら吸収してきた。

その中で、フットワークの軽さが重要だと気がついた。ノリの良さとも言うべきか。

 

また、自分のやりたいことをするためには、ある程度時間がかかることを経験した。その原因は情報収集不足にあるのかもしれないし、自分の力量不足にあるのかもしれない。しっかり情報を集めて、自分の頭で考えて行動していきたい。

 

いままで、様々な方からたくさんのことを学んできたため、帰国後はフットワークを軽く、自分の好奇心に正直になって、学生個人として、インプットしながら今までのアウトプットという形で社会にアプローチを掛けていきたい。